徳島新報連載  傍目八目(おかめはちもく)」  (→@はこちら

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20130217日号掲載  金が物を言う

 

カネが物言うたら銀行がやかましてしゃあないワ、という漫才があったが、それって原発ムラ周辺では珍しくないのかもしれない。

「原子力規制委員会」が発表した「新安全基準」骨子案を見て、そう思った。

 

メンバーの何人もが、原発業界から寄付金や共同研究費の名目で巨額の「原発マネー」を受け取っており、

そんな面々が臆面もなく電力会社寄りの意見を述べまくるのだから、これはやはり「金が物を言った」としか思えないのだ。

 

震災直後のTVで御用学者たちが、原発事故と放射能漏れを大したことがないかのような発言を繰り返していたのを思い起こす。

今回も、消防車や電源車などの設備強化にさえ、「過大な要求ではないか」と電力会社を露骨に擁護する委員もいたそうだ。

 

「新幹線も断層上を走っているじゃない」といった愚見は、

さすがに真面目な委員から「無責任だ」と批判されたりしたものの、同骨子案が「骨抜き」にされないことを願う。

 

もはや原発マネーの奮発は国民の反発を買うだけだろうが、金に物言わせての新たな「安全神話」づくりだけはもう御免だ。

私も金曜ごとの官邸前行動に呼応して、「原発マネー規制委員会をつくれ〜」と、気勢を上げたい気分。      

 

 

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2013年「新年号」掲載  巳年雑感

 

十二支の中でもヘビは、最も好まれない動物だ。

姿形はそれほど変わらないのに?昨年の竜とは、人気度に大差がある。

あの独特の目や舌や動きが、たいていの人に嫌悪感や恐怖感を与えるのだろう。

 

だから、竜には飛竜や昇竜といった「勢い」を表す言葉が多いのに、蛇には蛇足とか藪蛇とか…まったくいいのがない。

そして極めつけは、「蛇蝎のごとく」。

 

実を言えば、私にとっての「だかつ」は、阿倍自民や橋下維新なのだ。

私の周辺には彼らを好む人なぞ皆無なのに、先の衆院選では、その議席が大きく増えた。

 

最大の要因は、もちろん、四割の得票で八割の議席を得る「小選挙区制」にあり、大手メディアの「世論誘導」にある。

投票日前の「世論調査」報道が氾濫し、無党派層の反乱を抑えた感がある。

 

その種の報道は、蛇道ならぬ邪道で、フランスなど多くの国では禁止されているのだ。

 

国会では、「蛇の道は蛇」とばかりに、増税連合や改憲連合が一時的には幅を利かすかもしれないが、

彼らと国民との間には巨大な竜や蛇みたいな溝が横たわっているのだから、「虚構の多数」は急速に崩れていくはずだ。

 

始めは勢いがあってもすぐに衰えることを「竜頭蛇尾」という。

 

でも、こうやって蛇を悪く書くばかりでは善き年男年女に悪いので、「巳」はミンシュシュギのミと読み替えようか。(三)    

 

 

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20121125日掲載  極悪

 

自縄自縛ならぬ「ドジョウ自爆」みたいな解散劇だった。

バンザ〜イ、バンザ〜イ!の唱和には、いつも違和感を覚えるのだが、今回は特に、民主党議員らのそれは「お手上げ」に見えた。

 

解散前後から、あまたの政党がその手を結んだり振り払ったり…離合集散の動きも激しい。

選挙互助の野合とヤユされつつ、石原慎党と橋下維新もくっついた。

元々この二人は、偉そうな物言いといい超保守・右翼ぶりといい、ソックリさんだったから、予想通りではある。

 

今さら陳腐な「慎軍ラッパ」なんか聞きたくもないが、マスコミの多くは彼らを持ち上げ、安全神話に似た新党幻想を振りまく。

だが「第三極」の本質は、憲法を敵視し消費税増税や原発を推進する、危険極まりない第三自民党そのものなのだ。

 

思うに、「極」って「極悪人」みたいに悪い意味で使われることが多い。

だから「第三極」はきっと、第一・第二の民自公と競いあって、「悪政の極み」を目指すだろう。

 

それは、国民にとっては痛恨の極みになるので、この急造で粗悪な「石・橋」には、乗っても渡ってもいけない。

それは強そうに見えても案外にモロく、すぐに崩落するはずだ。

 

第三極を含む自民党型政治と対極にある、日本共産党の躍進を果たし、ぜひ歓喜のバンザイをしよう。 (三)

 

 

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20120916日掲載  風が吹けば…

 

「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺がある。

砂ぼこりで盲人が増え、生業とする三味線用で猫の皮の需要が増え、猫狩りの結果、鼠が繁殖して桶をかじりまくるから、というわけだ。

 

しかし今の子どもたちには理解できないかも。 すでに三味線に猫の皮は使われていないだろうし、もう桶屋も見かけない。

 

だから現代では、「風が吹けば」と来たら、「オスプレイが落ちる」と続けるのが分かりやすい。

野田内閣の支持率と競ってるわけじゃあるまいに、洗剤の大げさなCMじゃあるまいに、とにかくよく落ちるのだ。

 

「未亡人製造機」との異名は納得できても、墜落を夫の操縦ミスだけで片づけられては未亡人もたまらない。

昨今の墜落も、その原因はすべて「人的ミス」とされ、各地の配備反対運動への恐れもあって、「構造的欠陥」とは日米政府とも決して認めない。

 

だが、編隊飛行で起きる「風」に操縦士が対応できなかったという発表は、「それくらい操縦困難な欠陥機だ」というふうに聞こえる。

 

両翼のプロペラを民主・自民に、胴体を財界・米国に模す漫画を見かけたが、的を射て当を得たものだ。

次の衆院選では「平和・民主主義・革新」の風を巻き起し、「主権財米」の政党や政治家には「風とともに去りぬ」を期待しようか。 

 

 

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20120819日掲載  似たもの同士

 

許されない、許されない、許されない。 期せずして三大新聞の社説で同じ言葉が飛びかった。

これは、共産党など7野党が内閣不信任で合意し、増税法案の雲行きが怪しくなりかけた朝のこと。

 

すわ一大事とばかりに、朝日・毎日・読売が口をそろえて、揺れ動く自民党を叱咤したのだ。

7野党に引きずられて民主・自民・公明の増税=三党合意をご破算にするのは「許されない」というわけだ。

 

本当に許されないのは、反対多数の世論を無視した密室談合こそなのだが、今や大新聞の「偏り」はここまできた。

繰り返し共産党が提案している「増税に頼らない財政再建」については、ほとんど報じず、探求もせず…。

 

財界が最も忌み嫌う「応能負担の原則」なんてとんでもない、「オー、ノー!」ってわけだ。

こんな似た者同士なら、いっそ戦前の大政翼賛会にならい「共同社説」にしたらどうだろう。

そうすれば、時々だがネットで目を通す手間も省ける。

 

ただ、大新聞が懸命に後押しして大増税を強行しても、「近いうちに」国民との矛盾は限界点に達するだろう。

 

「五輪」閉会に続いて、野田内閣ゴリンジュウをと願いたい。 政党や新聞の「談合三兄弟」なんて時代遅れで、もうコリゴリン。

おっと、こんな下手なシャレは「許されない」か。 (三)

 

 

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20120715日掲載  デモでもいかが?

