松

       松下幸之助翁述*江口克彦氏 記)より

        巻六 何事も衆知

           
    

   
          馬  治
       今日の言葉へ(目次)

          (次へ)巻七 事業は人にある
                



2004.2.4  巻六<何事も衆知>      576

 ただその時点だけを考えて、よいかとか悪いとかを決めて事を行ってはいけない。

コメント

 今だけでなく長い目で見て将来的にも良いかどうか。自分や自社だけでなく、世の中全体の為を考えて良いかどうかを判断するべきだ。松下さんは、いつも大局的に物事を見ていました。

2004.2.3  巻六<何事も衆知>      575

 自分は自分。何億の人間がいても、自分は自分。

コメント

 松下さんは、多くの人から話を聞き情報も集めましたが、すべて参考意見として、自分の頭でよく考え自分がどうするかという結論は自分で決めました。

2004.2.2  巻六<何事も衆知>      574

 男女には、異なる特質、役割がある。平等を主張することもいいが、違いを知り、役割の異なることも知っていたい。

コメント

 松下さんは、個性を認め各々の人を生かすことを常に考えていました。男にしか出来ない役割があり、女性にしか出来ない役割があるのだから、その違いを知りお互いに協力しあって、相手の立場を尊重しながら仕事も、家庭生活もうまくこなしたいものです。

2004.2.1  巻六<何      573

 鳴かざればそれもまたよしホトトギス。

コメント

 鳴かざれば殺してしまえでなく、その個性を認め生かす道を見付けるのが、経営者の力だ。世の中にムダな物は一つも無い、ムダな人間も一人もいない。素晴らしい松下さんの考え方です。

2004.1.31  巻六<何事も衆知>      572

 仕事を道楽にできるか。

コメント

 松下さんは、仕事が面白くないなら仕事を変えなさい。成功するには、まず自分の仕事を好きになることだよ。と教えてくれました。

2004.1.30  巻六<何事も衆知>      571

 仕事に成功するかしないかよりも、人間として成功するかしないかを考えたい。

コメント

 松下電産は人を作る会社です。また電気製品も作っています。と会社見学ではいつも説明していました。松下さんは、“企業は人なり”を経営の基本に考えていました。

2004.1.29  巻六<何事も衆知>      570

 強いばかりが武士ではない。情けも思いやりもなければ、本当の武士ではない。

コメント

 情けや思いやりは人間力だと思います。地位、肩書や権力だけでは、人は心から動きません。人間力のある経営者の下で人は喜々として働きます。

2004.1.28  巻六<何事も衆知>      569

 尋常一様な一所懸命さをつき抜けるほどの努力があって、はじめて成功する。

コメント

 考えて考えて考え抜いて、一所懸命に成功するまでやり抜いた松下さんは、努力の人です。努力したから運も付いてきたと思います。

2004.1.27  巻六<何事も衆知>      568

 悩みや迷いは人間につきもの。しかしいくら悩み迷っても、そのとりこになってはいけない。

コメント

 何日間み続けても、前向きに取組まなければ物事は解決しないのだから、いつまでも悩み迷うのは止めなさい。悩み続ける期間がムダである。蟻馬君そうだろう。松下さんの教えです。

2004.1.26  巻六<何事も衆知>      567

 成功しすぎてもいけない。成功も腹八分目がちょうどいい。

コメント

 松下さんは、成功の中に失敗の芽が潜んでいる。と教えています。有頂天になって反省することを忘れてはいけないと戒めています。

2004.1.25  巻六<何事も衆知>      568

 百点満点の制度というものはない。七つよくなれば、三つの欠点が出てくることはやむをえない。

コメント

 これは制度でも、他人の考え方でも、欠点を責めるのでなくて、良いところを見るようにしなさい。ということだと思います。松下さんは、自分に対しては「此でいい」と自己満足をせずに、もっといい方法はないだろうか?と常に追求心を持ち続けた人です。

2004.1.24  巻六<何事も衆知>百万もらって不足を言う人もいれば、紙一枚もらって喜ぶ人もいる。

コメント

 松下さんは、愚痴を言い続けてもそこから何も生まれない。と教えてくれました。不平不満を言うより、感謝の心を持ち生き続けたいですね。



2004.1.23  巻六<何事も衆知>      566

 体験を通じて身についたものは、その人だけに与えられた、なにものにもまさる宝である。

コメント 特に失敗から学んだことは、貴重なその人の宝。松下さんは、部下の失敗は決して叱りませんでした。君がいながら何故うまくいかなかったのか?しかし二度続けて同じ失敗したら体験を生かしてないので、厳しく叱りました。

2004.1.22  巻六<何事も衆知>      565

 理屈で割り切れないのが人の心。微妙に動く人情の機微を知り、それに即した言動を心掛けてこそ、豊かな人間関係が築かれる。

コメント

 松下さんは、常に相手の立場や人格を尊重しながら、応対しました。たいへんな気配りの人でした。

2004.1.21  巻六<何事も衆知>      564

 困った困ったと思うと、心も狭くなり、知恵もわかない。困っても困らないことが肝要である。

コメント

 松下さんは、困った困ったと決して思いませんでした。僕は運が強い男だから、必ず解決するし「うまくいく」と自分に言い聞かせて、前進していました。

2004.1.20  巻六<何事も衆知      563

 人間の生命は、宇宙根源につながっている。

コメント

 松下さんは、人間は大宇宙の中の小宇宙。大いなる力によって生かされていると考え、偉大なる大宇宙の法則に逆らわずに生かされている自分の生命を大切にし、全力投球の人生を歩みました。

