一人
 その日、良夜が朝起きると、少し、頭が重いかなぁ……と言う感じがした。
 その日、良夜が玄関を出ると、隣のドアから直樹が出て来て、開口一番「顔、赤いですよ」と言った。
 その日、良夜が直樹にそう言われた直後、同じドアからで来た貴美に、「顔、赤いやん」と言われた。
 流石にヤバイかなぁ……とは思ったが、サボれない授業がいくつか入っていたので、我慢して学校に行くことにした。
 午前の授業は頭がくらくらするなぁ〜とは思いながらも、なんとか無事に切り抜けた。勿論、ノートを取るどころか、授業の内容は右から左だが、出席してたという事実だけは確保出来たので良しとする。この調子ではアルトにいくのもしんどい。諦めて、お昼は学食で熱いラーメンを食べて終わりにしようと思ったら、臭いを嗅いだだけで気持ち悪くなった。どうした物かと、一口も口をつけずに眺めていたら、ラッフィンググールが半額で買い取っていった。結局、今日の昼飯は購買のウイダーインゼリー一袋、十秒でチャージ出来るはずのそれを、数分掛けて飲み終える。
 そして、挙げ句の果てが――
「浅間、帰れ」
 午後一の教官は良夜の顔を見た途端、にべもなく言いきった。話によると「青い顔をしていた」らしい。
 お言葉に甘えて、昼の授業は早引け。PC実習室から大学の正門まで、大学正門からアパートまで、アパートのエントランスから三階までの階段、その全てがいやになるほどに長い。しかも、一歩足を進めるごとに頭痛が酷くなって行くみたいだ。支えなしで歩くと体が右に左に揺れる。最終的には壁に支えられるような形で帰ってきた我が家は、無人の部屋。鍵を開けた時点で体力はほぼ売り切れ。その場で崩れ落ちそうになる体をなんとか引っ張り、ベッドの上にまで運ぶ。ドサッと音を立てて崩れ落ちる体、ジーパンもシャツも脱がずに青年は掛け布団に顔を埋めた。
 うつらうつら……意識が向こう側に行ったり、こちらに戻ったり……鈍く痛む頭と窓から差し込む明るい春の日差しが邪魔で熟睡はちょっと無理か……と良夜は思った。片目だけを開くと、カラーボックスの上に置かれたケージの中に悪夜がいるのが、うすらぼんやりと見えた。中ではからからと大きな音を立てて回り車が回っている。主は風邪でダウンしているというのに奴は今日も元気そう……それはほんのわずかではあるが救いになった。
 そんな時間がどのくらい過ぎただろう? 余り長くそうしていたつもりもないのだが、窓から差し込む光は随分と低くなっているし、赤みを益してきている。もしかしたら、少しくらいは寝たのかも知れない。
「……ああ……バイト先に電話しないと……」
 まるで自分に言い聞かせるよう……いや、むしろ、自身に命じるかのように青年はつぶやき、ズボンのポケットから携帯をとりだした。開いてみれば携帯の液晶は五時を大きく過ぎた時間を示している。やっぱり、少し眠っていたようだ。いくつかのキーを押してバイト先に電話を掛ける。それを取ったのは、父親ほども年齢の違う店長だった。
『それじゃ、こちらのことは任せて、暖かくして寝るんだよ』
「……――はい、失礼します……」
 事情の説明と相手からのいたわり言葉で掛かった時間は数分と言ったところ。たったそれだけだというのに、良夜の気分はさらに悪化。帰ってきた時よりもずっとしんどい。むしろ、寝れば寝るほど悪くなるのではないのかと思ってしまうほど。
 曲げていた腕をのばし、携帯を耳から離す。握られていた携帯が手のひらからベッドへ、そのままするっと滑って床の上へと落ちる。ガタンと結構な音を立てたのだが、青年はそれを意識から随分と離れた処で聞いた。頭痛はますます強くなる一方。唇からは荒い吐息がいくつも零れる。耳鳴りのような鼓動がやけにうるさくて眠れやしない。病院に行くべきだったと思うが、もはや、立ち上がるのも無理。そもそも、この辺りの病院なんて知らない。ドラッグストアーなら駅の傍にあった気もするが、そこに行く術はすでにない。
「……詰んでる……」
