狼の血族
(1981・米)
監督・脚本:ニール・ジョーダン
脚本:アンジェラ・カーター
Rosaleen: Daddy...
Father: There, there, pet.
Granny: Shall I take her home with me tonight? Her mother's in no fit state to look after her.
森で狼たちに殺された姉の葬儀を終えた一家。妹(サラ・パターソン)は父(デヴィッド・ワーナー)の胸に顔をうずめて泣き出しました。その様子を見たおばあちゃん(アンジェラ・ランズベリー)が父親に声をかけました。
There, there.「よしよし」
これは泣く子供なんかを慰めたり、「まあまあ」となだめたりする時の表現です。
look after「世話をする」
【訳】 Rosaleen: パパ。
Father: よしよし。
Granny: 今夜はうちで預かろうか。母親は子の娘のことまで気が回らないでしょう。
基本は「赤頭巾ちゃん」です。一見、メルヘン風を装っていますが
狼男なホラー仕立て。狼に変身するシーンがジョン・ランディスの
『狼男アメリカン(1981)』
を連想させるなぁ。これがまた、むっちゃ楽しい、いや、失礼、
グロい。でもステキ(惚れ惚れ) CGなんか使わないメイク
でやってるところが、また絶妙なのです。
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このメイクを手がけたのは、『スターウォーズ』や『エレファントマン(1980)』のクリストファー・タッカー。でもって、この変身するグロい狼を演じたのは『クライング・ゲーム』のスティーブン・レイなのです。びっくり。
ちょい役なのですが、テレンス・スタンプが顔を出します。悪魔ですよ。
もちろん、紳士なスタイルでロールスロイスで現れる。カッコイイ!おまけに若い!
Never stray from the path, never eat a windfall apple and never trust a man whose eyebrows meet in the middle.
「(森の中では)道から外れないで、落ちたリンゴと眉と眉とがつながっているような男には用心すること」
とおばあちゃんは孫にいい聞かせるのですが、この人狼は成人した男性。
乙女を誘惑するエロティックな存在なのです。おばあちゃんと違い
If there's a beast in men, it meets its match in women too.
「女は男の野獣な面が好きなこともあるのよ。」 と母親は言います。
エロスに目覚めた少女の恐れと好奇心を描いたものともいえる。
すべては少女の見た夢なのか。それとも現実なのか。
御伽噺のダークな面をメルヘンでくるんだ幻想的な作品です。
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DVD:デジタルニューマスター版
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CD:サントラ/¥2,432/Jay
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