三度目の海、初めての海（完）
　後半三日目、事実上の最終日……
　一週間、ずーっと好天に恵まれた喫茶アルト社員研修旅行（建前）は最終日も好天だった。ただ、明日からは遙か遠くにある台風の影響で天気が崩れ気味になるとの予報。その予報が正しい事を教えるかのように、日頃は穏やかなこの島の海も少し波が高め。遊泳禁止になるほどでもないが、高い波が繰り返し、浜辺に打ち付けられていた。
　この日も良夜達は海でダラダラと泳いだり、甲羅干しをしたり、美月凪歩のお手製お弁当を食べたりと、楽しい夏の一日を過ごした。大きな事件と言えば、凪歩がナンパされてアタフタした挙げ句、頭の上に座っていたアルトにナンパ相手を追い払って貰ったって事くらい……と、
「……私、全然、声とか掛けられませんでした……」
　と、美月がなぜか拗ねちゃったことくらい。たまたま……だろうと良夜は思ったが、フォローするとさらに面倒臭いことになりかねないので、ハイハイと苦笑いと共に適当な相づちを打つだけに止めることにした。
　ちなみに、この日以降、このビーチでは――
「ポニテの蜂女が出没する」
　と言う都市伝説が産まれたとか……産まれなかったとか……

　その帰り道、良夜達はスーパーに買い出しに来ていた。勿論、目的は今夜の食事の準備をするためだ。今夜は前半組でも執り行われたバーベキュー。肉も野菜もたっぷり買う必要がある。
「今日こそはお酒も買おうよ〜お金、出すから」
　そう言ったのは、喫茶アルト一番の酒豪の名を吉田貴美から奪った時任凪歩女史（未成年様）だ。まあ、この人は酔わないし、大好きだし、底がないし、とタチが悪い。先日の新人歓迎パーティでも全酒量の半分近くは彼女の喉の奥に消えた挙げ句に、逆流して配水管の中に消えていった。割り勘だと損した気分で一杯になる、とは一緒に飲みに行ったこともある翼のコメント。
「だから、自分で出すってばぁ〜」
「まあ……時任さんは酒量が多いだけで酒癖は良いからなぁ……」
「……酒癖が悪いって誰のことですか？　良夜さん？」
「……美月、自覚があるなら貴女よ」
「アルト、お前も美月さんと同じだからな」
　てな感じの会話を酒売り場の前でかわすこと数分。結局最終的には――
「あれですよね、三人で別々に会計を済ましちゃえば良いですよね、それぞれ、好きなのを買って」
　と言う美月のアイデアが採用され、三人でお酒を買い集めることにしたの……だが！
　まずは良夜。基本、甘党の彼は甘めの缶酎ハイと発泡酒。当たり障りのないチョイス。アルトに言わせると「空気読みなさい、つまらない男ね……」と言う事になるのだが、そんな事は知った事じゃない。
　続いて美月。彼女は最初に赤ワインのハーフボトルを一本。ディナーのためにワインをあれこれ飲み比べてたら、今ではすっかりワイン好きになってしまったらしい。後は甘めの缶酎ハイを数本というところ。缶酎ハイを好むのは良夜の影響でもある。
　そして、最後に控えたるが時任凪歩さん（未成年）だ。
　彼女はお酒が好きだ。お酒は好きだが、初めて飲んだのは良夜が買い出しに行った喫茶アルト新歓パーティ。それから家でも、同じ体質の父親がたしなむお酒を拝借したり、後は、友人とお酒を飲みに行ったりもしていた。翼と一緒に飲み放題のお店にも行ったことがある。
　しかし、自分で酒屋に来てお酒を買うのはこれが初めてだった。
　だから……