 青年はポツリと一言漏らす。眠るために目を閉じれば、まなじりから流れ出る物を一筋、感じた。
 自然と思い出されるのは幼い頃の事。小学生の頃だっただろうか? もしかしたらそれよりも前かも知れない。熱を出した良夜に彼の母が作ってくれたのは、塩とたまごで味付けされたおかゆだった。それからよく冷えたゼリーを買ってきてくれたり、冷たいタオルで額を冷やしてもくれた。そう言えば、あの腹黒小夜子すら良夜が倒れた時は優しかった。両親の居ない時間、ずっと良夜の枕元について彼の手をさすり続けてくれた事、林檎をすり下ろしてくれもしたっけか……
「ああ……帰りてぇ……」
 その言葉が実際に紡がれたものなのか、それとも言ったつもりになってるだけのものなのか……そもそも、ただの寝言だったのか、それを確かめる術は本人を含めて誰もいない。ただ、次々と流れる夢とも思い出ともつかない映像を眺めているうち、無性に帰りたくなってしまっていた。しかし、彼に帰る術はなく、助けてくれる家族もない。それが無性に心細い。
 心なしか寒くなってきた体を抱きしめながら、彼はベッドの上で寝苦しそうに寝返りを打つ。
 それからまたしばらくの時が過ぎた。
 最初、良夜はそれを夢の続きかと思った。
「えっと……あっ、やっぱり、ここに……たわね」
 聞き覚えのある声が一つ、遙か遠くから聞こえた。続いて、なにやらカシャカシャという音……目を開けてみても、日も沈み、蛍光灯もつけていない室内は真っ暗で、その中に何かを見つけることは出来ない。数秒、その闇をぼんやりと見詰めるも、彼の熱に浮かされた大脳は思考を、彼の涙に濡れた瞳はそれ以上の働きを放棄する。そんな中、働き者の耳だけが辺りの情報を拾う。
 まずはかさかさという紙と紙が擦れあう音、ついで金属音……更には――
「こんな事して、大丈夫なんでしょうか……」
「大丈夫よ。私はいつもやってるわよ」
「えっと……あの……お邪魔……します」
 聞き覚えのある声を二人分。直後、ヒンヤリとした小さいものが額に押し付けられた。
「……わっ、凄い熱……」
 その直後、パッと眩しい光が瞼越しに彼の網膜を焼いた。そこにいたり、先ほどまでの声と音が夢でも幻でもないことに、嫌でも気付かされる。
「……誰……?」
「私よ」
 半分ほど目を開く。その涙で霞んだ目には妖精が小さな顔についた大きな目で彼を覗き込んでいるのが見えた。
「……そか……」
 とりあえず、知った顔で良かった、と青年は思った。この体調で泥棒と遭遇とか、ごめんこうむる。しんどいのでもう一度目を閉じる。閉じた瞬間、すーっと意識が遠ざかっていくのは、少しだけ安心したせいかも知れない。
 そして、再び、いくらかの時が流れた。
「あの……良夜さん……えっと……そろそろ、起きてくれないと……こっ、困る……かなぁ……」
「ちょっと、折角、お見舞いに来たんだから、顔くらい上げなさいよ」
 一人分はアルト、閉じた目の前辺りから聞こえる。じゃあ、頭の後で申し訳なさそうに聞こえる声は誰のだろう……と、青年の休みがちな脳みそが考える。
 答えを探すまでたっぷり一分。答え合わせのために後を振り向き、開ききってなかった目を開いて、数回目をこすり視界をクリアにするまでにさらにあと二分。
「ああ……美月さん……」
 美しい黒髪が特徴的な女性、その顔も良く知った顔でもう一安心。ぱちりと目を閉じる……も、数秒で目を開き、単刀直入に尋ねた。
「……なんで?」
「……流石に突っ込みの勢いも弱いわね……お見舞いよ、お見舞い」
「えっと……あの、アルトが……ここまで引っ張ってきて……」
 この期におよんでようやく頭も動き始める。同時に忘れかけていた頭痛も思い出してきた。鈍痛に顔をしかめながら身体を起こすと、良夜は辺りをゆっくりと見渡した。いつも通りの室内には所在なさそうに立つ美月と、頭の上にトンと着地を決めるアルトの二人。ホカホカと熱い頭に手を押し付けると、そこには冷感シートが貼り付けられていた。美月が張ってくれたのだろうか?
