バレンタインデー物語(完:美月)

 二月に入ると良夜はちまちまと引っ越しを始めていた。去年の末の時点では『調整中』となっていた引越し先が年明け早々に決まったからだ。
 それで卒論も提出し終えたし、引越し先であり現在の住人である柊譲の方も荷物は最低限の分を残して就職先の寮に放り込んだと言うしで、良夜の荷物を小分けにして運び込むことにしていた。
 思っていたよりもはるかに荷物は多い。いらない物、特に「いつか使うかも?」と思って取り置いてたパソコンの部品なんかはまとめて捨てたり、知り合いにくれてやったりもしたが、全然、減らない。四年間の歴史の積み重ねにめまいを覚えるほど。
 ちなみに、一人暮らしの良夜の部屋に比べ、二人暮らしで荷物が多いはずのタカミーズの引っ越しは二月に入るよりも早くに終わっちゃってたんだから、びっくり。もはや、彼らの部屋にはダブルの布団がひと組ぽつーんと端っこに積み上げられているだけ。それすら、卒業したら後輩に売ることが決まっているらしい。恐ろしいほどの手際の良さだ。
 なお、その引っ越しの指揮を取った吉田貴美は――
「こっちに用事があるとき、りょーやんが泊めてくれるんなら、あの部屋、引き払うんだけどね〜」
 等と気安く言ってたのだが、もちろん、それは、強硬にお断りした。泊めるのは良いが、一晩中酒盛りされたら溜まらないからだ。
 さて、そんな感じの一人引っ越しもかれこれ二週間弱。二月の中頃になれば、終わりが見えてくる。
 その終わりも終わり、最後の一つを運び出す日を、良夜は二月十五日の日曜日に決めた。
 最後に残ってるのは、一番の大物『ベッドのマットレス』だ。こいつを一人で担ぎ出すのはさすがにしんどい。そこでアルトのランチ一回で現家主の譲を仲間に引っ張り込んだ。
 薄曇り、ちょっと肌寒い空の下、すでに廊下にまで引っ張り出しただけで息の上がってる譲が尋ねた。
「もう、部屋の中、空か?」
「ゴミだけのはずだよ」
 そう言って青年は鍵をかける前に、もう一度、部屋の中を覗き込んだ。
 部屋の中には大小いくつかのゴミ袋が転がっていた。大半は粗大ゴミ。後は燃えるゴミが少々と古雑誌の類いがいくらか。就職活動用に三ヶ月だけ取った新聞紙の束も転がっていた。
「四年間って短かったなぁ……」
 思わず、良夜は呟いた。
「ホントにな……この田舎で四年、暮らしていけるのか? って思った物だけど……」
 空っぽになった部屋を覗き込みながら、譲もぼんやりとした口調で応えた。
 そして、その言葉に良夜も応える。
「俺もだよ」
 その言葉に二人は違いに笑い合う。そして、二人は最後に残った大物に手をかけた。
「ところで、これ、通路から下に落としても許されるんじゃないのか?」
 ジーパンに開襟シャツ姿の友人を一瞥。綿パンにTシャツ姿の良夜は廊下と空を隔てる腰ほどの高さの窓から顔を出した。そして、そこから下を覗き込む。こっちは裏面になってて、真下は通路と呼ぶこともおこがましいような狭い空間。すぐに高い壁があって、その向こうは田んぼだ。まあ、滅多に人が通るところじゃないと言えば、滅多に人が通る物でもない。
 が……
「何か事故が起こったときにお前が責任採ってくれるんなら、試しても良いぞ」
「ヤなこった。持ち主が責任取れ」
「ヤなこった。担ぎ下ろすぞ。飯、奢るんだからさ」
 大きく分厚いマットレスにため息を一つずつ、諦めるかのように青年達は縦に並んでマットレスを担ぎ下ろす。
「もうちょっと上に上げろよ」
「こっ、こうか?」
 上に残った譲が大きな声を上げると、青年は言われたとおりにそのマットレスを高く掲げ持つ。