2004.1.19  巻六<何事も衆      562

 自分の生命はいつ尽きるのかわからない。しかし、その最後の瞬間まで、精いっぱいに生き抜きたい。

コメント

 松下さんは、平成元年4月27日94才でお亡くなりになりましたが、その瞬間まで精いっぱい真剣に人生を生き抜かれた人でいた。

2004.1.18  巻六<何事も衆知>      561

 医者の言うことはよく聞くべきだ。しかし、ほんとうの主治医は自分自身である。

コメント

 主治医は自分、患者自身が治す。若い時から病弱だった松下さんの結論です。多くの人から人生や経営の話を聞きましたが、それを参考にして結論はすべて自分の頭で考え、自分で決めて、取組んだ松下流の考え方は素晴らしいです。

2004.1.17  巻六<何事も衆知>      560

 嵐の海の大波には、逆らわずに避難しなさいそれが自然の理法にかなった航海術。

コメント

 松下さんは、自然の理法、大宇宙の法則に逆らわずに生きる事が成功のコツである。と考えて行動しました。

2004.1.16  巻六<何事も衆知>      559

 辻斬(つじぎ)りに出会っても、ヒラリと体をかわす名人になれ。

コメント

 大相撲初場所が行われていますが、松下さんは取組を見ても、力士の瞬発力は普段から相当練習しているから力が出るのだ。僕も普段から鍛錬を怠ってはいけない、と自分を戒めていました。実力が備われば何事に遭遇しても慌てずに対処出来るという事ですね。

2004.1.15  巻六<何事も衆知>      558

 宇宙根源の心に応ずる人間の心のあり方をわきまえ、実践していくのが宗教である。

コメント

 仏壇の{松下家先祖代々之霊}{松下電産物故者之霊}の位牌を毎朝感謝の心で拝み、宗派に関係なく宗教家の話を経営に活かして、大宇宙の偉大なる力に逆らうことなく、人生を歩んだ松下さんは、本当の意味の「宗教心を持った人」だったと思います。

2004.1.14  巻六<何事も衆知>      557

 自然の恵みは、母親の慈愛と同じ。母親の慈愛に感謝するように、自然の恵みに感謝したい。

コメント

 松下さんは、9才で丁稚に出る時、紀ノ川駅で見送ってくれた母親の姿を(自分の事を心配して呉れていた)何時までも忘れず、母親の愛に応えるために一所懸命頑張りました。

2004.1.13  巻六<何事も衆知>      556

 人間は一人ひとり持ち味が違う。ワクをはめたら、その人の持ち味が消える。

コメント

 人使いの名人と言われた松下さんは、部下をよく知ったうえで個性を尊重し、適材適所の配置をして人を育てました。

2004.1.12  巻六<何事も衆知>      555

 転んだら立たねばならぬ。幼子でも転んだままではいない。すぐに立ち上がる。

コメント

 幼児の時に転んでも転んでもすぐ立ち上がったから、歩く事が出来る様になりました。子供時代は皆すぐに立ち上がれたのだから・・・

2004.1.11  巻六<何事も衆知>      554

 事をなすにあたって、結果を大事にする以上に、それをうむまでの過程を大切にしたい。

コメン

 結果がうまくいく事は大切だが、真剣に一所懸命取り組んだかどうかが問題である。万策尽きたと言わずに、方法は幾らでもあるのだから、成功するまでやり続ければよい。と考えていました。

2004.1.10  巻六<何事も衆知>      553

 人生はカメのような歩一歩の歩みがいちばんいい。二歩三歩いっぺんに飛ぼうとすると失敗する。

コメント

 松下さんは、石橋を叩いて渡るような堅実経営を心掛けていましたので、失敗すること無く会社は大きくなりました。自分の力以上に背伸びをした経営は“ 行き詰まる事があるのだよ ”よく聞かされました。

2004.1.9  巻六<何事も衆知>      552

 憎しみは破壊をもたらし、愛する心は建設をもたらす。

コメント

 松下さんは、社員を大切にしました。取引先も大切にしました。出会うすべての人に愛と感謝の気持ちで接しました。人も集まり、情報も集まり、仕事も集まり、結果としてお金も集まった人です。

