初老のロンドン・タイムズ特派員ファウラー(
マイケル・ケイン)が出あったアメリカ人パイル(ブレンダン・フレイザー)。ベトナムに来たばかりの彼は、若き日の自分を彷彿させるがごとく情熱に満ちていた。
look forward to... 「...を楽しみに待つ」
何かに誘われたら、といっても、いつどこそこと具体的な話でなく、そのうち、いつかの返事としてもよく使われます。何かを「心待ち」にするときにどうぞ。
It's been a pleasure meeting you.
「お目にかかれて光栄です」と別れ際にいう丁寧な決まり表現。返事は、 The pleasure's (all) been mine.「こちらこそ」
と答えて。くだけていうなら、
a: Nice meeting you.
b: Same here. なんてどうでしょう。
【訳】 Pyle : お会いできてよかった。いつかディナーでもご一緒しましょう。
Fowler: いいね。楽しみにしている。
騒がしいバカどもとは違う「おとなしいアメリカ人だ」とファウラーは米国青年パイルを評してこういった。ベトナム人を救いたいという熱い気持ちを内面に秘めてはいるが、物静かで力強い。そして quiet「おとなしい」…それは、もう口を閉ざしたまま誰にも真実を知らせることはないという意味でもある。
物語は、うつぶせたパイルの死体が水面に浮かぶ姿を映し出す。彼はなぜこんなことになったのか。いったい誰が彼を殺したのか。
熱き志を持つ、聡明な好青年としてファウラーと交流を深めていた男がなぜ。確かにファウラーとは、ベトナムの愛人フォング(ドー・ハイ・イエン)を巡る確執があった。一目でフォングはパイルも魅了したからだ。
1952年、仏占領下のサイゴンで、次第に混迷を深くしていくベ
トナム情勢と共に、初老のロンドン・タイムズ特派員ファウラー
とその愛人フォング、そして物静かだが理想に燃える米国青年パ
イルの三人も複雑な関係に陥っていく…。 イギリスを代表する
作家グリーンがジャーナリストとして自ら過ごしたベトナムでの体
験をもとに書かれた作品。驚くべきことは、50年もの前の作品であ
りながら、彼のジャーナリストとしての視線と作家としての想像
力が、現在の混迷した世界情勢をそっくりに映し出していること
にある。エキゾチックでしっとりとした映像美とケインの狂お
しいまでの嫉妬に燃えるまなざし、三角関係を描いたラブストーリ
の陰に、静かに横たわるミステリアスな殺人劇。
*
DVD/エスピーオー
*
おとなしいアメリカ人/グレアム・グリーン著/早川書房
*
The Quiet American/Graham Greene著/Vintage
*
VHS:海外版
*
CD:サントラ
The Quiet American はお好き?
あ-う ・
え-お
・ か-け
・ こ
・ さ
・ た
・ な
・ は-ひ
・ ふ-ほ
・ ま
・ やら
・ わ英数
|