生態系トラスト活動

■ビオトープのネットワークによる四国ナショナルトラスト
 ~四万十ヤイロチョウの森トラストを中核に発展~

 四国のビオトープ(生物生息空間)をネットワークで結ぶことによって生態系保全を目指す社団法人生態系トラスト協会(平成6年設立、平成9年社団法人に認可)では、ナショナルトラスト手法(全国の個人や団体からの募金や寄贈を受けて未来に向けて遺産となる土地を取得する活動)を行い、平成12年8月~平成23年7月までに約255ヘクタール(77万坪)の「四国ナショナルトラスト地」を取得しました。

 特に国や高知県の絶滅危惧種に指定されているヤイロチョウは、高知県の文化財・高知県の鳥・四万十町の鳥などに指定されています。
 しかしながら、これまで行政による具体的な保護活動がほとんど行われていませんでした。
みなさまの善意により全国各地から集まった資金。
そのお金を活用し取得した四万十ナショナルトラスト地255ヘクタールのうち、ヤイロチョウの生息する森(ヤイロビオトープ)は65パーセントにあたる約165ヘクタール(50万坪)を占めています。

 生態系トラスト協会では、四国ナショナルトラスト活動に留まらず、広く国民からの募金や寄付によって、トキやツルの生息地など貴重な生物の生息地を取得・調査・保全・環境教育に活用し、未来に向けて遺産として継承していく活動に取り組んでいます。

 また、こうしたナショナルトラスト活動が認められ、生態系トラスト協会への寄付金が所得税から控除される「特定公益増進法人」に認められています。
 社団法人生態系トラスト協会では、趣旨に賛同される方々から、いつでも、どなたからでも善意のご寄付を受け付けています。

■一口メモ ナショナルトラストという言葉を聞いたことはありますか?
 イギリスで1895年(明治28年)に始まった市民活動です。
歴史的な遺産や貴重な自然を守ることを目的として、広く寄付金を募り、土地や建物を取得する活動をしています。
 イギリスのナショナルトラストは、設立当初は100人の会員数で小さな水車小屋を取得したことから始まり、2011年までに人口6,000万人のイギリスで会員数400万人、280,000ヘクタール(高知県の三分の一)の土地や歴史的な建造物を所有するまでに成長して、適切に維持・管理、公開しながら、後世に残していくために活動しています。

所有トラスト地

当協会では平成12年から、野生生物の生息地を募金や寄付などによって取得・恒久的に保全するトラスト運動をはじめました。
平成23年7月15日に渡邊様のご寄付により新たに1,324,656m2の土地を取得し、「四国ナショナルトラスト」の総面積は2,553,748m2となりました。

① 吉野川源流生態系保護区
 高知県土佐町  (面積 5,093㎡)(H12.8.14購入 H14.1.25追加購入)

② 井沢とめき記念生態系保護区
 高知県日高村  (面積 5,072㎡)(H13.2.13 個人より寄付)

③ 生きものふれあい鶴田公園
 高知県高知市 (面積 1,793㎡)(H20.5.1 久保多美子氏より寄付)

④ 四万十ヤイロチョウの森
 高知県四万十市・黒潮町  (面積 1,651,944㎡)

四万十ヤイロチョウの森内訳
210,058 ㎡(四万十町) H14.3.1-H16.11.30 第一・二期 一口オーナー募金で購入
126,238 ㎡(四万十町) H19.7.30 個人寄付金により購入(渡邊保護区)
69,978 ㎡(四万十町) H19.12.20 H19年度ナショナルトラスト活動助成により購入
26,455 ㎡(四万十町) H20.10.21 H20年度ナショナルトラスト活動助成により購入
32,832 ㎡(四万十町) H20.11.12 個人寄付により購入(渡辺保護区)
148,171 ㎡(四万十町) H20.11.12 個人寄付により購入(渡辺保護区)
164,119 ㎡(黒潮町) H20.11.12  個人寄付により購入(渡辺保護区)
118,280 ㎡(四万十町) H21.12.22 個人寄付により購入(渡辺保護区)
262,209 ㎡(四万十町) H22.9.17  個人寄付により購入(渡辺保護区)
58,794 ㎡(四万十町) H23.3. 4  個人寄付により購入(渡辺保護区)
434,810 ㎡(四万十町) H23.7.15  個人寄付により購入(渡辺保護区)

⑤(仮称)吉野川源流の森 立川生態系保護区
 高知県長岡郡大豊町 (面積 889,846㎡) (H23.7.15 個人寄付により購入 渡邊保護区)

会報「森のしずく」

生態系トラスト協会では3か月に一度、会報を発行しております。
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