アン(ナオミ・ワッツ)のした
あることに怒りを隠せない
ポール(マイケル・ピット)が
一言。
You shouldn't have done
「〜してしまったのはまずかった」
あーあ、やっちゃったんだね。そんなこと「すべきじゃなかったのに」
でも、もう遅い!実際はしてしまったんだから。
I shouldn't have 〜 と
I が主語の場合は、
自分のやったことを、「〜するんじゃなかったなぁ」と
後悔する気持ちになりますが、You
が主語になれば、「そんなことしちゃダメじゃないか」と相手を責めたり、
諌めたりする時の表現になります。
これ、突然プレゼントされた時なんかにも使えます。この場合は
恐縮の気持ちからですね。
Oh, You shouldn't have.
「そんないいのに」(でもうれしい、ありがとう)
【訳】いけないよ、アン。
見るものを瞬間冷却させる恐怖の監督ミヒャエル・ハネケ。
『不快』『二度と見たくない』など、ヤナもの見たな、
評価が続々。まさに監督の思うツボである。
ストーリーは:愛犬に幼い息子(デヴォン・ギアハート) 。別荘でバカンスを過ごそうと
やってきた夫ジョージ(ティム・ロス)
と妻。そこへ、隣家の客だという青年
ピーター(ブラディ・コーベット)が
「卵を切らしたから貸して」と現れる。
それがゲームの始まり。一家は、二人の青年に監禁され、
いたぶられ始める。 直接的な暴力シーンは少なく、大げさなスプラッター・シーンもない。
なのに、この二人の青年のいたぶり方が神経を逆撫でする。とにかく露悪的
で不快だけれど、なんとなく、リモコンでまき戻しのシーンを見てちと
冷めました。
これはあくまで『ゲーム』なんだって。
観客は、強引に不愉快なゲームに参加させられてたんだと。
常に勝者は決まっていて、その不愉快な過程を楽しむ(←楽しめないけど ー.−;)
ゲームだし。ほら、だって、ヒーローものだって勝者は決まってるんだしね。
世を騒がせる凶悪事件をTVで見聞きするたび、それを実際、どの程度まで現実のものとして、
人は受け入れているのでしょうねぇ。
いやな事件だねといいながら、
リアルな事件でありながら、
どこか、それは虚構と背中合わせ。
「虚構は現実 虚構は現実と同じぐらい現実だ」と
青年はこう、うそぶきます。
なら、その反対もありってことでしょうか。
「現実は虚構と同じぐらい虚構だ」。
そして、その感覚が新たな本物のサイコ犯罪者を
産みだす気がします。
あのハードロックの耳を劈く音が一番心を逆なでされました。
最後にヒトコト、「冷蔵庫の卵は切らすこと」。
これで、ゲーム・オーバー。
カンヌで賛否両論を巻き起こした衝撃作ハネケ監督の『ファニー・ゲーム』
を自ら米国を舞台にリメイクしました。役者とドイツ語から英語に言葉が
変わっただけで
内容はすべて同じという珍しいセルフリメイク。オリジナル版のじっとりとした
泥臭さとリアリティが、USA版はどこか洗い流されている気がして、
オリジナルを観た時の苦痛が、緩和されていたのに気付いた自分が一番怖い?
*
ファニーゲームU.S.A. [DVD] /アミューズソフトエンタテインメント
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