変換コマンド

タブ/空白置換 (:expandtab, :unexpandtab)

行単位でタブ←→空白の変換を行います。 vim では set expandtab → :retab などで同様の変換が行えますが、 本エディタでは :retab コマンドは実装していません。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:expandtab [<n>] :exp タブ→空白変換 行 uvw固有
:unexpandtab [<n>] :une 空白→タブ変換 行 uvw固有

コマンド例:

    :%expandtab
    :'<,'>unexpandtab 4

関連パラメータ:

パラメータ 省略形 形式 説明 初期値 備考
ignorequote iq 二値 引用符を通常の文字として扱います。noignorequote でダブルクォート(")、シングルクォート(')、バッククォート(`) で括られた範囲を変換から除外します。 ignorequote
jignorequote jiq 二値 全角引用符を通常の文字として扱います。nojignorequote で全角の引用符「」“”‘’などで括られた範囲を変換から除外します。 jignorequote

全角/半角間の空白調整 (:jspace, :junspace)

行単位の処理で、半角と全角文字の間に空白を挿入/削除するような整形を行います。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:jspace :js 半角と全角の間に空白を挿入します。 行 uvw固有
:junspace :jun 半角と全角の間の空白を削除します。 行 uvw固有

コマンド例:

    :%jspace
    :'<,'>junspace

実行例(禁則文字):

    あいう(えお
    :jspace
    あいう (えお
         ↑↑
         │└ こちらは空白を挿入しない。
         └─ こちらは全角/半角間に空白を挿入する。

関連パラメータ:

パラメータ 省略形 形式 説明 初期値 備考
ignorequote iq 二値 引用符を通常の文字として扱います。noignorequote でダブルクォート(")、シングルクォート(')、バッククォート(`) で括られた範囲を変換から除外します。 ignorequote
jignorequote jiq 二値 全角引用符を通常の文字として扱います。nojignorequote で全角の引用符「」“”‘’などで括られた範囲を変換から除外します。 jignorequote
jspcignore jsi 文字列 :jspace, :junspace で空白の挿入/削除から除外する文字を指定できます。 #$&()-/@[\]^{|}~

全角/半角変換 (:hanzen, :zenhan (:hankaku, :zenkaku))

コマンドでは行単位で、 英字/数字/アスキー記号/カタカナの全角←→半角変換を行います。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:zenhan :ze 全角→半角の変換を行います。(zoption で指定された文字種が対象) 行 uvw固有
:hankaku (全角→)半角への変換を行います。(:zenhan のエイリアス) 行 uvw固有
:hanzen :ha 半角→全角の変換を行います。(zoption で指定された文字種が対象) 行 uvw固有
:zenkaku (半角→)全角への変換を行います。(:hanzen のエイリアス) 行 uvw固有

Visual モードでの選択後に gZ, gH コマンドによって 文字単位、行単位、ブロック単位で変換することも可能になっています。

normal コマンド 説明 変換単位 備考
gH 全角→半角の変換を行います。(zoption で指定された文字種が対象) 文字、行、ブロック uvw固有
gZ 半角→全角の変換を行います。(zoption で指定された文字種が対象) 文字、行、ブロック uvw固有

コマンド例:

    :%zenhan
    :'<,'>hanzen

実行例(英字、数字、アスキー記号を半角に変換)

    :set zoption=7
    ＡＢＣ＃１２３
    :zenhan
    ABC#123

実行例(半角カナを全角に変換)

    :set zoption=8
    ｺﾏﾝﾄﾞ
    :hanzen
    コマンド

関連パラメータ:

パラメータ 省略形 形式 説明 初期値 備考
ignorequote iq 二値 引用符を通常の文字として扱います。noignorequote でダブルクォート(")、シングルクォート(')、バッククォート(`) で括られた範囲を変換から除外します。 ignorequote
jignorequote jiq 二値 全角引用符を通常の文字として扱います。nojignorequote で全角の引用符「」“”‘’などで括られた範囲を変換から除外します。 jignorequote
zoption zopt 数値 半角/全角変換の組み合わせをビットで指定します。デフォルトは 7 で英字、数字、アスキー記号が対象になっています。 0

zoption のフラグ:

    0: 変換なし
    1: 英字を全角/半角変換する。
    2: 数字を全角/半角変換する。
    4: アスキー記号を全角/半角変換する。
    8: カタカナを全角/半角変換する。