2004.1.8  巻六<何事も衆知>      551

 世の中に「絶対の確信」はありえない。すべては一応のものであり、仮のものであることを知っておきたい。

コメント

 確信を持って行動するが、もしうまくいかなくても、絶対はあり得ないことを知っていれば、落胆や落ち込みすることなく、次善の策を考えて前進すればよい。との教えですね。

2004.1.7  巻六<何事も衆知>      550

 人の言うことに耳を傾けようとしないのは、自分で自分の心を貧困にするようなものである。

コメント

 1月1日にもありましたが、人の話を聞く能力はその人の人間力。人の話に耳を傾ける人には情報も多く集まって来ます。

2004.1.6  巻六<何事も衆知>      549

 失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れたい。

コメント

 松下さんは、何回失敗しても成功するまでやり続ければいい。と考えていましたので、失敗は恐れていませんでした。常に真剣に考え、真剣に行動をした人です。

2004.1.5  巻六<何事も衆知>      548

 “ なぜ ”と問いなさい。なぜなぜと問い続け、考え続けるところから、進歩向上も生まれる。

コメント

 松下さんは、なぜ?なぜ?と何歳になっても問い続け、子供のような好奇心と向上心を持ち続けた人でした。

2004.1.4  巻六<何事も衆知>      547

 自分でわからないことは、人に尋ねたらいい。素直な心で聞き、静かに考えれば、行く道はおのずと見えてくる。

コメント

 他人に尋ねるということは、謙虚さと、素直さが無ければなかなか出来るものではありません。変なプライドを持つ人は、知ったかぶりをしてしまい、いい情報も寄って来ません。

2004.1.3  巻六<何事も衆知>      546

 失敗を嘆くより、反省し、過ちを改めることが大事。

コメント

 ただ嘆いてばかりいても、仕方がない。原因はどこに有るか、よく反省して過ちを改めましょう。原因はすべて自分に有るのですから。

2004.1.2  巻六<何事も衆知>      545

 大志を抱き、夢をもたなければ、人間、生きる価値はない。しかし、そのために今日一日の努力をおろそかにすることは愚かなことである。

コメント

 松下さんは、毎日の努力、地道な行動の積み重ねが物事の成就につながる。考えるだけとか、言うだけでは、何にも成らない。出来るまでやり続けることが、成功と言い、途中であきらめることが、失敗と考えていました。

2004.1.1  巻六<何事も衆知>      544

 人の話に感心せよ。どんな話にも感心できるということは、きみにそれだけの力量があるということだ。

コメント

 “ 蟻馬君、そのことは僕は知っているよ ”と私は松下さんから一度も言われたことは有りません。私如き者の話でも真剣に聞いて呉れました。上甲 晃さんから、人の話を聞く力は“ その人の人間力です ”と学びました。


2003.12.31 巻六<何事も衆知>      543

 己を無にして、はじめて主座は保てるもの。

コメント

 私利私欲にとらわれると、部下からは尊敬されないし、人は心から動いてくれません。リーダー失格です。

2003.12.30 巻六<何事も衆知>      542

 喜ぶことを知り、ありがたさを知り、感謝する心を知っている人は幸せである。

コメント

 “ 感謝する心を知っている人は幸せである ”ありがとうを一日百回口にすると、どんな病気でも治癒すると聞いたことがあります。次々と有難い事が集まって来るそうです。

2003.12.29 巻六<何事も衆知>      541

 善人がいて悪人がいるから芝居になる。善人ばかりではおもしろくない。

コメント

 善人も悪人もいるし、ヤクザも詐欺師もいるよ。世の中すべて善人ばかりで、ヤクザや詐欺師が一人もいなければ小説もドラマも面白くない。ただ蟻馬君、一生の仕事としてヤクザになるか詐欺師になるかは、君自身が考えて決めなさい。

2003.12.28 巻六<何事も衆知>      540

 とるべき責任を、そ知らぬ顔で回避する人間ほど卑怯(ひきょう)な人間はいない。

コメント

 人間は他人の所為(せい)にしがちですが、すべて自分の責任と考えるところに、改善の余地があり、その人は進歩する。と聞いたことがあります。まして責任者が責任を回避するようでは、リーダーの資格は無いということですね。

2003.12.27 巻六<何事も衆知>      539

 他人の目ではなく、みずからの心に問うて、やましいところがないかが大事。

コメント

 他人の目は誤魔化せても、自分の心は偽れないもの。自分の心に忠実に!正しい事をする!ことが成功の秘訣です。

2003.12.26 巻六<何事も衆知>      538

 節あればこそ竹は強い。人生にも節をつくりたい。そして人生に耐える力を養いたい。

コメント

 人生で何が一番良かったと思いますか?の質問に万人がその人の一番苦しかったことを言うそうです。苦しさを乗り越えて強く成長したのですね。これが人生の節。苦しさは、神が与えた人生の節なんです。有難い自分の試練だそうです。

2003.12.25 巻六<何事も衆知>      537

 礼儀作法は、社会生活の潤滑油。人間関係を滑らかにする。

コメント

 松下さん程、相手を尊敬して人に接した人を他に知りません。取引先、自社の従業員、私如き若い出入り商人にでも、敬意を払って接して呉れました。どの人もその道のプロとして一目置いて接して呉れました。礼を尽くす事が、良い人間関係を作る基本である事を、松下さんから学びました。

2003.12.24 巻六<何事も衆知>      536

 穏やかな海であっても、(かじ)取りに油断は禁物である。

コメント

 人間は順調な時や成功した時程、気がゆるみ油断したり安心し易いものだから、リーダーは十分注意をしなさいという事を教えて呉れています。

2003.12.23 巻六<何事も衆知>      535

 考えて行動し、行動してまた考えなさい。その繰り返しによってきには成長するだろう。

コメント

 松下さんは、考えて考えて考え抜いて、信念を持って行動に移しました。うまくいかなかった時、反省して原因を追求するのは当然ですが、成功した事もこれで良いのか?このやり方を続けても良いのか?常に“ 考・動・省 ”の繰り返しでした。

