ドッグヴィル
(2003・デンマーク)
監督:ラース・フォン・トリアー
Chuck: Wishful thinking. This town is rotten from the inside out and I wouldn't miss it if it fell into the gorge tomorrow. I see no charm here. But you seem to. Admit it, you've fallen for Dogville.
I thought you were implying that I was trying to exploit the town.
「私が村の人を騙しているといおうとしたのかと思ったわ」
というグレース(ニコール・キッドマン)にそう思いたいとは思うけれど、そいつは違うと反論したチャック(ステラン・スカルスガルド)は、町の中で最後までグレースに心を許そうとしなかった男だ。
そんなの絶対ありえないというような出来事や、現実離れしたことを望むときってあるよね。でも、実際はそんな夢みたいな事、いってもムダ。現実は自分の思うように進むわけないんだから「甘いよ」という皮肉を込めた表現が Wishful thinking. です。それでもそういう話をしたいときは、
This is my wishful thinking, though,
「これは希望的観測ですけど...」
などと前置きしてから言うといいかも。
* rotten「腐った、不快な」 * from the inside out「徹底的に」
【訳】
甘いな。この町は腐っている。何から何までな。明日谷底に消えちまっても俺は何とも思わない。何の魅力もないからな。だがあんたは違う。この町が気に入ったんだろ。
23人の村人が住むロッキー山脈の懐で孤立した村ドッグヴィル。
そこに暮らすトム(ポール・
ベタニー)が一発の銃声を聞い
た後、ギャングたちから逃げる謎の美女グレースと出会う。
村人と協議の結果、村人全員に2週間で気に入られることがで
きたらという条件付でグレースをかくまうことになる。
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村といっても、壁はなく床に白線を引き、必要最小限の家具などを置いただけの殺風景なセット。
監督は『キングダム』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー。
実験的映像の上に3時間の長さだが、最後まで物語に引き込まれ、飽きることはなかった。
村人との交流に幸福感を見いだすグレースが、一転して、彼らの暴挙に従わされる様も、
記号化されたセットがぎりぎりのところで強い嫌悪感を押しとどめ、奴隷のごとく扱われ、
犬のように首に鎖をつけられ、おもりを引きずって無気力に歩く姿でさえ、妖しい美しさをかもし出していた。
9章のエピソードとプロローグで構成された衝撃の問題作。
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DVD:スタンダード・エディション/ジェネオン
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DVD:『ドッグヴィル』×『マンダレイ』 ラース・フォン・トリアー ツインパック
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ドッグヴィル BOOK PLUS:ラース・フォン トリアー
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