 

60年安保」の時代には、全国でフランスデモというのが盛んだったと聞く。

両手をつないで道路いっぱいに広がって歩く光景は、古いニュース画面で見る限り、なかなか明るくて洒落てるなあと思ったものだ。

しかし、実際には暴力団が「五寸釘付き角棒」で新劇団デモに殴りこむ事件もあったほどだから、決して生易しいものではなかったのだろう。

 

その少し後の世代として、僕たちが参加するようになった「国際反戦デー」などのデモ行進は、手はつながず、道の左側を、「シュプレヒコー〜ル!オー!アンポハンタイ!オキナワカエセ!」みたいなのが普通だった。

 

時代が移って、最近のデモの明るく華やかなこと。

デモ=示威行進というより賑やかな「音楽入りパレード」の雰囲気だ。

学生や労組の「活動家」が中心ではなく、

ファッショナブルな若者、子供づれの主婦など、集会や行進の類に生まれて初めて参加した人たちが多いらしい。

 

特に、毎週金曜夜の首相官邸周辺は大賑わいだ。

NO・NUKES(原発いらない)という文字が踊っているのが嬉しい。

 

願わくば、彼らの気持ちに最も近く寄り添っているのは日本共産党なのだと気付いてほしいし、将来へも様々な「一点共闘」が広がってほしいものだ。 (三)

 

 

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20120527日掲載  子はカスがいい?

 

最近街で見かける乗用車の多くは、大きくてピッカピカだ。 きっとほとんどが新車で洗車回数も多いのだろう。

僕の愛車(中古の軽)の汚れが目立つのは、ただ洗車不精だからかも。

しかし、そんな汚れはどうってことがない。 おなじみの黄砂だってセルフの100円洗車で簡単に落せるのだから。

 

ただ、降り注ぐ風や雨に放射性物質が混じったりし始めたら、ただごとではない。 

先日の共産党演説会で耳にした一節が印象深い。

黄砂が短時間で中国から飛んでくるのだから、伊方原発事故が起きれば四国は瞬時に放射能で汚染される、って。

これは分かりやすくて、新鮮な?恐怖だった。 その飛散は、まさに悲惨。 ホコリ高き高級車は何台あっても台無しなのだ。

 

せっかく「子どもの日」以来、原発稼動ゼロ状態が続いているのだから、このまま廃炉へ進みたいものだが、

政府と財界を筆頭にした再稼動派とのせめぎあいが続く。

酷いのは、ストレステストの中心メンバーが原発製造元の三菱重工などだってこと。

 

正直者ではない「生みの親」が「子」の安全評価をするなんて、理不尽に過ぎる。

負うた子に教えられ道を正すのならいいが、この「子」はかなり危険だし、人知で制御できない問題児なのだ。

「出来の悪い炉ほどかわいい」なんて、決して言わせまい。 (三)

 

 

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20120422日掲載  見たくない橋下劇場

 

TVの連続ドラマは、よく初回は見るのだが、持続しない。 NHKで放映中の『平清盛』も例外ではなかった。

 

もちろんそれらの人や時代には人並み以上の関心があるのに、見続けることができないのは、たぶん脚本や役者のせいではなく、もっぱら個人的な根気の無さゆえだろう。

 

「連続ドラマ」といえば、大阪が舞台の市長出演の独裁劇は最悪。

彼の顔は見たくないし声も聞きたくないのに、無批判で日夜たれ流すマスコミにはウンザリする。

 

この小器用な役者は図に乗って、思想調査を強行したり、「君が代」斉唱を強制したり、やりたい放題。

彼の友人の学校長が斉唱口元チェックをしたり、マスクを禁止したり、笑えない笑い話も枚挙にいとまがない。

なのに正面から批判する政党が共産党だけというのは情けない。

 

原発再稼動に執着する民主党政権は打倒しよう!みたいな一般受けする発言までし始めたが、

功利的な「機を見るに敏」そのものの彼が口にすると、僕なんかは眉にたっぷり唾をつけたくなる。

 

自民党をぶっ壊すと絶叫しながら、極度の「米国と財界いいなり」で「雇用と福祉の大破壊」をやった小泉元首相の空疎な言動と、見事なまでに重なるからだ。

平清盛は「衣の下にヨロイ」で知られたが、「橋の下」のそれにも要警戒。 (三)

 

 

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20120325日掲載  『静かな落日』

大阪では職員への「思想調査」、名古屋では「南京大虐殺」否定発言、徳島では税金浪費の開発計画…。

各地で市民の幸福など眼中に無い市長が、阿波弁で言うと、「あばさかって」いる。

 

だからコラムの題材には事欠かないのだが、今回は、どうしても「必見の舞台」を御紹介したい。

市長選を挟んで鳴門・徳島で上演される、劇団民藝の『静かな落日』だ。

 

戦後間もなく労働運動が大きな盛り上がりを見せた頃、「国鉄」で奇奇怪怪の事件が連続する。

「下山」国鉄総裁れき死、「三鷹」駅で無人列車暴走、「松川」駅でも客車転覆…

 

その時代背景と謀略性は、松本清張らの著作に詳しいが、共産党や労組への弾圧に巧みに利用されたのだった。

 

今回の舞台では、無実の人々を死刑台から生還させた「松川」の勝利と、後半生をかけて裁判支援した作家・広津和郎の熱血が描かれる。

 

堅苦しくならず、娯楽性に富む傑作になったのは、

広津が聖人君子や石部金吉ではなく、けっこう遊び好きで、自由気ままで、人間性が豊かだったからだろう。

伊藤孝雄さんと樫山文枝さんの「父娘」のやりとりにハラハラさせられ笑わせられ、終幕ではジワ〜っと感動の涙がにじみ出る。

 

こんなええ芝居が、市民劇場で「あるでないで」。 親しい人と共に、今月からぜひ入会を。(三)

 

 