2003.12.22 巻六<何事も衆知>      534

 天国のよさは、地獄に落ちてはじめてわかる。不足を体験しなければ、満ち足りた喜びは味わえない。

コメント

 苦しみがあるから、喜びがある。苦労や苦しみは、喜びや満足感を味わう為にあるのです。松下流の素晴らしい考え方ですね。

2003.12.21 巻六<何事も衆知>      533

 私は最初から金持ちになってやろうとか、大きな事業家になろうとかいうような考えはなかった。せめてきょう食べる物があるような姿になりたい。せめて一時休んでも収入がなくならないような姿になりたい。そうしたささやかな願いから出発した。

コメント

 世の中の役に立つ仕事を、真面目にコツコツとやり続けることが、大を為す事に成るということです。正しい事は、天は見ていて成功に導いてくれるのですね。

2003.12.20 巻六<何事も衆知>      532

 スシの好きな人にはスシを食べさせ、酒の好きな人には酒をの飲ませよ。

コメント

 相手の喜ぶことをしなさい、という事でしょうか?その前に相手のことを良く知る事が必要ですね。自分に関心を持って呉れているというのは誰でも嬉しいものです。

2003.12.19 巻六<何事も衆知>      531

 離れ島の生活なら、自分一人の意志だけでやっていけるが、社会の中で生活する以上は、自分の気ままな考えだけで事の是非善悪を論ずることは許されない。

コメント

 共存共栄が基本的な考え方の松下さんは、いつも取引先の利益を思い、社員にも方針を十分説明して、一方的な命令でなく、心から納得して動いてもらいました。人を動かすのに大変な心遣いをした人です。

2003.12.18 巻六<何事も衆知>      530

 口角泡をとばして議論をするのはいい。しかし、それは人間生活をより向上させることでの議論でなければならない。

コメント

 松下さんは、世界の平和と人間生活の向上そして人類の幸福を願って、より良い商品を世に送り出し、PHP活動にも力を注ぎました。

003.12.17 巻六<何事も衆知>      529

私は死の直前まで、運命に素直に従いたい。

コメント

 松下さん程努力した人は、後にも先にも出て来ないと思います。真剣に、努力に努力を重ね天命に従うという意味です。我々凡人の何の努力もせずに運命の所為にするのとは大きな違いです。

2003.12.16 巻六<何事も衆知>      528

 今までの人間観を少しも変えず、そのままにしておいたら、いっさいのものの考え方が(ゆが)んでしまう。

コメント

 松下さんは、一流の羊飼いは羊の事を良く知っている。人間を良く研究しなければ、一流の経営者には成れない。時代と共に人間は発展するし、考え方も進んでいる事に気付づかずにいては、人を動かす事は出来ない。“ 経営者は人間研究が一番大切だ ”よく聞かされました。

2003.12.15 巻六<何事も衆知>      527

 三分の二は仕事に打ち込み、三分の一は家庭のことを考える、そういう男性に魅力を感じるような女性を、お嫁さんにもらいたい。

コメント

 松下さんは、主人の仕事を理解して、自分は家庭をしっかり守る女性が、主婦として望ましいと考えていました。むめの夫人は、最高の主婦の鑑でした。

2003.12.14 巻六<何事も衆知>       526

 自分の意志によってなんでもできると考えると、必ず迷いが生まれる。苦難の道に入る。そして結局は、自分も他人も不幸になる場合が多い。

コメント

 自分の考えを他人に無理強いしても、人は心から動くとは限らないし、天の理に適った道でなくては、自分も他人も幸せにはならない。

2003.12.13 巻六<何事も衆知>      525

 私は、若いころから三時間半ぐらいしか眠れない。神経質で病弱で、しかも問題をたくさんもっていたから、あまり眠れるほうではないといえる。

コメント

 松下さんは、物事を真剣に考えて考えてしていると、睡眠時間が三時間半しかなかったのです。

2003.12.12 巻六<何事も衆知>      524

 私はできるだけ素直に、平易にものを見ていくよう努めた。そしてかけ引きもなにもない、ありのままの自分を見てもらうように心がけてやってきた。

コメント

 “素直”ということは、松下さんが大変好きな言葉です。素直な心で、物を見たり人に接する、自然体がベストなんですね。

2003.12.11 巻六<何事も衆知>      523

 利益は、どこまでも刻苦勉励によって得た尊いものでなければならぬ。

コメント

 松下さんは、いつでも堅実経営をモットーにしていました。決して投機的な事はせず、石橋を叩いて渡るような経営を貫きました。

2003.12.10 巻六<何事も衆知>      522

 ほんとうに一日の仕事を存分になしおえた愉快さというものは、物見遊山や単なる金儲けの場合の喜びとは、比べものにならない大きな深さのあるもので、それだけになかなか容易には得られないものである。