「……ああ、時任さん、今から果汁酒を漬け込むつもりじゃないんなら、その紙パック入りのホワイトリカーは棚に戻して……だから、戻したからって、大五郎を取るな！　それも四リットルのっ！　二十歳前の女が飲むもんじゃねえ！！　アル中一直線だぞ！」
「ああ、そっちは料理酒ですよぉ！　安いのは税金の代わりに出汁とかお塩が入ってるからですよ〜飲めませんよ〜」
　価格と量しか見ない凪歩のチョイスはほとんどアル中親父のそれと同じ。それを突っ込めば彼女は――
「だっ、だって他は高いからぁ……」
　大きな眼鏡の内側、つり目気味の瞳が若干垂れた上に、うっすらと涙が浮かぶと意外と可愛い。しかし、その胸には四リットルサイズの大五郎が一本。何もかも台無しな感じの女性に良夜は頭が痛くなる思い。
「あのね、高いのは沢山飲もうとしてるからだよ。世の中でお酒の量をリットル単位でしか考えられないのは、酒造メーカーの人以外には時任さんだけだと思うよ、ホント」
「だって、沢山飲みたいもん……二リットルじゃ絶対に足りないよぉ……」
「フザケンナ、未成年！」
　そんな感じのイベントが発生、なんとか普通の焼酎を買わせることに成功した。味的にはワイルドターキーが良いらしいが、こちらは結構良いお値段なのでパス。しかし……
「……これで足りるかな……？」
　一升瓶の焼酎を両脇に抱え、こう呟く女という物を、良夜は産まれて初めて見た。
　なお……
「……安いからって理由だけで発泡酒を飲んでるくせに……」
　アルトの冷静な突っ込みは聞こえないふりをすることにした。

　さて、今夜のバーベキュー大会、開始時間は少し遅めの八時前後になっていた。そう言うのも、その時間から花火大会がある予定で、地図上で見る限り、その花火がこの別荘の庭先からでも見られそうな感じだからだ。
　借りてきたバーベキューセットをセットして、火を起こして……前回は上手く出来なかった火起こしも、今回は多少の手間だけは掛かったが、なんとか一人で火起こしも万全。油を引いた網や鉄板も用意して、いつでも始められる体制になったのは、七時ちょっと過ぎ。
「早いわよ」
「……思ったより、簡単に出来たからなぁ〜前回は一時間以上掛かっても出来なかったし」
　そう言って、テーブルの片隅に腰を下ろし、買ってきた発泡酒をパシュッと開けてしまう。
「良いの？」
「一本だけ。喉、乾いたよ」
　テーブルの上から見上げるアルトに、ニッと笑いかければ、アルトはふっと肩から力を抜く。そして、近くに置いてあったショットグラスを抱き抱え、彼女自身もその端正な顔を笑みに変えた。
「……じゃあ、私にも」
　アルトが用意した小さいけど、アルトには大きなショットグラスに発泡酒を注ぎ込む。美月達はまだ別荘のキッチンで、ジャガイモやサツマイモ、カボチャなどを下ゆでしたり、キャベツを刻んだりと、下ごしらえをしている真っ最中。心の奥底にわき上がる罪悪感は微苦笑に変える。そして、青年はアルトが抱きかかえたショットグラスに、コツンと缶をぶつけて――
「乾杯」
「ハイハイ、乾杯……ったく、叱られても知らないわよ」
「叱られたらごめんなさいって謝るよ……んぐんぐっ……――ふぅ〜美味いなぁ……」
「まあ、怒られるのは貴方一人だものね……んぐっ……ああ……やっぱりなんか、味が薄いわよねぇ……ビールに比べて」
　良夜は缶の半分ほどを、アルトはショットグラスを一気に空ける。直後、二人同時に大きな吐息を一つずつ、零れた落ちた吐息は紫色に染まり始めた空へと消えていく。
「今日で終わりかぁ……明日のこの時間には家に居るんだなぁ……」