 

 


20111225日掲載  新年を前に

 

いよいよ今年も押し詰まってきた。 そろそろ年賀状を作らねば、と思う。

 

早くに郵便局に勤める若い友人から買ったのだが、聞けば彼らには「販売推進目標」という名のノルマがあって、

日夜、年賀はがき売りに駆り立てられてるそうだ。 全然、気が乗るまいに…。

 

先週の「しんぶん赤旗日曜版」が郵便事業会社の内部資料を暴露していた。

課長代理の一万六千枚から非正規職員四千枚まで、再雇用者でも七千枚。 自分がその立場だと思えばゾッとする。

 

先日も、飲み屋のママさんが嘆いていた。 毎年毎年、郵便局勤めの客から大量に頼まれるって。

その彼らだって、何十万円か自腹を切って買い取り、

親類縁者や知人友人に泣きつき、残った分は「格安」で金券ショップへ持ち込むのだという。

 

何年も前に東京・新宿で40円台の年賀状に驚いたが、数日前には徳島・新町橋近くの店でも見かけた。

「安売り競争」が全国に広がってるのだろう。

その陰に、ストレスいっぱいの郵便局員がどれだけいることか。気の毒でならない。

 

さて、新年の干支は辰。辰年だけに、悪政を「断つ」年にしたいものだ。 合言葉は、原発をタツ、増税をタツ。

そのために日本共産党からは次の衆院選で、全選挙区に候補者が立つ。   (三)

 

 

20111127日掲載  埋蔵金

 

超長寿番組の『水戸黄門』が今年いっぱいで打ち切りになる。

お笑いバラエティと比べて、制作費がかかるわりに視聴率がそう高くはないからだろう。

 

時代劇は激減する一方だが、国会ではしばしば時代がかった言葉が飛び交う。 「埋蔵金」もその一つ。

埋蔵金といえば徳川や豊臣のそれが有名で、他にも無数のまことしやかな黄金伝説が各地にある。

 

しかし、今最も注目されているのは、日本共産党が「発掘」しようとしている「原発埋蔵金」。

といっても、危険な原発の下に金銀財宝が眠ってるわけじゃない。

電力業界の各種積立金のことを、そう呼んでいるのだ。

 

使用済み核燃料の再処理費用や解体費用の積み立てがすでに5兆円を越え、行く行くは19兆円にもなるらしい。

更には、原子炉メーカーやゼネコン、大銀行などの「原発ムラ」の内部留保も合計80兆円というから驚く。

それだって、もう一つの原発埋蔵金と言えるかも…。

 

事故責任ある彼らに法的に協力させて政府基金を創り、被災者への補償、除染、廃炉に活用せよと、共産党が提案している。

理にかなっていると思う。

 

安全神話で大儲けしてきた業界は、今こそ千両でも万両でも埋蔵金を拠出すべきなのだ。

出すのが「線量万量」だけでは、水戸黄門もあきれ逃げていく。(三)

 

 

20111023日掲載  見上げてごらん…

 

 先日、東京・世田谷で福島・大館村を上回る高い放射線量が検出され、ドキッとした。

結局、例の原発事故とは無関係らしいと発表されたが、ホッとしてはいられない。

 

「ホットスポット」と呼ばれる局所的で危険な地点が、全国にあまた有ると思われるからだ。

現に世田谷騒動の直後にも横浜や千葉の公園などで高濃度の放射線が検出された…。

 

放射能の遠方への飛散が心配で空を見上げてたら、どこかから「ソラ見たことか」という声が聞こえてきそうだ。

放射能は字面どおりに放射状に広がるわけでない。

風や雨と共に、思いがけない所にまで届くのだから、半径何十キロといった「同心円」に説得力は無い。

 

余命四十年?もない僕たち団塊世代は、

酒席などでよく「九十歳を越えたらガンになってもええわ」なんて軽口をたたくが、そんな冗談、冗談じゃない。

 

もちろん、乳幼児や妊婦には特に怖いので、子や孫がいれば誰でも原発の無い地へ住まわせたいと思うはず。

 

古代中国・杞の国の人のように「空が落ちてくる」のを心配することはないが、

現代日本の空から放射能が降り注ぐというのは、決して「杞憂」とはいえない。

 

期限を定めて「原発ゼロ」へ向かわねば、いつかまた新たなフクシマが…。 そんな未来は、空恐ろしい。 (三)

 

 

20110925日掲載  砂上のドジョウ

 

幻想をふりまいた政権交代から丸二年。

丸でダメだったことが明らかになり、民主党支持者「だった」人からの叱正むなしく、

失政への不満と不安が「収束せずに拡散」し続ける今日このごろ。

 

しかし、何が何でも政権を手放したくなくて、三代目首相もまた自民・公明に、秋波を送り続けているノダが、

マニフェスト骨抜きの「財界・米国直結政治」では、日々国民との矛盾を拡げていくしかないノダ。

 

普天間の米軍基地は最低でも県外へ移設します、政権担当期間中は消費税を上げません、後期高齢者医療制度は廃止です…

などの公約すべてが雲散霧消。そんな政党では、もうダメなノダ。

 

話変わるが、先日の上京観劇で、また日本共産党の市田書記局長とお会いした。

二年前にも、別の劇場で記念撮影をお願いしたことがある。

超多忙な市田さんが、「忙中閑」で演劇文化を愛好する姿に感銘を受けたものだ。

 

首相にも、経団連に足繁く通うかわりに、時には芸術鑑賞をお勧めしたい。

そうすれば、体型じゃなく人間としての幅が広がり、奥が深くなるだろうにと思うノダ。

 

やはり財界・米国へのイエスマンには、国民はノーだ。

この内閣もまた、ドジョウならぬ砂上の「土城」で、早晩、崩落することだろう。 (三)

 

 

20110828日掲載  オンリー・ワン

 

 何でもトップになるのは大変だが、近頃はナンバーワンより「オンリーワン」への共感が大きいようだ。

それが「ただ一つ」という意味ならば、日本の政党では共産党こそが正にあてはまる。

 

徳島でも、原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を、県委員長と県議団が四国電力と県に強く申し入れたが、

そういうふうに政府や大企業や自治体に堂々と要求できる政党は、唯一無二。

ヒモ付きの企業・団体献金と無縁なのは、ひとり共産党だけだからだ。  

 

また、被災地への救援募金を9億円近くも届け続けたり、全国各地から復旧ボランティアに加わる政党も、他には無い。

 

さらには、年に何百億円もの税金を山分けするような「政党助成金」の受け取りを拒否してきたのも、共産党だけなのだ。

 