 そして、普段の五倍以上の時間をかけて、一階にまで下りた時点で、もはや、二人の息は上がりっぱなし。はぁはぁと荒い吐息をこぼしながら、ぺたんと冷たいアスファルトにへたり込むほど。
 しかし、このまま、休むわけには行かない。
 二四研から借りてきた軽トラにマットレスを積み込んで、坂道を登る。運転手は良夜。譲がミッション車の運転に慣れてないからだ。良夜は愛車のジムニーがミッション車なのでイヤでも慣れる。
 トコトコと十年選手の軽自動車を運転して坂道を登る。
「次に引っ越す機会があったら、絶対に業者を入れるぞ……」
 開け放たれた窓から流れ込む風に少し伸び気味の髪をなびかせて、青年はぼそっと呟く。
 その呟きに同じく開け放した窓に汗の滲んだ額を晒していた譲が応えた。
「引っ越しにかけた時間、バイトしてその金で業者を呼んでも黒字だったよな?」
「まぁな。結局、お前に昼飯奢るしな」
「グラスワイン付けろよな」
「ふざけんな、バーカ」
 目的地の駐車場に車を放り込んだら、二人でえっちらおっちらとマットレスを部屋に運び入れる。
「あれ……りょーやくん、何してるの?」
 聞こえた少女の声に良夜が顔を上げる。階段の上側には譲の姿。その背後、ひょっこりとオーバーオール姿の少女が顔を覗かせていた。
「ごっ、ごめん、ちょっと待って、伶奈ちゃん」
 それだけを言えば少女も察したらしく、ぱたぱたと階段を駆け上がった。しかし、右に避けてくれたのは良いのだが、残念ながら、良夜達の目的地も右だ。
 伶奈をドンドン奥へと追いやり、ようやく、マットを引っ張り上げる。そして、腰高の壁にマットレスを預けて一休み。
「だれ? この子」
 息を切らした譲がそう尋ねた。
「西部伶奈さん。美月さんの親戚だよ……従姉妹だっけ?」
「あっ……西部伶奈、です……美月お姉ちゃんとは……えっと……又従姉妹……」
 おどおど……と少女が控えめな声で自己紹介。良夜の背後に隠れるほどでもないが、それでも居心地悪そうな表情。アルトと言い合ってる時の姿が嘘みたい。人見知りなのだろう。
「ああ……噂の中学生ウェイトレスか……俺、土曜日にはアルトに行かないんだよな……」
「あっ、あの……これから、よろしくお願いします」
 そう言って伶奈が顔を赤くしてぺこりと頭を下げると、青年は少し苦笑い気味に応えた。
「よろしくお願いしたいところだけど……俺、もう、こっちには数えるくらいしか来ないから……部屋ももう、浅間の部屋になるし」
「えっ?」
「こっちの二階に引っ越すんだよ。今の部屋よりもこっちの方が広いからさ」
 きょとんとしている伶奈に良夜が格好を崩してそう言った。
「あぁ、そうなんだ……」
「まあ、立ち話もあれだし、さっさと入れようぜ」
 友人に促されるまま、青年は自室になった部屋の鍵を開いた。中には最低限、布団を敷いて眠れるスペースこそ確保してある……と言いたいが、本当に布団を敷くスペースを確保しているだけ。多くの段ボールが積み上げられていたり、カラーボックスがうつぶせ寝をしてたり、服を入れた半透明のゴミ袋がいくつも転がっていたりと、散々な状態。
 それは、ふと覗き込んだ伶奈が――
「げっ……」
 ――の一言だけを漏らして、絶句してしまうほど。
 そして、二人で運んできたマットレスをどーんと部屋の中に放り込んでしまうと、その『布団を敷いて眠れるスペース』までもがそのマットレスで埋め尽くされてしまう。
「どこで寝るの……?」
 伶奈が呆然とした口調で尋ねた。
