トゥモロー・ネバー・ダイ
(1997・米)
監督:ロジャー・スポティスウッド
Oh, heavens, no. I'd be lost at sea. Adrift.
広い海に投げだされば、誰もがどっちに行けばいいのかわからなくなっちゃいます。
つまり at sea 「洋上で」be lost 「迷子になっている」状態は「途方に暮れて」とか
「困って」どうしようもないって時に使う表現です。adrift「漂流して」も同じ意味
として使えます。 You have a vivid imagination for a
banker.Perhaps I should commission you to write a novel.
「銀行家とは思えない想像力だな いっそ小説家にでもなれば?」
世界を牛耳るメディア王、エリオット・カーヴァー
(ジョナサン・
プライス)にいやみを
言われた、銀行家を装うボンド(
ピアーズ・ブロスナン)
は Heavens, no.「まさか! とんでもない」
と驚きを隠せません(←いちおうね)。
【訳】それは無謀ってものです。海で溺れるようなものです。
ここでボンドがなぜ at sea という表現を使ったかと言うと、そこにはある理由が。
南シナ海で中国と英国が一発触発の危機に陥ったのはカーヴァーの情報操作に
よる陰謀だと睨んでいたボンド。違う情報を流すことで船なんか簡単に操れるのでは?...とカーヴァーにカマをかけた
ってワケ。 お互い腹のさぐりあいに余念がありません。
あ、ところで、at sea が「海の上」なら at the sea はどこ?
> kiss off 断念する ──
何のレッスンなんだか怪しいものですが、美女との楽しい勉強に
別れを告げて任務に戻るボンドでした。
A: I'm just up here at Oxford brushing up on a little Danish.
オックスフォードだ デンマーク語を磨きにね
B: I'm afraid you're going to have to kiss off your lesson.
悪いけどレッスンはおしまいよ
brush up 「磨く」は忘れかけていた勉強に再度磨きをかけて「し直す」。
> Something came up. ちょっと用事が ──
「ターミネーター」で I'll be back.と言ったシュワちゃんは
必ず帰ってきたけれど、ボンドはそのまま消えちゃった。 これが
ホラー映画だと、これを言ったやつは「次の犠牲者」になるのが
定石(←スクリーム)なんだけどね。 昔の恋人パリス(テリー・ハ
ッチャー)と再会したボンド。いきなりはり手をお見舞いされた。
もちろん身に覚えあるハズ。
A: Was it something I said?
B: How about the words, "I'll be right back"?
A: Something came up.
B: Something always came up.
何か問題が起ったら電話して
→ If something comes up, give me a ring.
つい怒りが込み上げて...
→ Rage came up in me.
のように「急に何かが生じる」のが come up ってことです。
└
A:「何か悪いこと言った?」
B:「すぐに戻る なんて言って」
A:「事情があってね」
B:「いつもそうね」
> dot the "i"s and cross the "t"s 細かいことに気を配る ──
とても銀行員とは思えないボンドについて洗えと命令したカーヴァー。
A: Bond's got a perfect employment record. 10 years.
He's crossed every "t", he's dotted every "i".
B: Which means?
A: Government agent.
│ i の文字の ←ドットを打ったり、t の文字の - ←横線を引く
│ ことは「細かいことまでに細心の注意を払う」という意味で
│ 使われます。←コレも - ← もなくてもそれなりに読めたり
└ するけど、それじゃ正確とは言えないもんね。
A:「ボンドは勤続10年 データのどこをとっても
ほこりひとつでてきやしない
B:「つまり?」
A:「諜報員ってことだ」
|