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先週の本院発熱外来状況 毎週日曜日更新
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7月に入り、呼吸器感染症は減少し、
本院の発熱外来受診者数は減少していましたが、
先週から、新型コロナは増加に転じました。
今後、昨年同様、8月にかけての流行が予想されます。
引き続き感染予防に、ご注意下さい。
◆月間、週間の件数~5月から第30週(7/21~27)まで
感染症名など |
5月 |
6月 |
28週 |
29週 |
30週 |
31週 |
32週 |
急性呼吸器感染症 |
56 | 85 |
14 |
18 |
36 |
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新型コロナ |
4 | 5 |
1 |
3 |
7 |
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インフルエンザ |
0 | 0 |
0 |
0 |
0 |
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マイコプラズマ肺炎 |
0 | 0 |
0 |
0 |
2 |
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百日咳 |
0 |
3 |
0 |
0 |
1 |
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検体検査件数 |
29 | 41 |
5 |
11 |
20 |
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★急性呼吸器感染症(ARI)とは?
⇒厚労省Web
感染症法の改正により、令和7年4月から急性呼吸器感染症が
感染症法上の5類感染症に位置付けられ、
定点サーベイランスの対象となりました。
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは、
急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)
又は下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体
による症候群の総称です。
「咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか1つ以上
の症状を呈し、発症から10日以内の急性的な症状であり、
かつ医師が感染症を疑う外来症例」と定義されています。
インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス
咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、クラミジア肺炎、
百日咳、マイコプラズマ肺炎などが含まれます。
★診断検査の方法:
※コロナ、インフルエンザ、溶連菌:
迅速抗原検査キット(発症1~5日)
※百日咳:LAMP法(発症後1~16日)、
EIA-IgG抗体(発症後2~12週間)
※マイコプラズマ:LAMP法(発症後2~16日)
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先々週の宇和島保健所管内の5類感染症数
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◆27週(6/30~7/6)から29週(7/14~20)
愛媛県毎週金曜日更新
種類 |
感染症名 |
27週 |
28週 |
29週 |
30週 |
31週 |
定点 |
急性呼吸器感染症 |
229 |
189 |
216 | | |
定点 |
新型コロナ |
10 |
12 |
14 | | |
定点 |
マイコプラズマ肺炎 |
3 |
1 |
4 | | |
全数 | 百日咳 |
0 |
3 |
1 | | |
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★定点医療機関とは?
⇒愛媛県Web
患者定点には、ARI定点(内科と小児科)、小児科定点、
基幹定点(内科と小児科を持つ300床以上の病院)などの5種類があります。
宇和島保健所管内は、4か所の定点です。
★全数把握感染症とは?
⇒愛媛県Web
感染症発生動向調査では、医師に全数届出を求める「全数把握対象疾患」
と指定届出機関(定点医療機関)で診断された患者の報告を求める
「定点把握対象疾患」をそれぞれ定めています。
全数把握が求められる疾患は、発生数が希少、あるいは
周囲への感染拡大防止を図ることが必要な疾患です。
①愛媛県感染症情報センター(⇒Webサイト)
*県内の各種感染症の流行状況:毎週金曜日15時更新
②全数把握感染症(⇒Webサイト)
*1週間の愛媛県内全医療機関の患者数
*2類:結核
*3類:腸管出血性大腸菌感染症(O-157)など
*4類:日本紅斑熱、レジオネラ症、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など
*5類:劇症型溶血性レンサ球菌感染症、梅毒、百日咳、風疹、麻疹など
③定点把握五類感染症
(⇒18種類急性呼吸器感染症
愛媛県の過去5年間の推移グラフPDF
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全国、愛媛県の感染症の流行状況 |
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①愛媛県感染症情報センター(⇒リンク)
*県内の各種感染症の流行状況:毎週金曜日15時更新
*2023~2025年愛媛県週別 新型コロナ患者発生状況:
新型コロナは、愛媛県でも、増加傾向です。