コメント

 一日の仕事の達成感や満足感が、趣味や遊びの喜びと比べものにならない深みがある。しかしそれだけ大きな努力や真剣さが必要なんですよ。この教えに自己反省しています。

2003.12.9 巻六<何事も衆知>      521

 信念のない者は、人間として価値がない、まったく(うつろ)な人間である。

コメント

 若かりし頃、信念の魔術 という本を夢中になって読んだことを思い出しました。毎日の行動は、信念を持って、そして信念の人で人生を終えたいものです。

2003.12.8 巻六<何事も衆知>      520

 人として世に処するうえに最も大切なことは、他より厚き信頼を受けるということである。しからば、信用を得るにはいかにしたらいいか。結局「正直」をもって一貫するよりほかにはない。

コメント

 むめの夫人から教わった事の一つに、“人の値打ちは他人さんが決めてくれます”を思い出しました。“ 厚き信頼を受ける ”ということは、日常の地道な行動・・・自分の心に正直に生きる事しかないですね。

2003.12.7 巻六<何事も衆知>      519

 (まこと)の富は心の富。

コメント

 人生の先達の話を聞いたり、読書に励み勉強をして修行を重ね、自分の心を豊かにする事。前向きの発想が出来る心になると豊かな人生を送ることになるのですね。

2003.12.6 巻六<何事も衆知>      518

“安くて良い”ということは、いかなる商売においても最高の決定権を持つ。

コメント

 安いが品質が悪くてはダメ、松下さんは、性能が良くしかも安い製品を、誰もが買い易い商品作りを目指しました。

2003.12.5 巻六<何事も衆知>      517

 財宝は、ときに散逸するおそれもあるが、いったん体得した勤勉のクセは、一生を通じての宝である。

コメント

 真面目、真剣、勤勉や、身に付いた良い習慣などは、人生の宝です。いろいろの体験から自分の為に、良い生活習慣を身に付けたいものです。

2003.12.4 巻六<何事も衆知>      516

学を修め道を開き、事をわきまえても、それを実行しなければ、いわゆる宝の持ち腐れである。

コメント

 “ 知っている事と、実行する事とは天地の差 ”行動しなければ、何も生まれません。松下さんは、考えて、考えて、考え抜いて、後は成功するまでやり抜いた人です。

2003.12.3 巻六<何事も衆知>      515

 いたずらに大志を抱いて焦慮するのは愚である。踏み出す一歩一歩に最善の注意をはらいつつ、その日の責務を遂行することの蓄積こそ、やがて目的の彼岸に到達する捷径(しょうけい)である。

コメント

 捷径=目的達成のための手近な方法。一歩一歩に全力投球し、毎日毎日の地道な努力の積み重ねが、目的を達成する為の近道です。

2003.12.2 巻六<何事も衆知>      514

 誇りを持つことは必要である。しかし、その誇りも、過ぎれば破滅への一歩となる。

コメント

 自信も、誇りも過ぎれば危ない。常に冷静に自分を見つめ、謙虚さを失ってはいけない。ということですね。

2003.12.1 巻六<何事も衆知>      513

 うちが発展すれば、同業者が倒れていくということで悩んだことがあった。しかし、そのような小さい問題で悩んではいけない、もっと大きく、日本全体が豊かになる仕事をするということが、自分の使命であると悟った。

コメント

 いよいよ師走です。私の12月は治が走ると書いて“治走”です。大変な忙しさです。冷静に自分を見失うことなく、健康に留意して頑張ります。松下さんから教わりました“悩みがあるということは、成長発展につながる改善の余地がある。しかし、蟻馬君いくら悩んでも前向きに捉えないと悩みは解決しないんだよ!”

2003.11.30 巻六<何事も衆知>      512

 勝つか負けるかわからないような不安なときは、やらなければよい。絶対に成功するのだ、何が何でもやるのだ、という確信と意気込みがもてるときはやる、これしかない。

コメント

 松下さんは、僕は健康に恵まれなかったので、石橋を叩いて渡るような堅実な経営しか出来なかった。結果的には、これが良かった。と述懐されていました。

2003.11.29 巻六<何事も衆知>      511

 基本的な間違いがなければ、力強く門を(たた)け。

コメント

 考えて考えて考え抜いて、正しいと信じたら、必ず実現すると信じて迷わずに、まず一歩を踏み出すことです。

2003.11.28 巻六<何事も衆知>      510

 十人から百人を使うときは率先垂範、「これをやってくれ」と命令することで人は動く。千人、二千人になれば、態度は同じでも「してください」という心がなければいけない。一万人になると「頼みます」の心、何万人ともなれば、拝む心が必要だ。

コメント

 私が「人使いのコツは何ですか?」と質問した時は社員数五万人位だったのですが、松下さん曰く「コツは無い!祈りだ!」“ うちの社員はよう働いてくれたからなあ・・・・”が松下さんの口癖でした

2003.11.27 巻六<何事も衆知>      509

 経営が好きであれば、かりに遊んでいても、そこからふっとヒントを得て、それを経営に有効に()かすことができる。

コメント

 まず自分の仕事を好きになる事だ!好きになれないなら、仕事を変えなさい!と教わりました。好きなことは、いつも頭にあるから何をしていても、有効に活かすヒントが浮かぶ訳ですね。