常に国民の側に立ち、悪政からの防波堤たらんと献身的な活動を続ける姿は、頼りがいがあって清清しい。

マスコミがあまり報じないその姿を知るならば、支持者ならずとも強い感銘を受けるはずだ。

 

まさに、「オンリーワン」の面目躍如。

 

その昔の自民党の教科書で、戦争に唯一反対した政党として「共産党には道徳的権威があった」と記されたとおりに、

今もこれからも正義の「オンリーワン」であり続けることだろう。(三)

 

 

20110724日掲載  ストレス・テスト

 

 机をたたくから「ドン」と呼ばれるのだろうか。

財界人や議員でこういう「偉そうな」タイプを時々見かける。

 

全国の原発のストレステスト(耐性試験)が実施されることになり、

早期再起動という思惑が外れた財界のドン=経団連会長が「激怒」したと、先日報道された。

その怒りようといったら、物議をかもした前復興大臣も顔負けだ。机ドンドンだもんね。

 

しかし、フレームダック・菅首相の思いつき程度のテストだから、これはきっと大したものにはなるまい。

下手すると原発の「再出発切符」とか「免罪符」にされかねない。

 

EUでのそれなんかは、かなり基準が厳しくて、大地震や大津波はもちろん、航空機墜落まで想定に入れているらしいが、

それなら日本でも、

被災地の上空さえ、いや低空をも我が物顔に飛び回っている米軍機の墜落なども、ぜひ想定に加えてほしいくらいだ。

 

原発が放射能を、ドンが「海外移転」の脅し文句を吐き続けているが、

もし「ヤラセ」ができなくなれば、彼らにはヤルセないストレスが溜まり続けることだろう。

 

そして最新事故の福井を含む原発停止がそのまま廃炉まで進めば、

大半の国民はきっと机を…じゃない、手をたたくはずだ。歓喜の拍手がドンドン広がっていくことを願う。

 

 

 


20110626日掲載  腹も立たせる条例

 

天皇様の御世が千年も万年も続きますように…という意味だと、子供たちに教えられるのだろうか。

それとも、何も疑問を持たずに歌えばいいと指導するのだろうか。

どちらも、憲法や「民主主義」とは相容れない。 絶えず物議をかもしている「君が代」のことだ。

 

冒頭の二文字を将軍に変えたら北朝鮮になるなあ、という的外れな?感想はさておき、

「君が代」斉唱や起立は、強制すべきものではないだろう。

 

国歌として認めるかどうか、の問題でもない。

互いの思想信条は認め合おう、押し付けは止めよう、ということなのだ。

だから、「国歌・国旗法」が作られた時にも、小渕総理らは「決して強制はしない」と繰り返すほかなかったではないか。

 

なのに先日、大阪府議会では、橋下知事が率いる「維新の会」が多数の力で、公約にも無かった「強制条例」を可決した。

さらに秋に向けて、「従わなければクビにする」条例さえも準備中だとか。

 

あの知事は、まさか自分を大坂の将軍様と思ってるわけじゃなかろうが、「維新」どころか過信と慢心ばかりが見える。

議会を、大政ならぬ大坂翼賛会にしてはならない。

 

早晩、府民から見て「不信の会」になるだろうから、渦中の教職員を支えて粘り強く闘いたい。

起立条例には腹が立つ、しかし、こちら側の腹も据わったはず。 (三)

 

 

 


20110522日掲載  あるべき姿

 

犯罪的な原発事故を招いた東京電力では、幹部役員が報酬を半減するとか。

それでも年収は3千6百万というから、大企業ってやっぱりすごい。

しかし思うに、それって結局会社の経費節減になるだけだろう。 

 

私財がっさい、被災地へ供出するほどの責任があるのではないかなあ。

多くの芸能人やスポーツ選手の高額募金がマスコミを賑わすが、「資本家」や「資産家」のみなさんからのはマレだ。

 

政党では、日本共産党が6億円超を集めるなど、規模と行動力において群を抜く。

他の党は、それどころか、平然と政党助成金を受け取る始末…。

 

TVニュースに、救援ボランティア活動に打ち込む党員の「赤い腕章」が映ることは、まずあるまい。

しかし、その献身性は歴史でも試されずみで、いつの時代も「国民の苦難に寄り添う党」としての面目躍如なのだ。

 

国会でも、原発追及において、また復興財源に関して、議場を圧する党の提言は当を得て、的を射ている。

しかし首相らが、「思いやり予算」を含む軍事費や不要不急の「内部留保」に切り込むことができるかについては、

残念だが期待薄だろう。

 

おりしも国技館では「技量審査場所」の千秋楽を迎えようとしているが、

そういう土俵には上がりたくないというのが彼らの本音かも。 (三)

 

 

 


20110424日掲載 「神話」は好きだが…

 

「神話」が好きだった。

ギリシャから日本のものまで、「SFファンタジー」として読みふけったものだ。

神話が題材の映画も殆どすべて見てきた。 中でも『アルゴ検隊の大冒険』や『タイタンの戦い』は何度も。

 

神々の親分ゼウス、息子タイタン、天馬ペガサス、怪物クラーケン、骸骨戦士…懐かしいキャラたちだ。

英雄ペルセウスが退治する、髪の毛が蛇の魔女メドゥーサは不気味だったなあ。

 

翻って『日本誕生』では、イザナギ・イザナミの国生みから始まり、大和朝廷確立までを描いていたから、

天皇制の権威付けという意図があったのかもしれない。

しかし、僕ら子どもは単純に「英雄たちの怪物退治」に血湧き、肉躍ったものだ。

 

今思うに、あれら怪物たちは大災害の象徴で、それを克服したいと願う庶民たちの願望から生まれた話ではなかろうか。

とすれば、原発は現代のヤマタノオロチだろう。 福島原発なんて、さしづめ頭が六つある怪物だ。

 

だが、それの片が付いたとしても、

まだ日本には50頭もがウジャウジャいて、もはやこれを退治するのは、一人の英雄では手に負えない。

 

国民多数の英知を集めて、知恵の出ない「もんじゅ」なんかも無くさねばならない。

神話が好きでも、「安全神話」は別。 (三)

 

 

 


20110327日掲載 暴言・放言お断り

 

地下鉄サリンの現場にいたのは事件前日だったけど、今回の地震には高田馬場駅でモロに遭遇した。

午後三時前。 未経験ながら、「キングコング」に捕まれ揺さぶられているような不気味さだった。

続いて都内での余震も十回は体験し、津波のTV映像に戦慄した。

 

だが今は、地震は避けられないのだから無闇に恐れても仕方ない、

本当に怖いのは揺れが過ぎてからの津波や火災や「混乱」なのだ、と思っている。

 

