チャンス
(1979・米)
監督:ハル・アシュビー 脚本:イエジー・コジンスキー
Did you happen to have a chance
to go over my speech?
ランド氏(メルヴィン・ダグラス)は偉いだけでなく病人だからあまり無理はできない...
大統
領(ジャック・
ウォーデン)ですらお願いは控えめにしたようです。
go over は「ざっと目を通す」ことです。
happen to 「たまたま...
する」は、直接的な Did you go over...? よりも、Did you have a chance to
go over ...? よりもさらに「控えめで、遠慮の気持ち」 を込めた言い方にすると
きに使います。 【訳】原稿を読んでくれたかね。
主人の死で生まれて初めて屋敷の外へ出
ることになった庭師チャンス(ピーター・セラーズ)。世間知らずの彼に翻弄される俗
世の人々を皮肉を込めてユーモラスに描いた名作。共演は
シャーリー・マクレーンとぼけた味わいのP・セラーズの名
演技に拍手。話題のラストシーンも必見。
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DVD/ワーナー・ホーム・ビデオ
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原作本/Jerzy Kosinsky
映画で英会話の本
... aside「...はさておき」
All kidding aside, Mr. Chance,
may I ask just what you are doing here?
「冗談はいっさい抜きにして
あなたはここで何をしていらっしゃるので?」
冗談どころかチャンスは大まじめ。主人が死んで屋敷は
閉鎖されてもチャンスには行く所がないのだ。主人の弁
護士も彼の存在を知らず途方にくれました。
on the spur of the moment「とっさの思いつきで」
spur「拍車」は乗馬靴のかかとにとりつける金具のこと。
これを押すと馬の横腹を圧迫して馬が速く走りだします。
(シラナカッタ...;)そう聞けば、spur が比喩的に
「刺激」とか「衝動」と言う意味になるのはうなずけマス。
I know you're not a man to act on the spur of
the moment.
「君はもののはずみで何かをやるような男ではない」
チャンスのことをかいかぶっているのは大金持で政界の
黒幕的存在のランド氏(メルヴィン・ダグラス)とその
奥方(シャーリー・マクレーン)すっかり彼を信頼し、
親友とさえ呼ぶようになりました。
zilch「ゼロ」
大統領にFBIに新聞社がこぞってチャンスの身元を
調べたけど、何一つ彼のデータを得られなかった。そ
りゃそうです。彼はただの庭師なんだから。
Being There はお好き?
* 映画好き さん (M)
すごすぎる 2011年8月11日 18:12
痛烈に資本主義をあざ笑う、哲学的作品です。
* 蓑笠亭主人 鋤谷九郎 さん (M) すごすぎる 2005/9/4/9:40
映画「チャンス」はいいですね。特に、ラストシーンで謎の人「チャンス」を正体を明かす、あの手法には驚きました。え、彼の正体は、いったい何だって? 彼は、「キリスト」です。「水の上を歩ける人」とは、欧米では「キリスト」を指すのです。(詳しくは、聖書のヨハネの福音書をどうぞ)一介の庭師の言動がひょんなことから国家の経済政策にまで影響をおよぼしてしまう。しかし、当の本人はそんなこと、いっさい関与せず。彼はただ思うことを正直に述べるだけ...。 もしかしたら、「救世主」(「キリスト」)と呼ばれた「イエス」という人物(一介の大工)も本当はこんな存在だったのかも知れませんね。
* しまねこ さん (F) 2005/8/2/9:44
全体的に優しく、落ち着いた感じがある。
世間知らずのチャンスが、たまたま大富豪の夫人に拾われ、大邸宅に居候(?)するようになるが、その言動で一躍有名人になってしまうというストーリー。
チャンス自身は庭の話をしていただけなのに、大統領がそれを経済の話だと思い込み、チャンスを有名人にしてしまうあたり、アメリカという国がいかに空虚で、マスコミというものがいかに実態のないものであるかということをあらわしていると思う。
チャンスの言動は純粋で飾り気がない。時に人を惑わす(特に大統領!)おっかない所もあるけれど、その分、病に臥した大富豪の心を癒し、夫人にほのかに恋心を抱かせてしまう、誠実さがある。
今さらだが、P・セラーズが巧い!
「ピンク・パンサー」の警部役のイメージが強い彼だが、温かみのある深〜い演技を披露している。
個人的には、大統領と彼を取り巻く、呆れた面々がお気に入りです。チャンスの身元の調査結果を報告する場面は・・・(笑)
チャンスが道路の真ん中を歩きながら、ホワイトハウスの方へ向かうシーンは、とても印象的。
* TVチェンジャーさん (M) いいぞ
値段の安さだけにつられて買ってしまったのだがいざ見始めるとその独特な落ち着いた世界に魅せられてしまった。きれいどこや野心むき出しの若手俳優やイケメン俳優など全く出演しておらずピーターセラーズとシャーリーマクレーンの二大ベテラン俳優を中心にシブーイ脇どころが加わってたんたんと物語は進んでいく・・・。生まれてこのかた初老にさしかかるまで屋敷から外に出たことのない庭師が主人(おそらく父親だと思うが)の死をキッカケに世間に出、ひょんなことから財界の大物に出会い見込まれ、果ては大統領候補にまで登りつめてしまうというチョット無理のあるせっていだが、そうした粗を秀逸なベテラン俳優陣の演技が包み込んでしまっているので何とも不思議な感じにさせられる映画だ。現在流行の商業的映画にうんざりしている人には良い気晴らしになると思う。
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