　テーブルの方を背もたれにして座り直すと、青年は空を見上げた。見上げる空、西の方は赤紫の残照、東の空には真っ黒い夜空に星がきらめき始める。すでに一番星は無数の星影の中に紛れ込み、どれがそうなのかは解らない。
「長かったけど、終わってみると…………」
　良夜に釣られるように、アルトも夜空へと視線を向けた。そして、一旦言葉を切り、夜空を見上げたまま言葉を選んだ。
「後二週間くらい、こっちに居たくなるわね」
「……長いよ、二週間後なんて、海、クラゲだらけになってるぞ」
　選び出された言葉が良夜の顔を苦笑に変えれば、妖精は見上げて居た夜空から青年へと視線を動かす。向けた頬がわずかに緩むのを見ながら、彼は随分と軽くなった缶をテーブルの上に置いた。
　気付けば暑かった夏の風も、随分と涼しい潮風に変わっている。海から流れ込む風が、心地よく頬を撫でていく。もしかしたら、遠い海上に居る台風のお陰という奴かもしれない。
「ねえ、良夜？」
「ん？」
　空きっ腹に流れ込んだアルコールが一気に吸収されていく感じ。心地よく顔が火照り始めるの感じていると、頭の上にちょこんと妖精が飛び乗った。そして、額の上から良夜を覗き込むと、妖精は珍しい真顔を見せて尋ねる。
「来年も来るの？」
「来るよ……来ない方が良いのか？」
　尋ねる言葉に即答すれば、アルトの金色の瞳がまん丸に広がった。ついでに口も大きく開いて、そのまま、大きな瞳がぱちくりと瞬く。
「えっ？　就職活動とかは？」
「俺はほら、アルトから日帰り圏内ってのが、基本だからさ。この一週間だけ、面接とかを入れなきゃ、どうにかなるよ……いきなり明日来いって面接もないだろうしさ」
「……単純に考えてるわねぇ……就職出来なくて泣いても知らないわよ？」
「まあ、最悪、今のバイト先で契約社員……って言う底辺の道も残ってるよ」
　良夜が冗談めかした口調で言えば、頭の上の妖精はふっと吐息を一つ漏らして、ペタンと良夜の額の上に腰を下ろした。長いドレスの裾が顔の上に広がる。そして、木靴で包まれたカカトがコツンコツンとこめかみを蹴っ飛ばす。
「志が低いわよ、良夜」
「アルトから日帰り圏内、出来れば外への転勤のない所って贅沢を言ってるからなぁ〜他の贅沢は控えめにしておこうと思ってな？」
　そう言って良夜は体を起こす。そして、飲みかけの缶酎ハイに手を伸ばせば、アルトもテーブルの上に着地を決め、ショットグラスを差し出した。
「ふぅん……まあ、美月を泣かさなきゃ、何したって良いわよ」
「美月さんを泣かせるのってさ、簡単そうに見えて難しそうで、やっぱり簡単な気がするけど、いざとなったらやっぱり無理なんだろうなぁ〜って思うんだよな」
「……ああ、言ってることは良く解らないけど、考えてることはなんとなく解るわ……」
　そんな話をしながら青年は一本の缶酎ハイをじっくりと時間かけて飲み干していく。炭酸のきつい缶酎ハイは時間を掛けるよりも、さっさと飲みきった方が良いような気がするが、まあ、チビチビ飲むのも、決して悪い物ではなかった。
　そして、ちょうど一本目の缶が空っぽになる頃、大きなお皿に野菜や肉を満載にした美月が、凪歩を伴ってリビングの窓から出て来た。
「あれ、もう、始めてるんですか？　もう、私達はまだ準備してたのに……」
「あっ、私の焼酎、開けてないよね？！　開けちゃダメだからね！！」