「ベッドの本体は向こうの部屋に組んでるから……」
 キッチンの向こう側、洋間を指さし良夜が応える。その言葉に伶奈も納得した様子だ。「ああ」とひと言、相づちを打った。
「まあ、そのベッド本体の上には本の入った段ボール箱が積み上げられてるけどな」
「寝るまでには下ろすよ――っとこれからアルト行くけど、伶奈ちゃんも来る? コーヒーくらいなら……っと、伶奈ちゃんはココアかな?」
「あっ……私も行くところだったから……あっ、でも、飲み物は……自分で出すから……」
 少女が気恥ずかしそうに言った。
 それに青年は少しだけ肩をすくめると「そうかい」とだけ言って、自室を後にした。
 今日の乗り物は軽トラック。定員は二名。
「じゃあ、俺、荷台に行くわ」
 譲がそう言うと、少女が小さな声を上げた。
「あっ……」
 少女の視線は荷台の方。ちらちら見ているのが少し可愛い。
「乗るかい?」
 尋ねたのは譲だった。
「……危ないぞ……」
 青年が眉をひそめて言えば、譲も応える。
「俺が危ないのは良いのかよ?」
 ふくれっ面の友人に青年はあっさりと言った。
「良いんだよ、お前は」
「あっ、いや、あの……私、助手席に乗るから……」
 男同士のやりとりの横で、少女はやっぱりぼそぼそと聞こえづらい声で呟く。されど、譲はさっさと助手席のドアを開けて、半身をその中に押し込んだ。
 そして、彼は言った。
「良いよ、俺、助手席に乗りたいし。その代わり、立ったりしちゃダメだよ。ちゃんと運転席の壁にもたれる感じで乗ってね。浅間も飛ばすなよ」
 その視線は当初こそ伶奈へと向けられていたが、後半は良夜の顔。
 その言葉に軽く肩をすくめて、青年は運転席へと回った。
「……へいへい。じゃあ、伶奈ちゃん、気をつけね」
「……うん」
 そして、少女が荷台へとよじ登り、ぺたん……と背中を運転席の後ろ辺りにも垂れかけさせた。
 それを良夜は、ルームミラーで確認すると、エンジンキーを回した。
 ぶるんっ!
 年季の入った音を立てて、車のエンジンが始動した。
「あの子、明るくなったよな?」
 助手席に座った譲がぼそっと呟いた。
「知ってたのか?」
「いや、去年の今頃、平日の昼間からアルトのフロアで家庭教師と勉強をしてた女の子が、今、アルトでバイトしてるって話は聞いてたから」
「ああ……」
 普段よりも遙にゆっくり、吉田貴美ではないが、法定速度よりもちょっと遅いくらいの速度で、青年はのんびりと国道を走る。
「ずいぶん暗い子だと思ってたんだけどな……その頃。同一人物だと思わなかったくらいだよ」
「まあ、友達も出来たからな……」
「そっか」
 いつもよりも3割ほどの余分な時間をかけて、車は喫茶アルトの駐車場へと滑り込んだ。
 そして、ぎゅっ! と強めにサイドブレーキをひいたら、青年と友人は共々車を降りた。
 それとほぼ同時、伶奈も荷台からぽんと飛び降りる姿が見えた。
「ちょっと寒かった」
 そう言って少女は愛らしい笑みを浮かべる。
(黙り込んでアルトを弄ってた子とは思えないなぁ……)
「入ろうぜ?」
 ぼんやりとお尻や背中、汚れた荷台の埃にまみれたオーバーオールをパンパンと払う少女を見ていると、助手席から下りてきた友人が声をかけた。
 そして、三人は揃って喫茶アルトのアベルを鳴らした。
 から〜ん
 いつもの心地よく、渇いた音が少し曇った空に響いた。
「いらっしゃいませ……って、あら、珍しい組み合わせですね?」
 店内に入った三人を制服姿の美月が出迎えた。
「浅間、俺、あっちのチョコ供養に顔を出してくるから。三島さん、俺、デラックスピザ、アイスブレンド。支払いは浅間が持つから」