2003.11.26 巻六<何事も衆知>      508

 経営のコツは、十人十色、人によってやり方が違う。

コメント

 松下さんは、社員にも取引先にも、その個性を認め尊重していました。それぞれが自分のやり方で真剣に取り組めばよい。相手の考え方や、やり方を認めるということは、難しいことですね。

2003.11.25 巻六<何事も衆知>      507

 叱るときには、やはり叱ってきた。けれども大きくはねぎらってきた、感謝してきた。「そうは言うものの、よくやってくれる」という考えがどこかにあった。

コメント

 松下さんは、社員や部下を叱る時は、判るまで徹底的に叱りました。良くやってくれているが、もっとその人を成長さす為に、その人の為に注意するという気持ちがありました。だから叱られた社員や部下は、素直な気持ちで聞く事が出来たのです。

2003.11.24 巻六<何事も衆知>      506

 人間形成の過程には、体験として、ある期間、適所でないところに立つことも、また必要である。しばらくそういう仕事も味わってみて、いつか適所に座るということが望ましい。

コメント

 体験したこと、苦しんだこと、すべて人間形成に役に立つと教えています。仕事の苦労も人間関係の悩みも、みんな勉強になっているのですね。すべての体験が身に付いてその人の実力になるのです。幅の広い人間性も培われるのです。・・・なるほど!そうか!

2003.11.23 巻六<何事も衆知>      505

 失敗は成功の基という。しかし、そのためには、失敗をほんとうに成功の基にしようという、その心がまえをもっていなくてはならない。

コメント

 絶対に成功するぞ!成功するまでやり抜くぞ!という強い信念を持って行動しなければ、物事は成就しない。松下さんから学んだ人生哲学の基本です。

2003.11.22 巻六<何事も衆知>      504

 あす、どうなるかわからない、というような会社は立て直しやすいが、うまくいっている会社をもう一歩よくするのは、非常にむずかしい。

コメント

 順調な時は、更に改善して良くしようとするのは、なかなか出来にくいものだ。松下さんは、成功の中に失敗の芽があると、順調な時ほど慢心しない様に自分に言い聞かしていました。

2003.11.21 巻六<何事も衆知>      503

 仕事に打ち込んで、疲れをおぼえるというのではなく、むしろ仕事によって疲れが休まる、というような境地が味わえれば、そこに大きな成果があがるのではないだろうか。

コメント 

 仕事をすることで、疲れが休まる。これは素晴らしいことだと思います。蟻馬君、自分が選んだ仕事をまず好きになることだ!と教わりました。好きなことをしている時は、疲れないですね。これぞ、プロの道。

2003.11.20 巻六<何事も衆知>      502

 私は、むずかしいことをむずかしく考えなかった。むずかしく考えると勇気がくじけるから、“ むずかしいかもしれないが、やり方によってはやれるだろう ”という考え方をもっていた。

コメント 

 松下さんは、これは僕にはきっとやれる!僕は運が強い!いつも自分に言い聞かせていました。部下の指導にも、君なら出来る、必ず出来ると思う。新任の辞令を渡す時は、最適任者と思って君に頼むのだ。このポストは君に任すしかないのだから頑張って欲しい。

2003.11.19 巻六<何事も衆知>      501

 みずからを高めるためには、順境のときに百ぺんの講義を聞くよりも、逆境に立って、みずから取り組み、その体験から自得するほうが効果は大きい。

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 逆境の時は、自ら顧みて改善する絶好のチャンスである。順境のときは、反省することが出来にくい。不況の時は改革のチャンスである。と松下さんは考えていました。解決策は自分で考えなさい!万策尽きた。なんて絶対言うな!道は無限にある。真剣に取り組みなさい!大きく成長するチャンスだ。

2003.11.18 巻六<何事も衆知>      500

 大きい組織をさらに大きくして、なおすみずみまで完全に動かすということは、たいへんむずかしい。むしろ分割したほうが、各部分が生き生きとしてくる。

コメント

 松下さんは、会社が大きくなっても大企業病にならないように、組織が生き生きと活動するために、細分化して独立採算制を考えました。

2003.11.17 巻六<何事も衆知>      499

 手ごわい競争相手の出現によって、われわれは()を競うために自然勉強するから、旧套(きゅうとう)を脱することができる。より新しいものの考え方を生み出すことが出来る。

コメント

 何が起こっても“ よかった ”と受け止める松下さん流のプラス発想です。相手の悪口を言ったり、足を引ひっぱたりするのでなく、お互いに切磋琢磨して、より新しいものの考え方を生み出す「絶好のチャンス」と受け止めています。

2003.11.16 巻六<何事も衆知>      498

 政府に頼ることも、ある場合には必要である。また政府の力を行使してもらわなくてはならないことも、ものによってはあるだろうが、できるかぎり独自の立場で、また自主独立の精神で、経営をしていくことを建前としなくてはならない。

コメント

 経営者の基本的な考え方ですね。某ホームセンターの決算報告書に、今年は冷夏で、雨も多かったので売り上げが伸びず、今期は赤字になりました。これを読んで私は、その会社の店舗の有る所だけ雨が降ったのかな?・・・・経営者は自主独立と自己責任の心を忘れては一流とは言えませんね。

2003.11.15 巻六<何事も衆知>      497

 友人を大事に考えるということは、その友人の時間をむやみにさかないことである。だから、食事に誘われても断ってもいい。

コメント

 松下さんの考え方や行動は、いつも自己中心でなく利他愛に満ちたものでした。まず相手の事を考えていました。

2003.11.14 巻六<何事も衆知>      496

 知恵は無尽蔵である。

コメント

 松下さんは、考えて考えて考え抜いた人です。決して万策尽きた、とは言いませんでした。知恵は無尽蔵である!

