喘息ガイドライン

2008年1月27日記載

 私が喘息ガイドラインの存在を知ったのは1999年ごろでした。実際に手にとって読むことが出来たのは1995年に発表されたWHOの「喘息予防・管理国債指針」の一部でした。続いて冊子として入手できたのは1998年厚生労働省の研究班が出した「喘息予防・管理ガイドライン」でした。これらは私の喘息に関する考え方に大きな影響を及ぼし,喘息重症度分類で自分は症状にかかわらずコントロールにステロイド剤の服用が必要なことから重症に分類されることを知って,ここからの脱出を目指して治療にも理解が深まり積極的に治療に取り組めるようになりました。これまでガイドラインは数回改定されてきました。今回は,2007年に改定された「一般臨床医のための喘息治療ガイドライン2007」を中心に記載します。
参考文献
一般臨床医のための喘息治療ガイドライン2007」  監修:宮本昭正  発行:協和企画
リュウマチ・アレルギー情報センター「ガイドライン」
  http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/02/contents_01.html#1


Drは何を目安に喘息と診断するの?

成人喘息での診断の目安
1.発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復
2.可逆性気流制限:自然にあるいは治療により緩解する。PEF値の日内変動20%以上
  β刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200ml以上増加
3.気道過敏性の更新:アセチルコリン,ヒスタミン,メサコリンに対する気道収縮反応の亢進
4.アトピー素因:環境アレルゲンに対するIgE抗体の存在
5.気道炎症の存在:喀痰,末梢血中の好酸球数の増加,ECP高値,クレオラ体の照明,呼吸中NO濃度上昇
6.鑑別診断疾患の除外:症状が他の心配疾患によらない


喘息治療の目標は?

1.健常人と変わらない日常生活が送れること。正常な発育が保たれること
2.正常に近い肺機能を維持すること
  PEFの変動が予測値の10%以内
  PEFが予測値の80%以上
3.夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと
4.喘息発作がおこらないこと
5.喘息死の回避
6.治療薬による副作用がないこと
7.非可逆的な気道リモデリングへの伸展を防ぐこと


喘息の危険因子

・喘息は個体因子と環境因子が絡み合って喘息を発症する。。
・環境因子は,喘息になりやすい人の発病に影響を与え,すでに発病している人に対しては増悪させる因子となる。
・発症に影響する因子と喘息増悪させる因子はオーバーラップがみられる。
・アレルゲン暴露は,最も重要な喘息の原因とみなされており,すでに喘息を発病した人にとっては喘息増悪の危険因子である。
 喘息の危険因子あぶないよ!
1.個体因子  (2)増悪因子
 ①遺伝子素因  ①アレルゲン 
 ②アレルギー素因   ②大気汚染(屋外・屋内) 
 ③気管支過敏性   ③呼吸器感染症 
 ④性差   ④運動ならびに過換気 
   ⑤喫煙 
2.環境因子  ⑥気象 
 (1)発病因子  ⑦食品・食品添加物 
 ①アレルゲン   ⑧薬物 
 ②ウイルス性呼吸器感染症   ⑨激しい感情表現とストレス 
 ③その他の因子   ⑩刺激物質(煙,臭気,水蒸気など) 
  ⅰ)大気汚染 (屋外・屋内)  ⑪二酸化硫黄 
  ⅱ)喫煙(能動・受動)  ⑫月経 
  ⅲ)食品・食品添加物   ⑬妊娠 
  ⅳ)寄生虫感染   ⑭肥満 
  ⅴ)薬物   ⑮アルコール 
   ⑯過労 
 

さらに続く(工事中)一休みです。


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