今回は、その上に原発事故が加わったのだから史上最悪だ。

直後に、東京都知事が、惨状を評して「天罰だ」という暴言を吐いたのには呆れ驚いた。

近い知事選に響くからか、彼には珍しく早々と陳謝して、一件落着の模様。

 

しかし次には、経団連の会長が口を滑らせた。 地震に耐えている原発は素晴らしい、との賛辞だ。

推進派の自民党の総裁さえ、「見直し」を口にしなけらばならないほどの惨事なのに…。

 

関東大震災の時のような、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」みたいな流言蜚語はさすがに見あたらないが、

生傷に塩をすりこむような、心ない放言は厳に謹んでもらいたい。

 

関係ないけど、都庁アンケートでは8割が「石原再出馬」反対だって。

でも足許の職員にこれだけ忌み嫌われている知事って、他にもいるような…。 (三)

 

 


20110227日掲載 義民の怒りを

 

  PTAとは間違わないだろうが、ついPTTと言いそうになる。

そんな時は、「ただでさえピーピーなのに…」とつぶやいて、TPPに怒りをぶつけよう。

その強行を許せば、プロの農家はすべて消えてしまうかワーキングプアになるしかない。

 

今でさえ、年収二百万円以下の「働く貧困層」は、国税庁の調査で一千万人を超えてるそうだ。

その原因は明々白々。 働けど働けど、収入が減り続けて楽にならざり我が暮らし…。

 

落胆してじっと手を見てるところに追い討ちをかけるのが、高すぎる国保料だ。

徳島市では、例えば年収三百万円の四人家族からさえ五十万円もむしり取る。

 

江戸時代の庄屋だった私の御先祖様は、村人の年貢軽減を直訴した直後に暗殺された。

今の世でも、鉄砲や槍で殺されはしないものの、なかなか「民の声」は行政に届かない。

 

つい最近にも、「国保軽減」を請願する二万四千名もの署名を問答無用とばかりに門前払い。

共産党議員が財源まで示して採択を促しても、ノラリクラリと拒否する市長と、オール与党の議員たち。

 

彼らの姿は、昔の冷たい領主や悪代官一味とダブってくる。

憤怒しつつ、義民の代表といえる候補者と手を携えて、「命と暮らしを守れ」と求め続けたい。

春の統一地方選は目前だ。(三)

 

 


20110116日掲載 カンの字

昨年を代表する漢字に選ばれたのは「暑」だった。 しかし冬将軍が猛威を奮う時期だけに、多くの実感は「寒」。

年が明けても寒くて冷たい政治が続く。 だから、「寒の入り」より先に世論はとっくに「菅ばなれ」。

もう国民はカンカンだ。

 

菅首相の「指導力の無さ」が世論で突かれ、自民党からさえスッカラカンとののしられ、

そういう批判に反発するかのように、首相は新年早々から、強気のポーズ。

 

農林漁業を壊滅させ食料自給率を10%そこそこまで激減させる「TPP」と、

法人税引き下げの穴埋めに使う「消費税増」とを6月までに決めるとか、それに政治生命をかけるとか言い出した。

 

これさえやれば、財界や米国の覚えめでたく、野党の歓心を買えると思い込んでいるのだろう。  

 

そこには国民のコの字も無く、以前「支持率が1%になっても辞めない」と強弁していたのもうなづける。

この殊勝でない首相は、「有害実行内閣」の本領を発揮し、まさに「最大不幸社会」をめざしてるかのようだ。

 

マニフェスト見直しも公言したし、ウサギ年なのにサギの年かとカン違いしそう。

「暑」や「熱」はともかく、喉元過ぎても…忘れてはならないものがある。 それがまず試されるのが、春の統一地方選。 (三)

 

 


20101211日掲載 結構じゃない日航

 

「未年金」の身ながら、やりくりして時々「上京観劇」を楽しんでいる。

そのついでに日光へ足を延ばして、例の「三猿」と修学旅行以来の再会をしたいのだが、なかなか実現しない。

 

かたや政治の世界では、菅民主党が早々とそれを体現して、

国民の苦難を「見ざる」、 怨嗟の声を「聞かざる」、 財界や米国にはモノを「言わざる」。 困ったもんだ。

 

困ったもんだと思うもう一つは、私も上京によく使うJALのこと。

「再建」を口実に、多くのベテラン乗務員らを「整理解雇」しようとしているのだ。 もちろん機体整備員もその対象。

 

すでに退職希望者が目標を大きく超えているのに、「この際だ、邪魔者は切ってしまえ」とばかりに、非情・強引なのだ。

日航破綻は、不必要なジャンボ機大量購入などの放漫経営や、米国に何も「言わざる」航空行政が根本原因なのに、

そこを「見ざる」まま、「空の安全」に絶対不可欠な人員まで削りまくるのは言語道断。 空恐ろしい。 

 

命を削るカンナ音。 そんなのは誰も聞きたくないし、利用者の一人としても容認できない。

今後JALに乗るたびに事故の危険性増大を慮るなんて嫌なことだ。

 

「日光を見ずして結構と言うなかれ」は分かるが、今の日航を見て結構とは誰も言えないだろう。 (三)

 

 


20101010日掲載 禁煙のコツ

 

何年か前に市民劇場で『煙が目にしみる』という喜劇を観た。 それを思い出したのは、今月からタバコが上がったからだ。

愛煙家には、さぞかし大幅値上げが「身にしみる」ことだろう。 

 

賢明な読者には、喫煙者がほとんどいないだろうが、実は筆者も昨年まで「時代遅れ」の一員だった。

社会人になってからの初デートや飲み会で格好つけて「ハイライト」を吸い始めたのが、常習のきっかけだったと思うが、

いつの間にか、毎日「ロンピー」一箱ペースに…。 たいていが、そんなものなんだろう。

 

以来、人から「煙たがられた」覚えこそ無いものの、喫煙歴は42年。

幾たびかの禁煙挑戦も、最長で一ヶ月だった。ところが昨年、「定年退職記念」に思いつきで始めたら、あっさり成功したのだ。

さあ、成就のコツを伝授しよう。

 

大事なのは「禁欲」的にならないこと。吸いたくなったら我慢せずに火をつけ、口いっぱいに吸い込めばいい。

ただし、その煙はノドや肺まで入れずに、しばらく含んで吐き出すこと。

これだと全然美味くなくて、繰り返すたびに、吸いたい気持ちが薄れていくのである…。

 

以上は、禁煙学会で発表するほどではないが、本気でマジメな体験談。煙に巻くような話で、すいません。  (三)