「飯、食う前によくチョコを食えるな……――うん。引っ越し手伝いの駄賃だよ」
 カウンターの一角では、数人の男達があーだのこーだのとくだらない話に和明を巻き込みながら盛り上がってる真っ最中。十人ほどはいるだろうか? そのすぐ傍ではそこに新しいチョコを供給する女子大生達。
「はぁい、良夜、引っ越しは終わった?」
 飛んできたアルトが良夜に声をかけるも、着地を決めたのは伶奈の癖っ毛な頭の上。ちょこん……と着地をしたら、今度は伶奈の顔を覗き込んで、妖精は言った。
「三馬鹿にチョコは渡したの?」
「渡したよ……あっ、りょーや君の……忘れてた……」
「良いよ……俺、今日は死ぬほどチョコ食うから……」
 と、良夜が言えば、美月はニコッと微笑み、すっと親指だけを折った手の平を伶奈と良夜の前に掲げた。
「今年も四号のガトーショコラですよ」
「……四号のケーキ、二人で食べるんだ……」
「しかも、ガトーショコラよ、胸焼けしそう……」
 伶奈が思わず呟き、アルトはそれを聞いただけで気分悪そう。
「……まあ、年に一回だしね。切らずにそのまま、スプーンを突っ込んで食べるんだよ。ああ……引っ越しも終わったし、部屋、汚れててもよかったら、うちに来る?」
「りょーや君の部屋……凄いことになってた……」
 現実を見ている伶奈が思わず、顔をしかめる。
 それを否定できないのが辛いところ。
 それに美月は「う〜ん……」と数秒ほどうなり声を上げる。
 そして、ぽん、と一回、手を叩いた。
「それでしたら……」

「よく、こんなこと思いつくよね……」
 その日の夜、美月は仕事が終わると、良夜の汚れ果てた新居ではなく、ゴミしか置いてない旧宅の方へと顔を出していた。もちろん、新居の片付けをしていた良夜も一緒。
 朝から曇っていた空はいよいよ雨模様。しとしとと細く、冷たい雨が降りしきっていた。
「えへへ、良いじゃないですか〜もうこれで終わりですし」
 そう言って美月はコートも脱がずに、ぺたんと床の上に腰を下ろした。彼女の肩には大きめのトートバッグ。中には一.五リットルほどの大きさの魔法瓶、それから紙コップに紙皿。使い捨てのフォークやスプーンまで彼女は持って来ていた。
 それから、もちろん、四号、直径十二センチガトーショコラ。
「何もなくなると、こんなに広いのね……それに底冷えが凄い……」
 良夜の懐からもぞもぞとはいだしてきたアルトが顔をしかめた。
「……――だってさ。まあ、今週、三回くらいゴミを捨てに来たら、この部屋に入るのも終わりだなぁ……」
「今夜は向こうの部屋で寝るんですか?」
 白い箱から褐色のケーキを取り出して、美月はその箱の上に置いた。ケーキとしては小さいが、人間二人と食の細い妖精一人が食べるにはだいぶん大きな逸品だ。
「そのつもり。美月さんが仕事してる間になんとか、寝るところだけは確保したよ」
「あはは、それはよかったです」
 そう言った美月が、ざくっ! と真ん中にスプーンを突っ込んだ。そのまま、大胆にすくって食べる。
 それに習って良夜もスプーンをずぼっと、大胆に突っ込み、大胆にすくって、大胆に食べる。濃厚なチョコレートの味が広がる。甘みの中にほんのりとした苦み、絶妙なバランス。
 美味しいのは間違いないのだが、さすがにこのサイズを二人で食べきるのは辛い。美月は自分で買うくせに大して食べないし……
「……三回目かぁ……これ……」
 しみじみと良夜が言えば、美月はあっけらかんとした表情と口調で応えた。
「私は四回目ですけどねぇ〜」
「その節は……」