　缶酎ハイを一本、つまみもなしに空けてしまった良夜に美月と凪歩が口々に批判の声を上げる。まあ、二人とも一生懸命キャベツを刻んだり、ジャガイモやサツマイモを下ゆでしてたりしてたのに、良夜が一人で酒を飲んでたら怒っても仕方がないと言う物。青年は「ごめんごめん」と笑み混じりの謝罪をしながら立ち上がり、バーベキューコンロに近付いた。ムワッとした熱気を頬に感じ、青年はすでに十分に温まっている網の上にハラミを並べ始めた。
「あっ、レバー先に焼いてね、レバー。火の通りが悪いもん」
　いきなりのリクエストは凪歩だ。彼女は椅子に腰を下ろすと一升瓶を抱えるように持ちながら、氷を入れたグラスにドボドボと焼酎を注ぎ込んでいた。もはや、完璧なおっさんだ。ちなみにこういう飲み方を教えたのは、彼女と同じ体質の父親だ。娘が底なし体質だと知った時、父は五十年近く生きてきて、一番嬉しいとか言ったそうだ。さすがの凪歩も軽く引いたらしい。
「体、壊しますよ……」
「大丈夫だよぉ〜お父さん、健康診断でメタボは言われても、肝機能の方はまったく問題ないそうだから」
　心配する美月を置き去りに、凪歩は焼酎ロックを一気飲み。プッハーと酒臭い息を一発吐くと、焼きたてのカルビに箸を付けた。
「一気飲みはダメですよぉ……ンもぉ……ところで――」
　幸せそうな凪歩に何を言っても無駄だと思ったのか、美月は小さなため息を突いて、視線を良夜の方へと向けた。
「ン？　何？」
「良夜さんはアルトとなんの話をしてたんですか？」
「ああ、たいした話じゃないよ。来年は就職活動だなぁ〜って話をね」
　答えながら、彼は焼けたお肉を紙皿にとって凪歩と美月の前に差し出す。すると、美月はそれにお礼を言いながらも、きょとんとした表情で恋人の顔を見上げた。
「……ふえ？　良夜さん、就職活動、するつもりなんですか？」
「……いや、ちょっと待ってね、美月さん。なんで、俺が就職活動しない話になってんの？　てか、四年だもん、しなきゃ、お話になんないじゃん」
「良夜さんは卒業したら、うちで働くことになってるんですよ？　知ってますか？」
「……知ってますかって……あんた」
「だって、良夜さんが来てくれないと……――」
　一旦美月は言葉を切り、喉を潤すために赤ワインをクピッと一口口に付ける。それを飲み干すまでのわずかな沈黙……一人、焼酎オンザロックを楽しむ凪歩はともかく、良夜とアルトの視線が美月に集中する。その視線をニコニコとした朗らかな笑みで受け流しながら、彼女は口に含んだワインをコクンと愛らしく飲み干した。
「ふひぃ〜美味しい……えっと、吉田さんが辞めて、良夜さんがうちのお店に入ってくれないと、うちのお店、回りませんよ？」
　言われた言葉を咀嚼し、消化しきるまでたっぷり十秒。理解した途端、良夜は自身の顔から血の気が引く音を聞いた。
「えっと…………ちょっと待って、大幅に待って、凄く待って。何、それ、えっ？　どう言うこと？」
「ですから、吉田さんは凄くお仕事が出来るわけですよ〜具体的に言うとですね、働く時間が凪歩さんの五割ってところなのに、仕事量は凪歩さんと同じくらいで、その上、ご自分がお休みになる前日には、必要なお仕事を全てこなしてる素晴らしい人材なんですよ。凪歩さんは普通に休んじゃいますけど！」
「あっ……うぐっ……」
　無関係を決め込んでいた凪歩の心に、美月の言葉が突き刺さる。そのナイフが彼女の心に大きな傷を与え、美味しそうにお酒を飲んでいた女性をテーブルの上に突っ伏させた。ちなみに美月に悪意とか当てつけとか、そう言う負の感情はまったく見えない。少なくとも良夜は彼女から悪意を感じる取る事は出来ない。まあ、悪意なくニコニコしながらそう言うのが一番タチが悪いのだが……