 

 


20100725日掲載 侃々(かんかん)諤々(がくがく)

 

参院選直後、徳島新聞に載った世論調査に大きな違和感を覚えた。

消費増税に過半数が賛成、との見出し。

菅首相の増税発言で民主党が文字通り「菅敗(かんぱい)」した直後なのに、賛成派が多いはずはないと、瞬間的に思った。

やはり設問がおかしかった。 「財政再建や社会保障のための」増税をどう思うか、だって…。

 

このままではギリシャのように破綻するぞとか、

消費税は福祉や年金に使いますとかの大ウソが流され続けてきたのだから、

先のような前置きだと52%の増税賛成があっても不思議ではない。

 

逆に、「大企業や資産家減税のための」増税について賛否を問えば、99%が反対と出るはずだ。

 

この悪税は、出自や実績を知るほどに、カンにさわって反対者が増えていく。

だから諸党は、あの手この手の目くらましを繰り出すのだ。 「先に無駄の一掃」とか「今は断固反対」とか…。

 

あまりに威勢がいいので、「みんなの党」なども「みんなノー」と思ってたら、騙される。

廃止をめざす日本共産党以外は、「近い将来の税率10%以上」では共通しているのだから。

 

後日の別の世論調査では、どれもやはり増税反対が多数派だ。

話せば話すほど「カンカン・ガクガク」になるのは目に見えている。 菅内閣の足腰も弱いことだし…。 (三)

 

 

20100627日掲載 菅氏は豹変す

 

「君子豹変」という四字熟語がある。

元々は、豹の毛が季節によって美しく生え変わるように、非を改めて良い方向へ変わるということだったのが、

今では、変節によって前言を翻したり、相手によって態度を急変させたりの、悪い意味に使われることが多い。

 

もちろん、菅首相は後者に類する。 

野党時代と180度もの発言のブレが目につくのだ。 一例が、沖縄の基地。

 

「海兵隊は攻める部隊で抑止力とは関係ない」とか、「海兵隊は即座に米国内に戻ってもらって」などと語っていた。

選挙目当てであったとしても、「真っ当」な発言ではあった。

 

しかし、七夕前のタナボタで、首相になった途端、

「在日米軍の抑止力は極めて重要」で、「政治家の発言が変わるのは当然」だと、開き直った。

「勉強して抑止力だとわかった」と豹変した前総理の、ずっと次席だっただけのことはある。

 

そんな「米国追従」とくれば、私はいつも、小泉元首相の自嘲気味のジョークを思い出す。

「英国首相がプードルで私はポチ」と、彼は言った…。 

 

かように自民も民主も五十歩百歩で、米国や財界に臆せずモノを言えるのは、今や日本共産党だけなのだ。

これはもう、参院選で必ず躍進しなくっちゃ。

W杯にならい、アンフェアな「菅氏豹変」や「主権財米」に、レッドカードを突きつけねば。 (三)

 

 

 


20100523日掲載 「CGJ!」と墓地

 

9万人超結集の沖縄県民大会に続いて、

日本共産党の志位委員長が、ニューヨークでの核不拡散条約(NPT)再検討会議に出席した。

どちらも、政党党首で参加したのは志位さんだけだった。

 

芸能人の離婚を伝えても、そういうことは報道しないのが日本のマスコミの常。 

しかし、八面六臂の活躍ぶりに、ネットで流行った「CGJ!」を思い出した。 志位、グッドジョブ(よくやった)。

 

Cは、共産党=コミュニスト・パーティーの頭文字でもあるので、これからもCGJ!と口ずさむ人を増やしたいものだ。

 

とにかく、日本外交を一手に引き受けた感があって、

NPT議長はじめ各国の代表や議員らと精力的に会談し、核兵器廃絶への流れに力強く棹をさした。

 

さらに米国務省での会談では、

普天間基地「無条件撤去」の国民的願いや、真の日米友好をめざす党の立場を、米政府に真正面から伝えたのだ。

首相や外相の外交、かくあるべし。

 

なのに同じ頃、鳩山さんらは、

かつての自民党政府さえボツにした「くい打ち桟橋方式」をボソボソ持ち出して、沖縄の怒りをかきたてていた。

最近私には、基地の「基」が、八方(ふさ)がりの「塞」とか、「墓」に見えてしょうがない。

内閣の命取りになりそうなので、基地が墓地に見えてもおかしくはないんだけど。 (三)

 

 

 


20100418日掲載予定 「新党」滅却すれば…

 

 遠くで光っては消え、その後しばらくして音がかすかに聞こえる冬の花火。

昨今の「新党」ってそんな弱弱しい感じを受けるのがほとんど。

 

先日自民党を離党した元大臣らの新党も、ご多分にもれず新鮮味はまったくなくて、

TVで、アラフォーならぬアラコキ党だなんてヤユされていた。

 

40代前後を、アラウンド・フォーティー略してアラフォーと呼び、還暦世代はアラカンというのだ。

これは、嵐寛寿郎を知ってる最後の世代という意味もあるらしい。

 

その伝で、「古希」世代だからアラコキと言ったのだろうが、ちとわかりにくい。

彼らの新党が万一10数年もてば、「米寿」でアラベイと呼ぶのだろうか。

いやいや、若い政治家でも、米国追随ばかりしてたらアラベイだ。

 

そんな取りとめも無いことを考えてたら、新党名が発表された。

「たちあがれ日本」だって。思わず吹き出した。

当人たちの表情を見てもあまり気に入ってるふうでなかったが、石原都知事に命名を頼んだそうだから、変えるわけにいくまい。

 

ここはひとつ「立ち上がれ日本共産党、立ち上がれ国民」と読み変えるのも一興かも。

いずれにしろ過去の離合集散どおり、国民の要求に根ざさない党は、早晩消え去ると思う。

浸透せず「新党滅却」だろう。  (三)

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20100227日掲載予定 賭博場反対

 

香川の友人が丸亀や鳴門の競艇場までちょくちょく通っていたが、私は今まで馬券も舟券も車券も買ったことがない。

未だに「複式・単式」とかも「簿記」しか知らない。

 

無知な?私がどうであれ、昔の「男の三悪」のひとつ「博打」という言葉なんか、もう死語になりかけてる時代だ。

なのに、新たな「公営ギャンブル場」の計画が飛び出して、大いなる物議をかもしている。

 

一つは、沖州「サテライト」。もう一つは、仲之町「ミニボートピア」。

片仮名で洒落た装いが売りだが、「賭博場」であることに違いはない。

 