「これ、ありがとう。それから……鍵、開いてた?」
「ううん、貴方がパソコンデスクの引き出しに、保険証の写しとか各種家電製品の保証書とかアカウントのパスワードの控えとかと一緒に部屋の予備キーを置いてるの、知ってるもの。後はいつも通り、換気扇から忍び込んだの」
 なぜか自慢たらしくアルトが言う。それを聞くうち、頭痛がさらに益していく。パソコンデスクにそー言う類の物を確かに入れてる。しかし、それをアルトが知っているとは夢にも思わなかった。冷えピタの張られた額を押さえながら、青年はアルトの顔を見上げる。
「あっ、あの、アルトは余り叱らないで上げてください……えっと……私も心配だったから……吉田さんが青い顔をしてたとか、二条さんがウィダーインゼリーを啜ってたとか言ってましたし……」
 そう言って美月がぺこりと頭を下げると、良夜もそれ以上の台詞を言う事も出来ない。そもそも、身体がだるい上に頭も痛くて、余り喋る気力もない。何より……
「不安だろうと思って顔を見せに来てあげたのよ。不法侵入くらい大目にみなさい」
 ……と、言う事が頭の片隅を過ぎっていたのだが、真っ正面から言われると向かっ腹が立つ。頭の上から顔だけを覗かせている妖精を払いのけ、青年は布団を胸元まで引っ張り上げる。そして、ヘッドボードに上体を預けた。
「ああ……アッタマ痛てぇ……」
 動いたせいか頭がズキンとまた傷む。剥がれ掛けている冷感シートをもう一度押し付け、溜め息を一つ。すると、それを見ていた美月が近くのスーパーの買い物袋を立て渡した。
「これ、お薬です……うちの常備薬ですけど……」
 開いてみれば、瓶詰めのクスリと数本のアンプル、すでに開いている冷感シートの箱、それからマスクが一つ。なんでマスクまでもが? と思うと貴美が風邪を美月に移したら困ると言う事でねじ込んだらしい。いらぬ心遣いが胸にしみる。
「三千円ね」
「……高いよ……」
 右手を差し出すアルトに答えながらアンプルを一本取りだす。そして、口に含んで錠剤と一緒に飲み干した。妙に甘くて、妙に苦い、はっきり言えばクソ不味い薬だ。後味も最悪だ。口直しに何か飲みたいところだが……
「あっ……それ、食後……あの、今から食事、作りますから……」
「ああ……良いですよ、そこまでしてくれなくても……余り、欲しくないし……」
「食べないと治りませんよ。冷蔵庫の中、見せてもらいますね」
 そう言った美月は良夜が返事をするよりも早くに冷蔵庫を開いた。そして、引き攣るような笑顔でこちらを振り向くと……
「……ドレッシングとキャベツとたまごだけ……しかも、このドレッシング、賞味期限が切れてますね……」
「ああ……それ、賞味期限がヤバイ奴を安く売って貰った奴だから……バイト先で……」
 少しだけ批判めいた視線を良夜に投げかけ、美月はそれを元の場所に戻す。その視線に居心地の悪さを感じながら、青年はポリポリと頭を掻いた。結局、美月が見つけられたのは冷蔵庫の中のたまごとジャーの中の冷やご飯だけ。
「……おじやくらいしか作れませんね……」
「十分ですよ……ホント、全然、欲しくないから……」
 一人用の土鍋なんてご大層な物はないので、美月は片手鍋に水を張ってコンロに掛ける。それが沸騰するのを、彼女は鼻歌交じりに待つ。良夜はそれをベッドの上からぼんやりと、見るともなしに眺めていた。
「それより、良夜……服、着替えたら? それとベッドに転がってる靴、どうにかなさい」
