さやまの会 №68 16/1/22 |
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高検は不誠実な対応 ~更なる世論形成を~ |
2015年12月21日に東京高裁で第26回三者協議が開催されました。 |
弁護団は開示された領置票(証拠リスト)にもとづいて開示請求を求めた4点の証拠物に対して、前回の三者協議において植村裁判長は客観的証拠であり、検察官から裁判所に提出しプライバシーの問題がないか判断のうえ、 |
弁護側に開示するという従前からの方法を提案し、検察官に開示の検討を求めましたが、検察側は12月11日付で、これらの証拠物は本件の再審請求と必要性・関連性がないとして開示すべきでないという意見書が提出されました。 |
弁護団は、検察官が領置した証拠物であり、プライバシーの問題がなければ基本的に開示すべきものと主張しあらためて意見書を提出することを検討することを伝えました。 |
また、「車の追越し」「車の駐車」に関する弁護団の証拠開示勧告申立について、検察官はすべて調べたうえで「不見当」であるという回答であったため、当初から存在しないのか、存在しない理由や経緯を説明するべきと追及し、裁判所は検察官に書面で回答するよう検討を求めました。 |
植村裁判長は、裁判所は従来から秘密の暴露に関わる証拠開示が重要と考えており、なるべく開示の方向で検討してほしいという基本的立場は変わらない旨を表明しています。 |
この間、弁護団が求めている東京高検以外の証拠物の一覧表の開示については、今後の協議に持ち越しとなりました。次回の三者協議は、3月上旬に行われることになっていますが、徹底した証拠開示を進めて、さらに新証拠を積み重ねて事実調べの実現、再審開始を勝ち取るまで油断することなく粘り強く取り組みを進めていく必要があります。 |
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弁護団が補充書を提出 |
弁護団は、開示された取調べテープについて、12月21日付で2通の補充書を提出しました。 |
1通は、テープに録音された取り調べのやり取りの中で石川さんが図面の説明文を書いている場面を分析したもので、警察官らが石川さんが漢字が書けないことを前提にひらがなで説明の言葉を教えながら書かせている実態から、当時の石川さんが到底、脅迫状を書けたとは考えられないと指摘しています。 |
もう1通の補充書は同じく録音テープのやり取りのなかで、石川さんが繰り返し脅迫状を書いたことを追及されて認めさせられていく過程があること、殺害方法、死体運搬などに関して石川さんが犯行内容を答えられず、無実であることから何も知らないため客観的事実と食い違う供述をしており、 |
取調官らの情報提供や誘導によって、自白調書の内容に変遷していっていることを明らかにし、取調べ録音テープによって自白が強要されたものであり、核心部分である殺害や死体処理に関する自白の信用性がないことを指摘しています。 |
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狭山分科会へ結集を |
2月4~5日にかけて、部落解放・徳島人権地方研究集会が開催され、5日は徳島県職員会館で午前10時から狭山分科会が行われます。参加できる方は結集のほどよろしくお願いします。 |
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2月5日の総会に出席しますので、
会員の皆様とお会いできることを楽しみにしています。 |
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定期総会のお知らせ |
2016年度定期総会を開催いたします。多数の会員のご出席をよろしくお願いします。 |
日時 2016年2月5日(金) 18時30分~
総会終了後、石川さんを講師に学習会を開催します。
場所 自治労プラザ4階 |
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徳島新聞 2016年1月15日付朝刊に狭山事件の記事が掲載されました。 |
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(写真説明) |
「今年がヤマ場。前進あるのみ」と話す石川一雄さん㊨と妻早智子さん |
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狭山事件 無実を訴える石川さん夫妻 |
再審勝ち取りたい |
埼玉県狭山市で1963年に女子高生が殺された狭山事件で無期懲役が確定し、仮釈放後も無実を訴えている石川一雄さん(77)=同市=と、徳島市出身の妻早智子さん(68)が結婚して今年で20年になる。 |
無実を晴らそうとする石川さんの姿に早智子さんが心を打たれたのがきっかけだった。二人三脚で奔走してきた夫妻は今、捜査過程の証拠開示を強く求めており、「今年が正念場。助け合い、再審開始決定を勝ち取りたい」と決意を新たにしている。 |
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全証拠の開示求める |
仮釈放後の結婚から20年 |
石川さんと早智子さんが結婚したのは、石川さんの仮釈放からちょうど2年後の96年12月21日。早智子さんはその20年ほど前から石川さんの支援活動に加わっていた。 |
結婚以来、夫妻は「部落差別に基づく冤罪」とあらゆる機会に訴えた。全国各地の集会に石川さんが出席するときは早智子さんも同行。早智子さんが管理するホームページ「冤罪 狭山事件」では、再審請求をめぐる動きを細かく伝え、支援を呼び掛ける。 |
石川さんは2006年に第3次再審請求をした。09年には東京高裁、東京高検、弁護団が未開示証拠の取り扱いなどを話し合う三者協議が始まり、15年末までに26回開かれた。 |
これまでのの協議では、高検が保管している証拠物279点のリストが明らかになり、このうち185点が開示された。しかし、石川さんの無実を証明する証拠として弁護団が開示を求めている殺害現場や遺体に関する報告書や写真などは含まれていない。 |
このため、石川さんや弁護団は、警察などが保管している証拠物も含め、さらに開示を進めるよう訴えている。 |
石川さんは結婚からの20年について「自分の気持ちをよく分かっている人と結婚できたことが私にとって幸運であり、心の支えになった」と振り返る。 |
早智子さんは「今年は再審に向けて大きく動く年だと思っている。全ての証拠を明らかにしてほしい」と力をこめた。 |
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