「ここしばらく『幼児教育の経済学』という理論が流行ったが、それは幼児期に「非認知的能力」を育てると、成人してから「高学歴」「高所得」「高持ち家率」などの指標で、その「発達的な効果」が示されていた。(略) 何がおかしいのだろうか。それは、これから育ち行く子どもたちを前にして、『あなたのゴールはここですよ』と決めつけかねないからである。多くの経済学者が、これからは今までのような経済成長は望めないと語っているにも関わらず、21世紀を生きようとする子どもたちに、19世紀終わりから20世紀前半までの価値観で促しているのである。」