「俺、寝間着とか着ないから……」
 頭の上から言われる言葉通り、ベッドの上にはなぜか靴が片方だけ転がっている。もう一個は何処かと思って辺りを見渡すと、床の上、落としたままにしていた携帯電話の傍で発見された。どうにか……と言われても、何をするのも面倒臭いのでとりあえず、蹴っ飛ばして床の上に落とす。そして、ついでに落ちていた携帯電話を回収する。それを開くと新着メールが数件あること、ついでに今が十一時少し前であることを主に教えていた。メールは彼を気遣う友人が数人分とバイト先からの物だ。とりあえず、バイト先のおばさんにだけは、急に休んだことと明日も休むことについての詫びは入れておくべきか……
「あら……意外と友達がいるのね? タカミーズと美月と私くらいかと思ったわ」
「……お前、友達だったのか?」
「風邪、引いてなかったら頭にストローが立ってる所よ? 頭に」
 コツンと、木靴に包まれたかかとが良夜の額を叩く。瞬間――
「ツッ……!」
 まるで細い針のように良夜の大脳に突き刺さった。思わず額を抱え込み、目を閉じれば、まなじりから流れ出る物を一筋、青年は感じた。
「大げさ……でもないわね……って、ちょっと、良夜……? なっ、泣くほど痛かった?」
 くるんと天地逆さまになってアルトが良夜の顔を覗き込んで、目を丸くする。それを右手で払いながら、青年は頭を振って言葉を絞り出した。
「ああ……大丈夫……大丈夫だよ」
 そう言って、打ち掛けのメールだけを送信する。それを送信し終えると、他への返事は諦め、携帯をパタンと閉じた。それだけ? と尋ねる妖精に「後で出す」とだけ答え、携帯をヘッドパネルの片隅に置く。
「お待たせしました……もうちょっと材料でも持ってくれば良かったんですけどねぇ……って、良夜さん? どうしたんですか? アルトにまた、苛められてました?」
「……いや、またとか言わないで……ちょっと頭が痛かっただけで……」
「今回は違うわよ、今回は」
「……お前も、『今回は』、とか言うな……」
「そうですか?」と言って、彼女は茶碗におじやをよそい、良夜に手渡した。おじやは塩と溶き卵が入ったシンプルな物だ。それをスプーンで掬って一口、口に運んだ。美月は何もなかったから……と苦笑いを浮かべているが、その懐かしい味が今日はやけに嬉しい。良夜はそれをずるずると時間を掛けて食べる。頭の上にはアルトがちょこんと座って、美月はベッドの端に腰掛けて……二人は良夜の食事風景をまじまじと見ていた。
「……見られてると食べにくいけど……」
 そうは言って苦笑いを浮かべるも、すでに一杯目はすでに空っぽ。空になった茶碗を美月が受け取り、二杯目をよそう。ちょっとした夫婦みたいだなと思えば、熱がさらに高くなったような気がした。
「馬鹿じゃないのかしらね……」
 頭の上で冷やかす妖精も、先ほど良夜が泣いてしまったのを気に病んでか、今は控えめだ。毎日こうだと良いのに……と思うが、そうも上手く行かないだろう。
 二杯目も綺麗に完食。その茶碗に美月が手を伸ばそうとするよりも早く、彼は言った。
「……ごちそうさま、美味しかったです」
「もう、良いんですか?」
「ええ、元々、余り食欲がなかったから……」
