| 袴田再審無罪 25/11/4 |
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| 2024年9月26日 |
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| 2024年で大きな動きとしては、静岡地裁での袴田再審無罪判決だろう。10月8日に検事総長が控訴断念を公表、9日に検察が上訴権放棄し、無罪判決が確定した。事件発生から58年、ようやく袴田さんは自由の身となった。 |
| 袴田事件については、このサイトでは<2207><袴田事件>で前述。 |
| 判決では、捜査機関による3つの証拠の捏造が指摘された。第1は、あまりにひどい取り調べで作られた自白調書(45通のうち44通が第1審段階で採用されなかった)の最後の1通も非人道的な取り調べの結果として実質的に捏造とした。 |
| 第2に、争点となっていた「5点の衣類」も、味噌タンク内で1年以上浸かっていれば血痕は赤みを失い黒褐色化すると認め、犯行衣服ではない捏造されたものと断定した。 |
| 第3は、タンク内で見つかったズボンの共布とされた布切れ(袴田さんの実家から発見されたとされる)も捜査機関による捏造とされた。 |
| この袴田再審無罪判決は、狭山事件にとっても追い風となるはずだった。今となっては(2025年11月)、悔しい限りである。 |
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| 2024年の動き |
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| 2月27日 第58回三者協議 |
| 2024年12月、家令裁判長が着任し、初めての三者協議が開かれた。弁護団が意見書(同日付け)で要望した第3次再審請求の全体像についてのプレゼンテーションを次回三者協議で実施することが決まった。 |
| 検察官は2月22日付けで意見書を提出。弁護団が昨年提出した新証拠を否定し、鑑定人の尋問もインク資料の鑑定も不必要とした。弁護団は今後この意見書への反論を提出することを伝えた。 |
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| 4月19日 第59回三者協議 |
| この日の三者協議では、家令裁判長ら裁判官に第3次再審の全体像についてのプレゼンテーションが行われた。 |
| 今回のプレゼンテーションでは、まず、狭山事件の有罪判決が、どのような証拠によって石川一雄さんを犯人としたのか、いわゆる有罪判決の証拠の構造を示した。 |
| そのうえで、脅迫状、足跡、血液型、手拭い、スコップ、目撃証言、音声証言、鞄、万年筆、腕時計を含む五つの「秘密の暴露」、殺害方法、死体処理(死体運搬、逆さづり)、自白の変遷、「刑事訴訟法」435条2号にもとづく再審理由(警察官の偽証が明らかになったこと)など論点ごとに、どのような新証拠を提出してきたか、 |
| 証拠開示された取調べ録音テープなどの証拠資料によって、いかに有罪判決の誤りと石川さんの無実が明らかになったかを説明した。さらに、検察官が反論としてどういう主張をし、それにたいして、弁護団が再反論した内容を説明した。 |
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| 6月11日 第60回三者協議 |
| 2月、東京高検は全ての論点について、弁護団が提出した新証拠は再審開始の理由にならないとしたうえで、弁護団が求めている11人の鑑定人の証人尋問、および万年筆インク資料の鑑定請求について、全て必要ないとする意見書を提出していた。 |
| 弁護団は、5月31日、6月5日、6月10日、検察提出の意見書の誤りを明らかにした新証拠と意見書を提出した。これで新証拠は273点になった。 |
| 5月31日には、筆跡鑑定をコンピューター解析をした鑑定人の報告書と補充書、万年筆インクのX線分析に関わる事件報告書、意見書、インク資料の鑑定請求書が、6月10日には、スコップに関わる元科捜研技官の意見書が提出された。 |
| 6月11日の三者協議で、弁護団は、提出した検察官意見書にたいする反論の新証拠と意見書の趣旨を説明し、とくに、インク資料の鑑定請求にたいして、検察官がクロム元素が検出されない可能性があるなどと反論していることについて、 |
| 「数字」のインクからクロム元素が検出されないことを前提にして争点をしぼるべきではないのか、検察官の手元にある「数字」などのインク資料について蛍光X線分析をおこなったのか、検査をおこなっていないとすると、なぜ実施しないのか、について検察官は釈明すべきだと述べた。 |
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| 8月27日 第61回三者協議 |
| 8月19日、弁護団は万年筆インクの鑑定について東京高裁に申し入れ書を提出。これは、裁判所による鑑定実施の請求にかえて。弁護団が推薦するX線分析の専門家による蛍光X分析を行い新証拠として提出するための裁判所と検察の協力を求めるものである。 |
| 裁判所は、鑑定資料が全て検察側にあるので、弁護団に協力するように検察に要請した。 |
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| 9月26日 袴田再審無罪判決 |
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| 11月12日 第62回三者協議 |
| 弁護団は、蛍光X線分析の専門家によるインク資料の検査を行った。年内には新証拠として鑑定書を提出する予定とした。同時に、分析した専門家の証人尋問も求めるとした。 |
| 一方、検察は11月11日付で、弁護団が5月、6月に提出した筆跡、スコップ、インクについての新証拠、補充書に反論する意見書を提出してきた。 |
| 12日の三者協議では、検察官の手元にあるインク資料の蛍光X線分析を行ったかなどについて釈明を求めていたことについて、検察は回答しないとした。弁護団は、専門家によるインク分析を実施し、年内に鑑定書を提出すると伝えた。 |
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| 12月20日 インク新鑑定提出 |
| 弁護団は、検察庁において実施した専門家によるインクの蛍光X線分析の結果を新鑑定書として提出した。結果は、2018年の下山第2鑑定と同じく、YNさんが事件当日書いた文字からはクロムが検出され、発見された万年筆で書いた文字(数字)からは検出されなかったというものである。 |
| まさに、発見万年筆は<捏造>であるということが、二人の専門家によって証明された。 |
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| 検察は証拠開示に応じようとせず、一方で、反論反証をくり返し、いたずらに時間を浪費する妨害を続けている。 |
| 再審請求における証拠開示の法制化、事実調べ、再審開始決定への検察抗告の禁止を盛り込んだ再審法の改正が必要である。 |
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