全国の競輪や競艇の中継施設を備え、誰でも手軽に券が買える。

一日に一人一万円以上、数百万円の売り上げを見込み、

その寺銭(これも死語だが…)を、役所と業者で山分けしようというのだから、子どもの教育には最悪だ。

 

だからか、丸亀や東大坂の「場外券売り場」計画は、PTAや住民の圧倒的反対で頓挫した。

健全な娯楽や文化での町起こしならいいが、「博打街」にはなりたくないということだろう。

渋滞・事故・騒音・風紀の乱れ…。何一ついいことがないのだから、当然だ。

 

でもまだ徳島では、市長が反対表明するまで「せめぎあい」が続く。

自転車が好きな私も「ボートしては」いられない。 (三)

 

 

20091227日掲載 可視化

 

今年もまた毎月のように上京して数10本の観劇を楽しんできた。

しかし、灯台下暗し、徳島市民劇場の例会だった前進座の『銃口』と、

和歌山演劇鑑賞会で観させてもらった民藝の『静かな落日』とが、今年の僕のベスト2。

 

『銃口』では、思想弾圧に遭う青年教師の挫折と再出発に感動し、

『静かな落日』では「松川事件」支援に奔走する作家の反骨精神に感銘を受けた。

 

前者の「時代を見る眼を持て」という恩師の言葉と、後者の「真実を見抜く眼」というテーマが、

僕の中でぴったり重なるのは、両方の舞台に警察の過酷な取調べによる「でっちあげ=冤罪」が登場するからだろう。

 

冤罪と言えば、徳島では富士茂子さんの「ラジオ商事件」が有名だが、

最近でも菅家さんの足利事件、先日再審が決定されたばかりの布川事件など、後を絶たない。

その元凶は、密室での「自白」偏重の取調べだ。早朝から深夜にわたる責め苦を、被害者が度々証言している。

 

だからやはり、日本弁護士会や国民救援会が求め続けているとおり、取調べのすべてを録画すべきと思う。

全面的に「可視化」されたら、冤罪は「目に見えて」減るに違いない。

そうなれば先のような芝居も生まれないのだけど、それでいいのだ。 (三)

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20091115日掲載 ♪沖縄を返せ〜♪

 

♪固き土を破りて〜民族の怒りに燃ゆる島、沖縄よ〜♪というフレーズが、団塊世代以上ならすぐ口に出るだろう。

三池の労働者作曲家、荒木栄の「ヒット曲」の一つだ。

沖縄は、72年に本土復帰したものの、広大な米軍基地が居座り続け、ベトナムやイラクへの出撃拠点となってきた。

 

♪黒い殺人機が今日もまた〜♪、危険な離着陸を繰り返している。 新政権ができた今また、沖縄は、重要な岐路に立たされているのだ。

 

老朽化した普天間基地を閉鎖し、辺野古に最新基地をつくるという「移設」合意がなされて13年。

しかし県民は、将来に悔いは残さじと工事の杭一本打たさせずにきた。 座り込みテント村は、先月に二千日を越えたとか。敬服する。

 

民主党は、選挙前には国外への移設をたびたび口にしていたのに、最近の「弱腰」は目を覆いたくなるほど。

「本腰」を入れて米国と正面から交渉すれば、世論は必ず支持してくれて道が開けるだろうに…。

 

鳩山さんにはTVの太田総理を見習ってほしいほど。 

彼は、「アメリカに今後1円も払いません。米軍には出て行ってもらいます」だって。 

 

世界には外交によって外国の基地を撤去した例はいくつもある。 

私たちも、あの歌がもう歌われない時代に早くしたいものだ。 ♪沖縄を返せ〜沖縄を返せ〜♪ (三)

 

 

 


20091011日掲載 無駄な工事はコリゴリン

 

東京が五輪レースで敗れた。 最後の?仕事と張り切っていた石原都知事も、さぞかし落胆したことだろう。

招致できないなんて承知できない!なんて側近に当り散らし、「もう五輪はコリゴリン」なんて思ってるかも…。

 

今回の東京誘致には当初から異議異論が噴出していた。 IOCの調査でも日本国民の4割以上が反対だった。

「孫たちに夢と勇気を与えたい」とかの美辞麗句の裏を、国民の多くは見透かしていたのだろう。

 

もちろん五輪そのものに罪は無く、平和の象徴として発展してほしいが、

昔のヒトラー・ドイツが国威発揚に利用したことなどを僕は嫌悪するし、

今回のような「福祉切り捨て、大工事ありき」の五輪利用には納得がいかなかった。

 

すでに、誘致費用に150億円以上浪費したそうだが、そこでストップされて良かったのだ。

いまや無駄遣いの象徴ともなっている「ハッ場ダム」についても同じことが言える。

すでに予算の半分以上を使ってるのだから続行すべきと推進派が叫ぶが、考えてほしい。

事業費は必ず膨れ上がり、二倍を越えることさえ多々あるのだ。

 

膨大な赤字を生む盲進でなく毅然と撤退することこそが賢明で勇気ある決断なのだ。

そう、それは効果の薄い徳島の「鉄道高架化」にもいえること。  (三)

 

 

 


20090816日掲載 是々(ぜぜ)非々(ひひ)

 

同じ言葉でも、使う人によってずいぶん中味と雰囲気が変わるものだ。

その昔、民社党という政党があった。

党是を「是々非々」としており、私は、その四字熟語に惹かれた。

「美しい十代」で片田舎の「高校三年生」は、

「正しい事は正しい、良くない事は良くないと公正に判断する」という「道理」を好ましく感じたのだ。

 

しかし、「十七才のこの胸に」、民社党などの執拗な反共攻撃は、「品のなさ」や違和感を覚えさせた。

対して、浴びせられる悪罵に毅然と反論する「日本共産党」の姿は輝いて見えた。

その党に純朴な私が興味や関心を強めていくのは、青年期の必然だったろうと思う。

 

時代が移り、エセ「是々非々」だった民社党はとっくに消滅し、そのDNAは自民党や民主党に残滓があるのだが、

いよいよ自公政権の終焉が迫る今、真の「是々非々」が戻ってきたことを喜びたい。

二十歳から支持してきた共産党が、政権交代後の「建設的野党」宣言をした。

 

国民の幸せにつながる政策の実現をリードし、悪政の防波堤になる決意を表明しているのだ。

迫りくる総選挙に向けて、いっそう発奮しよう。

相手は今や、「ゼ―ぜーヒーヒー」なのだから。  (三)

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20090712日掲載 祖父母と孫たち

 