 空になった茶碗にスプーンを重ねて、ガラステーブルの上に置く。まだ、頭は随分と痛いが、温かなおじやのおかげで体が温まった分、体は楽になったような気がする。先ほどまでよりかは気持ちよく寝られそうだ。彼は体を布団の中に押し込み、そこから視線だけで彼女が食器を片付けているのを追いかけた。
 それが終わるのに十五分ほど、元よりも綺麗になったシンクを背に美月が良夜の方へと近付いてきた。彼女は青年が寝転がるベッドの側に来ると、青年の顔を覗き込む。そして、わざとらしく頬を膨らませた。
「良夜さん。調子悪かったら連絡位してくださいね?」
「泣くほどしんどいなら呼びなさいよ、水くさい」
 美月が言うと、アルトも良夜の髪をクイクイと引きながらその尻馬に乗る。その二人に良夜はバツの悪そうな顔を見せた。
「……いや、ちょっと頭が痛かっただけだから……」
 頭を掻きながら答えた言葉に美月はフルフルと頭を左右に振った。
「言い訳はダメですよ? うなされていましたから……」
 美月の言葉に良夜は「えっ?」と小首をかしげた。
「だって、良夜、私に『誰?』って聞いてから、また、寝てしまったもの。明日の朝まで寝続けてたらどうしようかと思ったわよ」
 そう答えたのは、尋ねた美月ではなく、あきれ顔のアルトだった。彼女が言うには、ほんの数秒か長くて数分だと思っていた時間は、驚きの一時間。その間、美月は良夜の額に冷感シートを張ったは良いが、やることもなくなって、ずーっと良夜の寝顔を眺めていたらしい……と言う話を聞けば、良夜は顔から火が出るような思いだった。
「熱、上がった?」
「そー言う意味じゃない……起こしてくれればいいのに……」
 茶々を入れるアルトから、フキンで手を拭いてる美月へと視線を動かす。すると美月は誤魔化すように微笑んだ。
「あはっ、ちょっと可愛かったですから……明日は起こしますね」
「……明日も来る気ですか?」
 明日も来る気らしい美月に良夜は肩をすくめる。確かにまだまだ頭は痛いし、一応、翌日もバイトは休ませて貰ったが、そこまでして貰う必要も……
「ダメですよ。治り際が危ないんですから……じゃあ、ゆっくり寝てくださいね、ズボンもちゃんと脱いで」
 美月が年上の顔で言うと、頭の上でくつろいでいたアルトがポンと飛び上がった。いつもよりかは大人しい飛び上がり方……のような気がしたのは気のせいだろうか? 少なくともいつもよりも勢いが悪いのは確実だと思った。飛び上がったアルトが美月の肩口に着陸。数回、彼女の髪を引っ張ると、美月もハンドバッグを手に立ち上がった。その二人の女性に良夜が「ありがとう」というと、二人は異口同音に「どういたしまして」と答える。
 そして、美月の背がキッチンから玄関へと一度消え、次の瞬間、ひょこっと顔を出した。
「あの……この鍵、どうしましょう?」
 そういう彼女の手にはアルトが持ち出したという部屋の予備キー、それが燦然と光っていた。それを「ああ……」とだけ言って、数秒見詰める。
「持って帰って良いですよ……鍵、締めに行くのも億劫ですから……それと、電気、消しておいてください……」
 それだけ答えて、良夜はベッドの中に潜り込んでしまった。
 キョトーンとした顔で手の中で鍵を見詰める美月と、その頭の上で――
「ああ、意味とか全然、考えてないから、気にする必要ないわよ。鍵締めて、電気消して、さっさと帰りましょ」
 あくびをする妖精さんをほったらかしにして……

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