 冗談めかして頭を下げれば、美月は屈託ない笑みで良夜に答えた。
「あはは、今考えると、なんであんなに怒っちゃったんでしょうねぇ〜? 私」
「貴女、怒り出したら止まらないじゃない……」
 それに顔ほどの大きなケーキをストローの先っぽに刺してるアルトが言った。ちょっぴりの呆れ声。若干、投げやりな感じだ。
「……――ってアルトが言ってる」
「あはは……あれから三年ですか……?」
 小さく笑ったかと思うと、美月はしみじみと窓の外へと顔を向けた。
 ベランダの向こうはすでに真っ暗。耳を澄ませば雨音は聞こえているが、ひさしがあるからベランダに面した窓に雨粒が付くことはない。
「こっちに越してから四年弱、つきあい始めて三年かぁ……なんか……成長できたのかねぇ……?」
「何、急に変なことを言ってるのよ……変な物でも食べたの?」
 きょとん……とした表情でアルトが問えば、青年はその言葉を美月に伝えた後、言葉を続けた。
「伶奈ちゃん、明るくなったなぁ……って昼間、柊と話しててさ。それで自分はどうかな? って、急に思ったんだよ」
「こっちに越してきて四年……は、良く知りませんけど、付き合いだして三年は変わってないですし、変わらない方が良いですよ〜」
 美月がパクリ……とまた、一口、スプーンや守りのケーキをぱくりと口に放り込みながら、そう言った。
「えっ?」
 その言葉に良夜、それにアルトまでもが少し不思議そうな声を上げた。
「大学傍の喫茶店ですからねぇ〜お付き合いし始めた途端に態度が変わって、すぐに破局なんてカップル、ちょくちょく、見かけましたから」
「ああ……」
 スプーンでダイナミックにケーキを食べてる恋人が嬉しそうな声で語る。その言葉に耳を傾けながら、青年もスプーンでケーキを食べる。美月が真ん中辺りを中心に食べてるから、必然的に良夜は端の方……味が変わるかどうかは良く解らないが……
「あっ、でも、いつの間にか、私に敬語じゃなくなりましたよね? 前はですますでしゃべってたような……?」
「ああ……それはそうかも……いつからだろう? 覚えてないなぁ……」
「そこは変わっても良いですよ〜じゃあ、私はどうです? 変わりました?」
 そう言って美月が急に居住まいを正した。崩して座っていた足も正座に治して、背筋もぴーん。小ぶりな胸を張って、顎を引いて。まるでこれからお茶会にでも参加するかのようだ。
 その顔をまじまじと見つめて、青年は、ぽつり……言った。
「……奇麗になった……」
「えっ?!」
 きょとん……とした表情、それはホンの一瞬。すぐに驚いて、それもすぐに赤く塗り替えられて……めまぐるしく変わる表情に含み笑いを見せて、青年はひと言、付け加えた。
「……――ってねーちゃんが言ってた」
「ふえっ!?」
「ぷっ」
 美月の驚きと失望の声にアルトが小さく吹き出す。
 その顔を見やり、青年は言った。
「あはは……来年も、こうやって、三人で食べるにはきついケーキ、食っていたいよなぁ……」
「もう……来年は良夜さんが買って下さいね! 私は食べるだけにしますから!」
「……それはバレンタインのケーキって言うのかしら?」
 膨れてそっぽを向く美月にアルトが笑って見せる。
 そして、三人は声を合わせて笑う。
 ゴミ以外の物がなくなり、寒々しくなった部屋の中、三人の笑い声が響き、バレンタインの夜が静かに更けていった。

 尚、ケーキは半分ぐらい残り、良夜の朝食になった。

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