    デフォルト値: 7 = 1(英字) + 2(数字) + 4(アスキー記号)

並べ替え (:permutate)

fieldseparator パラメータ指定のセパレータで区切られた要素を 行内で並べ替えを行います。 (awk の print 構文のようなものだと思ってください。)

実際には vim の正規表現 \( \) でも同様のことが出来ますが それを簡単に実行するための機能だと思ってください。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:permutate <str> :perm 行内で要素の並べ替えを行います。 行 uvw固有

コマンド例:

    :%permutate $2 $1 $3
    :'<,'>permutate p3=$3, p2=$2, p1=$1
    :set fieldseparator=\ 
    :set fieldseparator=\\t

実行例(CSV を並び替え)

    :set fieldseparator=,
    ABC,DEF,GHI
    :perm $2,$1,$3
    DEF,ABC,GHI

関連パラメータ:

パラメータ 省略形 形式 説明 初期値 備考
fieldseparator fs 文字列 :permutate コマンドで要素を分割する際のセパレータを指定します。デフォルトは空で、半角空白及びタブ文字がセパレータになっています。 空

行頭/行末空白切り詰め (:trim, :ltrim, :rtrim, :mtrim)

行頭と行末の空白文字を切り詰めます。 普通に :%s/^\s\+// :%s/\s\+$// でも切り詰めできるのですが、 簡略化のためと単純な処理なので正規表現を使うより早くなるので 別コマンドとして実装しています。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:trim :tri 行頭/行末の空白文字を切り詰める。 行 uvw固有
:ltrim :lt 行頭の空白文字を切り詰める。 行 uvw固有
:rtrim :rt 行末の空白文字を切り詰める。 行 uvw固有
:mtrim :mt 行頭以外の連続した空白文字を 1 文字の空白に切り詰める。 行 uvw固有

コマンド例:

    :%trim
    :'<,'>ltrim
    :'<,'>rtrim

連続した空行を一行にまとめ (:uniqblankline)

単なる空行の削除であれば :g/^\s*$/d で出来ますが、 整形の際に空行は空行として 1 行だけは残したい、 というケースに対応するためのコマンドです。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:uniqblankline :uniqbl 連続した空行を一行にまとめる。 複数行 uvw固有

コマンド例:

    :%uniqblankline
    :'<,'>uniqbl

連続した空行を一行にまとめ (:trimblankline)

:uniqblankline の亜種です。空行が複数行連続する場合は 1 行にまとめますが、 空行が 1 行のみだった場合はその空行を削除します。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:trimblankline :trimbl 単一空行を削除し、連続空行を 1 行にまとめる。 複数行 uvw固有

コマンド例:

    :%trimblankline
    :'<,'>trimbl

文字セット置換 (:y///)

sed コマンドの y コマンドを試しに実装してみただけのものです。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:y/<set1>/<set2>/ <set1> の文字を <set2> の同じ位置にある文字に置換します。 行 uvw固有

コマンド例:

    :%y/ABCDE/edcba/
    :'<,'>y/a-z/z-a/
    :'<,'>y/z-a/a-z/

URL エンコード変換 (:urlencode, :urldecode)

URL のエスケープ文字へのエンコード・デコードを行います。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:urlencode :urle URL のエスケープ文字へのエンコードを行います。 行 uvw固有
:urldecode :urld URL のエスケープ文字からのデコードを行います。 行 uvw固有

コマンド例:

    :%urlencode
    :'<,'>urldecode

実行例:

    https://wiki.archlinux.jp/index.php/Vim?rdfrom=https://wiki.archlinux.org/index.php?title=Vim_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E)&redirect=no
    :urldecode
    https://wiki.archlinux.jp/index.php/Vim?rdfrom=https://wiki.archlinux.org/index.php?title=Vim_(日本語)&redirect=no

Unicode 文字変換 (:uniencode, :unidecode)

Unicode コードポイント形式へのエンコード/デコードを行います。 単純に U+xxxxx 等がテキスト中に書かれていた場合に 何の文字かを見るためだけに実装しています。

コマンド 省略形 説明 変換単位 備考
:uniencode :unie 文字を Unicode コードポイント形式に変換します。 行 uvw固有
:unidecode :unid Unicode コードポイント形式を該当する文字に変換します。 行 uvw固有

コマンド例:

    :uniencode
    :%unidecode

実行例:

    U+2603 SNOWMAN
    :unidecode
    ☃ SNOWMAN

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