同窓生に元東大総長・南原繁さんがいる。

なんて書くのはおこがましいが、先生は香川・三本松高校出身で、65周年式典での記念講演を在学中に聞いたことがある。

後に政治への関心ができて知ったのだが、

戦後の講和条約論争で時の吉田茂首相から「曲学阿世の徒」との悪罵を投げつけられた、というのは有名な話だ。

 

そんな先生も、「宿敵」の孫が国民の信なきままに首相を続けているのを見たら、あきれ果てることだろう。

そしてきっと、「祖父なんだから太郎君に説教しなさいよ」と苦言を呈しているかもしれない。

それほど最近の「孫たち」は頼りないのだ。

 

南原先生より年上だけど、与謝野晶子にも言うだろう。

「ちょっと姉さん、孫の馨君をどうにかしなさいよ。迂回献金を隠したまふことなかれ」って。

 

ついでに鳩山一郎さんにも進言するはずだ。

「由起夫君のあのザマは何ですか。献金の虚偽記載というけど、死んだ人の名前まで使うとは酷すぎる。秘書切りで終わらせちゃいけません」。

 

自民も民主もカネの問題で四苦八苦。

そんな孫たちを、祖父母たちは、口の悪い吉田元首相を先頭に口をそろえて叱るかも。

「マゴマゴするな、バカヤロー」ってね。 

 

 

 


20090524日掲載 ハト派でない鳩山さん

 

オザワがせしました、と言ったかどうか、民主党の小沢代表が「ニシマツ辞任」。

後釜に、自浄努力を全然しなかった鳩山元代表が復帰した。

 

ところで、かつての社会党・土井たか子さんがタカ派ではなかったように、鳩山さんは決してハト派ではない。

それどころか、四年前には、天皇元首化や自衛軍保持を明記した「新憲法試案」を出版しているのだ。

そこでは、「憲法改正まったなし!」と拳を振り上げている。

 

さらにまた、自民公明などの議員と組んで「友愛」的な「改憲議員連盟」をつくり、顧問に納まっているほど

かように改憲への使命感は人一倍強くて、しばしば「政権交代、政局安定で改憲論議を」と主張しているのだから、目を離せない。

 

改憲がウリの彼だけに、民主党と自民党とは本質的な差異がますます無くなるだろう。

本当にやりたい政治・政策は「瓜二つ」といっていい。

 

この語源は、瓜が二個というのでなくて、真っ二つにした切り口がそっくりというもの。

元は一つの「二大政党」、いつピッタリくっつくかわからない。

 

そうそう、国民から見たら、美味い瓜よりも、「ウイルス二つ」とか「毒まんじゅう二つ」という方が当たってるかもね。   (三)

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20090419日掲載 新聞投稿の楽しみ

 

定年退職したものの「低額給付金」こと年金は、あと4年はもらえない。

親戚筋から経理事務(非正規雇用)の声がかかってるが、当面はゆったり気分で清貧生活を楽しもうと思う。

何より、時間と気持ちにゆとりが増したのが嬉しい。

 

だからでもないが、数十年ぶりに「赤旗」日刊紙に投稿した。

長い文章は面倒くさいので、「読者の広場」の「ふれだいこ」ってところ。

さっそく掲載されたので、病み付きになりそうだ。

 

「献金専用」というタイトルで、「トンネル工事や抜け道づくりはおまかせください──西松建設」。

 

わりと昔からこういう類の短文は得意で、

二十歳代には徳島新聞「チャンネル0」の常連として月五千円の図書券を稼いだこともある。

安月給だったし、どれほど本代が助かったことか。

 

先のはもちろん、「二大政党」にはびこっている「偽装献金」問題を皮肉ったものだ。

こういう政治風刺を、これからも時々投稿しようと思う。

 

民主党どの──「とうしゅ」の代えどきを教えましょうか──WBC監督。

これは、ボツになったなぁ。気に入ってたけど、ま、いいか。頭の体操、脳トレだ。 (三)

*これを書いた後に「赤旗」に掲載されました。すみません。(――;)

 

 


20090308日掲載 あきれた面々

 

日米首脳会談といえば、森元首相と時のクリントン大統領との迷場面がすぐ浮かぶ。

ハワーユー?(ご機嫌いかが)、アイムファイン・サンキュー、エンジュー?(快調。あなたは?) ミートゥ(私も)

これが決まり文句なのだが、出だしを、フアユー?(あなたは誰)とやったもんだから、

アイム・プレジデント、エンジュー?(私は大統領。キミは?)、 ミートゥ(私も)。

 

こんなおバカぶりが嘲笑的に流布したのも、多くの国民の支持を失っていたからだろう。

 

森さんと内閣支持率が似てきたので、麻生さんにも類したエピソードが生まれるかも。

そういうのを苛立ちながら見つめる小泉元首相の顔もすぐ浮かぶ。

郵政民営化に本当は賛成じゃなかった、なんて言われたもんだから、内輪もめの趣だ。

 

でも、もう出しゃばらないで、それより竹中さんと連れだって反省と謝罪をしなさいヨと、言いたくなる。

国民に激痛をもたらすレールを敷いた張本人でしょ、って。

なのに、先の引退表明では、ちゃっかり息子を世襲政治家(何と四代目!)として売り出したりして…。

 

笑っちゃうより、ただただ呆れるなぁ。

そろそろ国民が彼らの「おくりびと」にならなくっちゃ。 (三)

 

 

 


20090122日掲載 笑い、いろいろ

 

笑う門には福来るというが、科学的にも「笑い」は健康増進につながると立証されているそうだ。

この正月も落語や漫才ざんまいだったので、悪い細胞を少しは退治できたかも。

逆に、嫌いな政治家やタレントの言動は、多分に身体に悪いかとも思う。

 

麻生首相もその類いで、たいてい腹の立つことばかり。ただ時々は、漢字誤読などで苦笑させられる。

つい最近では、側近からの「笑顔をもっと」という助言に、

「あんまり笑えば馬鹿と思われる」と答えたというニュースが失笑をかった。

もともと知性的な雰囲気がないから、真顔が浮かんで冗談にならないのだ。

 

こちらから「冗談じゃないよ」と言いたいことは山ほどある。

愚策の極致といえる「定額給付金」しかり。3年後の消費税アップ明言しかりだ。

国民のお叱りを受け、冷笑を浴びて、支持率が20%を切っても、

連日連夜相も変わらず高級飲食店で財界人らと高笑いをしてるのだろうか。

祖父を真似た貴族然とした「上から目線」のままで。

 

翻って、市民劇場二月例会は『見下ろしてごらん、夜の町を』だ。

見下して、じゃないのがいい。佐藤栄作をもじったB作さんらに爆笑必定。(三)

 

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