2003.11.13 巻六<何事も衆知>      495

 ひまなときは、力を蓄え、自己を顧みて、その姿を直す期間である。ジタバタしないことである。ひまを恐れて、必要以上の仕事をとって、しっぱいすることがあってはならない。

コメント

“ それは ええなあー!”松下さんがよく使った言葉です。何があってもチャンスと考えました。ひまなときは、静かに反省して、自己改革するチャンス到来と思い決してジタバタしませんでした。余裕を持って人生を歩みたいものですね。

2003.11.12 巻六<何事も衆知>      494

 きのう考えたことに、きょうはさらに何かをつけ加えなければ、人間は成長しない。

コメン

 3分前に考えていたことが、今も必ず正しいとは限らないよ。世の中は常に発展しているから・・・・よく聞かされました。

2003.11.11 巻六<何事も衆知>      493 

 われわれはプロである。その本業に全身全霊を捧げて、そこに喜びがわかないような者は、その本業から去らなければいけない。

コメント

 松下さんは、この世の中にムダな職業は一つも無いと考えていました。何を選ぶかは、蟻馬君自分で決めなさい。選んだ道でプロとなり、一流になるのだ!生き甲斐を感じないのなら道を変えなさい!と教わりました。

2003.11.10 巻六<何事も衆知>      492

 思案にあまることは、周囲の人たちに相談しよう。相談することは決して恥ずかしいことでなく、誠意ある行いである。

コメント

 周囲の人に相談をしたり、他人の意見を聞く事はなかなか出来難いものですが、松下さんは多くの人から話を聞き参考意見としました。上甲 晃さんの講演会で、松下さんは人の話を聞く為に生まれてきた人だ。“ 聞く力は人間力だ ”と話しています。

2003.11.9 巻六<何事も衆知>      491

 大地にしっかりと足をつけている者だけが、理想を語る資格がある。

コメント

 堅実な考えを持ち、地道にそして真剣に自分の道を歩む人が語る理想は、聞く値打ちがある。

2003.11.8 巻六<何事も衆知>      490

 三回成功したから、四回目も成功すると考えるのは間違い。つねに新たな思いで物事に取り組まなければいけない。

コメント

 松下さんの言葉に“ 成功の中に失敗の芽 ”があります。好調な時、心がゆるみ、甘くなり、思わぬ失敗を起こしがちになる。成功におごらず酔いしれず、謙虚に足もとを見つめて歩みたい。心にしみる言葉です。

2003.11.7 巻六<何事も衆知>      489

 富士山の頂上を極めるということがお互いの目的であって、極める道は各自求めたらいい。

コメント

 松下さんは、富士山は西からも東からも登れる、と教えています。自分で選び、自分で決めた道を全力で歩む事です。愚痴や不平・不満を言っていても何も生まれません。

2003.11.6 巻六<何事も衆知>      488

 自分の実力を知らない(いくさ)は負ける。

コメント

 自分の力以上の背伸びをした経営は、どこかで行き詰まる。自分を過信しないように松下さんは、堅実経営を心掛けて着実に会社を大きくしました。

2003.11.5 巻六<何事も衆知>      487

 去年の自分と今年の自分とを比べて、そこにどれだけ成長があるか。

コメント

 松下さんは、毎晩床に就くとき、今日一日の反省を怠ってはいけない。“ 停滞してるのは、退化と同じだ! ”と教えて呉れました。

2003.11.4 巻六<何事も衆知>      486

 われわれが口で雄弁に物語るよりも、品質のよし悪しは、商品のほうがより雄弁に示す。

コメント

 松下電産は安くて、品質の良い商品を製作する事に、全社員が全力を尽くしました。

2003.11.3 巻六<何事も衆知>      485

 責任者を責任者たらしめるのは、周囲の人である。

コメント

 中間管理職の事と思います。トップから権限が委譲され、部下からも責任者として尊敬され、慕われて責任者としての自覚が生まれてくるのでしょう。

2003.11.2 巻六<何事も衆知>      484

 地位が高くなると、責任が大きくなるということは忘れてはならない。

コメント

 歳を重ね、会社でも地位が高くなり、社会的にも責任が重くなると、特に自分に厳しく生きなければいけないということですね。

2003.11.1 巻六<何事も衆知>      483

 一から、それもできるだけ最下位の仕事からやろうとする、という志は、何の仕事においても、非常に尊いものである。

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 松下さんは、松下政経塾で1.まず早起きをする。2.身の回りの掃除と整理整頓。を教えました。僕はここに掃除をしに来たのでありません、勉強しにきたのです。と、反発した塾生に“自分の身の回りの掃除すら出来ない者が、何で世の中の大掃除が出来るか!”と一喝しました。私は今、机の上を見て大いに反省しています。

