映画で英会話 TangoTango!!


間違えられた男 (1956・米)
監督:アルフレッドヒッチコック
脚本:マックスウェル・アンダーソン アンガス・マクファイル


Rose: Three hundred dallars for the four wisdom teeth.
Balestrero: That's a lot of money, but with prices what they are maybe it's not too unreasonable.
Rose: He even gave me a little lecture on revolution on the side.


貧乏ながらも幸せな家族をもつベースの奏者バレストレロ(ヘンリー・フォンダ)が、 ある日、家に帰ると、妻(ヴェラ・マイルズ)がベッドで臥せっていた。歯が痛いというのだ。


on the side 中心ではなく「傍らにある」ということから、「余分に」とか「おまけに」という意味を持ちます。料理の「付け合わせ」や「副業」、「片手間にやる」バイトなども意味します。

wisdom teeth「親知らず」

unreasonable「理不尽な」

【訳】Rose: 親知らず4本抜くのに300ドルかかるの。
Balestrero: 確かに高いが、それで痛くなくなるならしかたがないな。
Rose: 先生ったら進化論の講義までしてくれて。


歯の治療に多額の治療費がかかることから、保険会社に借金をすべく出向いたバレストロは、 そこの女性事務員たちの証言により、以前起こった強盗事件の容疑者だと 断定される。寡黙に耐えるバレストロ。裁判の日まで、証人探しに奔走する夫婦。 夫を助けようと気丈に闘っていた妻だが、やがては精神的に追い詰められて行く。

犯人に似ているというだけで間違えられた男の実話をドキュメンタリー・タッチで淡々と追う。ちょっとあっけない幕切れだが、実話とはこういうものなのかな。警察の詰めの甘さや証人たちのあいまいな供述。ミステリーの要素より平和な日常が壊れていくところに重きを置いたストーリー。


『チャーリング・クロス街84番地』でもNYの女流作家アン・バンクロフト が文通相手の英国の古書店主人のアンソニー・ホプキンスに会いに行く予定が、 飛行機代が歯の治療費に化けたため、行けずじまいでした。

07年の米歯科治療費レポートによると、陶歯冠 は米国で1本960ドル (約10万円)もかかるため、国境を超えメキシコで治療を受ける人が多いそうだ。 【 Newslog USA | 格安の歯科治療求めメキシコへ】より   

格安といってもメキシコでも、3万円はかかる。実際、日本が激安なんだそうで、 外国はどこも治療費がかさむのが常。うっかり虫歯にもなれません。

こちらのサイトでアポの取り方から、症状の説明の仕方まで学べます。 歯科英会話     歯医者さん の 英会話 実践集

★ついでに、on the side は、

on the 〜 side と間に形容詞をはさむと意味が違ってきます。 詳しくはこちらの『フォレスト・ガンプ』で。

★村上春樹氏がエルサレム賞の受賞の際にしたスピーチのタイトルは、

Always on the side of the egg 

If there is a hard, high wall and an egg that breaks against it, no matter how right the wall or how wrong the egg, I will stand on the side of the egg
「硬くて高い壁と、そこにぶつかって行く一個の卵があったとしたら、たとえ壁がどんなに正しくても、卵がどんなに間違っていたとしても、僕は卵の側に立つ」 スピーチ全文

この場合の on the side は 「〜を支持して」 とか「〜に味方して」という意味です。

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* 映画関連本  映画で英会話の本




The Wrong Man はお好き?

* kunia さん(F) いいぞ 2009年12月31日 18:43
モノクロでヒッチコックの地味な作品ですが奥さんが狂っていくプロセスが妙に 実感があって心に残る作品です。今はこういう生活感の漂う 小品が無くなり映画フアンとしては淋しい限りです。


あ-うえ-おか-けは-ひふ-ほやらわ英数



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