②NHK:感染症データと医療健康情報(⇒リンク)
*全国の約20種類の感染症の流行状況:毎週金曜日更新
③厚労省:コロナ発生状況(⇒リンク)
*全国の1週間ごとの発生数、入院数など:毎週金曜日更新
④厚労省:インフルエンザ発生状況(⇒リンク)
*全国の1週間ごとの発生数、入院数など:毎週金曜日更新
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今年、国内で流行している主な感染症 |

★日本紅斑熱およびつつが虫病
(4類全数把握感染症)
日本紅斑熱の届出が、第17週に1例、
第20週(5月12日から5月18日)に2例、
第21週(5月19日から5月25日)に1例ありました。
その後も県内での発生は続いており、
2025年1~7月累計で、愛媛県内9例、
宇和島保健所管内3例が報告されています。
草むらや藪などのマダニの生息する場所に入る際は、
肌を露出しない服装を心がけマダニに効果のある
防虫スプレー(ディート含有)を使用しましょう。
病気の説明と愛媛県内の発生状況 ⇒愛媛県Web
★重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
(4類全数把握感染症)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、
マダニによって媒介されるウイルス感染症です。
主に西日本を中心に患者報告が続いています。
今年も県内での発生は続いており、
2025年1~7月累計で、愛媛県内で4例の報告があり、、
そのうち3例が宇和島保健所管内での発生であり、
宇和島では特に注意が必要です。
マダニにかまれた後、潜伏期は通常6~14日で、
初発症状は発熱、下痢、頭痛、筋肉痛、出血などで、
重症化すると死亡することもあります。
マダニにかまれた場合は、早めに皮膚科などを受診してください。
病気の説明と愛媛県内の発生状況 ⇒愛媛県Web
★百日咳(5類全数把握感染症)
2024年末から、6年ぶりに全国で大流行しています。
2025年7月7日~7月13日の1週間の感染者報告総数は
全国で3,682人、愛媛県で52人、宇和島で3人でした。
宇和島管内では減少傾向ですが、全国では流行が続いています。
潜伏期は通常7~10日で、初発症状は発熱。
その後、咳が3~4週続きます。
治療は抗菌薬(マクロライド系)が用いられます。
大人では、発症児童の親世代である 30歳~49歳に多く
この年代の方の長引く咳には注意が必要です。
重症化することはまれですが、
ワクチン未接種の乳幼児に感染させる危険があります。
患者さんの年齢は、5~15歳が75%と多く、
次いで発症児童の親世代である 30歳~49歳も多いため、
この年代の方の長引く咳には注意が必要です。
百日咳の診断は、以下の2つの方法があります。
①遺伝子検査(LAMP法)
発症早期に、鼻汁で検査ができます。
②血清抗体価
発症後2~12週間に、血液で検査ができます。
NHK 感染症情報と医療・健康情報 ⇒Webサイト
国立健康危機管理研究機構⇒感染症情報提供Webサイト
東京都感染症情報センター ⇒感染症ひとくち情報クリック
現在、日本では生後2か月から、百日咳を含む
「5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)」の定期接種が
実施されており、4回の接種が推奨されています。
*リンク⇒日本小児科学会の推奨スケジュール
★マイコプラズマ肺炎(5類基幹定点把握感染症)
国立感染症研究所Webサイト ⇒クリック
厚生労働省Webサイト ⇒クリック
2011年と2013年に大きな流行があって以降、
大きな流行はありませんでしたが、
2024年、久しぶりに全国で大流行しました。
潜伏期は通常2~3週間で、初発症状は発熱。
その後、咳が3~4週続きます。
治療は抗菌薬(マクロライド系やテトラサイクリン系、
ニューキノロン系薬剤)が用いられます。
2024年11月をピーク(3.05)に減少していますが、
2025年7月現在、1医療機関あたりの1週間の患者数は、
全国で0.91で、愛媛県で1.00、宇和島管内で4です。
宇和島ではまだ多いようです。
★手足口病(5類小児科定点把握感染症)
国立感染症研究所Webサイト ⇒クリック
厚生労働省Webサイト ⇒クリック
5歳位までの幼児を中心に夏季に流行が見られます。
大人はすでに免疫を持っていることが多いため、
感染することは少ないのですが、
2024年、愛媛県で大流行しました。
10~20歳代の若年成人の方の受診があります。
特別な治療法はなく、
水分補給など対症療法が中心になります。
2024年は、流行していましたが、
2025年5月は,全国0.08、愛媛0.14と減少しています。
●RSウイルス感染症(5類小児科定点把握感染症)
●国立感染症研究所Webサイト⇒クリック
●厚労省:RSウイルス感染症Q&A⇒クリック
(令和6年5月31日改訂)
乳幼児における肺炎、細気管支炎の原因として多く
乳児では重症になりやすく要注意です。
感染後も十分な免疫はできないため、何度も感染します。
成人では重症化はまれですが、
家庭内で、子供や孫から感染することがあります。
ただし、高齢者やCOPDなどの慢性呼吸器疾患の人では
重症化率が高く、注意が必要です。
2024年、60歳以上の方には予防接種が認可されました。
本院での接種は、まだ検討中です。
接種費用は、26,400円(税込)程度かかるようです。
2024年から2025年3月まで流行していましたが、
2025年5月は、全国0.30 愛媛0.43と減少しています。
■厚生労働省:感染症情報(⇒クリック)
※各種感染症の総合サイトです。
※最新のトピックスが、掲載されています。
※インフルエンザ・新型コロナ感染症の推移など
頻回に更新あり。
■国立感染症研究所:感染症週報(⇒クリック)
※日本国内の主な感染症発生動向報告毎週金曜日更新。
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