2003.10.31 巻六<何事も衆知>      482

 カンにかたよっても、科学にかたよってもいけない。その二つを車の両輪のように使わなければならない。

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 考えて考えて考え抜いて、閃いたのが松下さんのカンというものでした。単なる思い付きではなかったのですが、それでも、カンだけにかたよってはいけない!と教えてくれています。

2003.10.30 巻六<何事も衆知>      481

 損をして競争に打ち勝つということは、“勉強”ではない。発明を重ねて今までの五円のものが二円で出来るようになった、だから同じように売っていたのではあまりにも暴利になる、それでは社会に貢献できない、だからどうしても三円で売るんだというのであれば、これは許される。それによって行き詰まったところがあっても、それは人力の舟が動力船に変わるような、社会全体の進歩のためであって、文句は言えない。

コメント

 企業努力でいい物を安く社会に提供する事が社会貢献だ。適正利潤をあげて経営をすることが社会全体の為である

2003.10.29 巻六<何事も衆知>      480

 互角の者三人が組んだら、必ず意見が対立する。互角でなく、一人はちょっと頭のいい人、一人は行動力のある人、一人は協調性のある人というふうな、異なった三人が組めば、おおむね意見は対立なく進んでいく。

コメント

 対立でなく各人の個性を尊重し合って、意見を取り入れて参考にする。これが松下さんの提唱する“ 衆知を集める ”です。

2003.10.28 巻六<何事も衆知>      479

 商売は真剣勝負である。そうである以上、つねに勝利を得なければならない。真剣勝負で、得をするときもあれば、損をするときもある、ということは許されず、負けるときは首のないときである。

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 商売は真剣勝負である。今期は赤字でしたが、来期は頑張ります・・・・松下さんは、首の無いのに来期は頑張ることが出来無い筈だと考えました。新店舗を開店すれば、責任者には最初から黒字経営にするように指示しました。

2003.10.27 巻六<何事も衆知>      478

 不景気で商売をしにくいときには、商売をしないことだ。商売をしないところから生じる損害は知れたものであるが、無理して売って損をすると大きい。

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 松下さんは、いつも適正利潤を確保することを商売の基準に考えていました。だから価格破壊して販売する会社とは取引きしませんでした。利益を無視して(損をして)まで販売はしませんでした。

2003.10.26 巻六<何事も衆知>      477

 自分の体が大事であれば、会社は自分の体を包んでいる入れ物である。この入れ物を壊してはならない、という一体感をもつべきである。

コメント

 松下さんは、従業員を大切にしました。社員も松下さんを心から尊敬し、陰日向無く一生懸命真面目に働きました。蟻馬君、“ うちの社員はよく働いてくれた ”よく聞かされました。

2003.10.25 巻六<何事も衆知>      476

 みなが借金会社になったら、税金が入らず、日本は行き詰まってしまう。だから、借金経営でない健全な会社で実社会、経済界が構成されなければならないし、それを維持する義務がある。そのような信念に立てば、自社のために儲けるのではない、国のため、お得意であるあなたのために儲けるのだ、と言うことができよう。

コメント

 自社のためでなく、国のために儲けるというのは理解できますが、お得意であるあなたのために儲けるという考え方が、松下さん流の“ 共存共栄 ”なんですね。

2003.10.24  巻六<何事も衆知>     475

 会社と労働組合は車の両輪である。両輪であれば大きさは同じでなければいけない。組合の力が大きければ、それに対抗できるように経営力というものは強くなければいけないし、会社の力が強くなれば、組合も負けないように大きくならなければならない。そして両者が対立しつつ調和していくところに、ものは生まれてくる。

コメント

 松下さんは、常に従業員の幸福を願った経営者です。共存共栄は、会社と労働組合の関係にも考えていました。対立しつつ調和していくところに発展がある、と労働組合といつも対等に話し合いを心掛けた経営者でした

2003.10.23  巻六<何事も衆知>474

 文句を言うお客もいるが、決して腹を立てないことである。無理をきいて何度もやり直す。そういうむずかしいお客を何人かもって、腕を磨いていくなら、その店は必ず発展していく。厳しいお客ほど有難いお客はないのである。

コメント

 文句を言うお客さんは改善点を気付かしてくれる有難いお客さんと喜びなさい。松下さんは、創業の頃クレーム処理は、必ず自分が出かけました。悪い所を改善すれば腕が磨けて、店は必ず発展する、と考えていました。本当に素晴らしい素直な心の持ち主でした。

2003.10.22  巻六<何事も衆知>      473

 何事も衆知によらなければならない。十人の人がいれば十人の人の知恵を借りる。百人の人がいれば百人の知恵を借りる。一億あれば一億の知恵を借りる、という心がまえが大切である。

コメント

松下さんは他人の意見をよく聞き、知恵を借りる事を常に心掛けていました。これを“ 衆知を集める ”と表現しています。私の話でも大きな耳で真剣に聞いてくれました。他人の話を聞く力は、その人の人間力だとも言われています。 

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