「それでですね、そうなるともう一人欲しいわけですが、凪歩さんに新人教育とか、無理そうですし、吉田さんほど仕事が出来て、うちのお店のことを良く知ってる方と言えば、アルトを頭の上に乗せた良夜さんしか居ないじゃないですか〜！」
「ぶはっ！　はっ、鼻、鼻に発泡酒入った！　鼻にツーンと来た、ツーンって、凄く来た！！」
　凪歩の次に驚くハメになったのは、いきなり名前の出てきた妖精さん。飲んでいた発泡酒が鼻から溢れ出し、彼女はテーブルの上で悶絶。発泡酒を鼻水のごとくに垂らした鼻を押さえ、テーブルの上を転げる妖精に視線を落とし、青年はそれを他の二人に伝えるべきかどうかを、数秒悩んだ…………が、余りにもその姿が可哀想だったので黙っておくことにした。
「それにお祖父さんのぎっくり腰も年々歳々悪化の一途ですからね……先日も倉庫で落としたボールペンを拾おうとした格好で固まってましたし……男手も欲しいんですよぉ〜良夜さん、私、待ってるんですよ？」
　ウルッとした表情で、美月は良夜を見上げる。グラス一杯分のワインはほどよく美月の頬を朱色に染めて、割と可愛い。可愛い分だけタチが悪いというか、なんというか……
「あっ、いや……まっ、待たれても……こっ、困るよ？」
「大丈夫ですよ〜どうせ、来年も不景気ですよ！　てか、私が物心ついた時から、ずーっと不景気な世の中なんですから、行く所なんて、どうせ、大した所ないですよ。だから、アルトに就職しましょうよ〜私を助けると思って！」
「みっ、美月さん、色々、ぶっちゃけ過ぎ……だいたい、それなら吉田さんに残って貰えば良いじゃない……」
「ふえ？　でも、ほら、吉田さんは直樹くんの就職先に着いていくから、きっと、こちらには残らないと思いますよ？」
　そこまで一息に言いきると、美月は今度はお肉に箸を付け、ゆっくりと口元に運ぶ。ハグハグと咀嚼すること数回、ワイングラスの細い脚を摘むと、コクンと口の中に流し込んだ。ふぅと吐き出されるワインの香りを湛えた吐息、それは月も浮かばず、大小様々な星々が瞬く夜空へと流れ消えていった。
　その吐息が夜空に消える頃、美月は「それに……」と言葉を続けた。
「良夜さんより、吉田さんの方が成績が上じゃないですか〜きっと、良い所に就職しますよ」
「なんで、俺の成績知ってんだよ！？」
「……吉田さんが全部、教えてくれますよ？　第二外国語を落としかけたとか、英語ピンチだったとか、応用プログラミングでワンツーフィニッシュを決めたけどワンは吉田さんの方だったとか……良夜さんが吉田さんを上回ったのは一般教養の美術だけだったとか……」
　美月が指折り数えながら言いつのる話は全て事実だ。その事実が宙に舞う度、良夜の繊細な心が悲鳴を上げる。その血を流す心の中で、良夜ははっきりと決めるのだった。
（あの女、いつか、殺す……）

　この後、すっかり良夜を雇う気満々の美月に対して、良夜は「他に行く所がなかったら」という条件を呑ませるのに、たっぷり、二時間の時間を費やした。その間、結構、綺麗な花火が夜空を飾るのを別荘の庭から見ることが出来たのだが、良夜にそれを見る余裕なんて物は存在しなかった……
　なお、無能のレッテルを貼られた凪歩といつの間にか戦力扱いされていたアルトにも、花火を楽しむ心の余裕なんて物は存在していなかった。
「花火、綺麗でしたよね〜」
　結局、大輪の花火は頭の中がお花畑の娘さんのためだけに咲いた。