運動誘発性喘息
成人の運動誘発性喘息
運動をすることによって喘息発作が誘発されて起こることがあります。
運動誘発喘息は小児に限らず,成人の喘息患者においてもかなり普遍的に見られるようです。一般にコントロール不良の患者や重症度の高い愚者ほど起こりやすく,気遣狭窄も高度になる傾向があります。また,運動の強度が増し継続時間が長くなるほど,発症する可能性が高くなり,重症度が増すことが知られています。
小児の場合と同様に,大きな発作を起こしてすぐの時期を除いて運動の制限は不要であり,むしろトレーニングにより運動誘発喘息は起こりにくくなります。冷たく乾燥した空気は発作を誘発しやすいので,当初はこのような環境を避けてトレーニングを行う方がよいでしょう。また,長距離走も長時間の過換気を伴うため,発作を誘発しやすいとされており,導入トレーニングとしては不適切と考えられます。
実際に運動を行う場合,事前に十分な準備運動を行うことで発作をある程度予防できます。屋内であれば,あらかじめ温度と湿度を上げておくことも予防に役立ちます。冬期に屋外で運動を行う場合には,鼻や口をマスクなどで覆うことも効果があるとされています。また,運動誘発喘息は通常比較的短時間で自然に回復するので,運動中に変調を感じた場合,早めに休みをとれば重症化を防ぐことができます。
運動誘発喘息の薬物による予防には,吸入β2刺激薬(運動20分程度前に吸入すると良い),,抗ロイコトリ工ン薬が有用です。
クロモクリク酸ナトリウムまた,吸入ステロイド薬療法により,喘息のコントロールが保たれれば発作は起こりにくくなります。
吸入ステロイド薬は運動直前に使用しただけでは予防効果を示さない。しかし,吸入ステロイド築療法の継続によって,喘息がコントロールされて気遣過敏性が改善した患者では運動誘発喘息が生じにくくなることが報告されています。
運動前のβ2刺激薬の使用についてはよく主治医と相談してくださいねm(^^)mm