Medical Update 2026

咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2025 改訂要約

実臨床で押さえておくべき主要ポイントと新戦略

2025年に改訂された第2版ガイドラインでは、遷延性・慢性咳嗽に対するアプローチがより具体化されました。特に「咳嗽過敏症」という概念の導入と、新薬の立ち位置が明確になったことが大きな特徴です。

1. 診断の基本フローとRed Flags

咳嗽が続く期間により、診断の優先順位を整理します。

★注意: 見逃し厳禁!Red Flags
血痰、呼吸困難、著しい体重減少、夜間盗汗、持続する発熱がある場合は、速やかにCT検査や専門医への紹介を検討してください。

2. 咳嗽過敏症候群 (CHS) の概念

CHSとは:
気道炎症が消失した後も、迷走神経の感受性が亢進し、わずかな刺激(会話、冷気、匂い)で咳が出る状態を指します。「原因不明の咳」の一部は、この神経学的な過敏性が主体であると定義されました。

3. FeNO測定による治療戦略の層別化

呼気一酸化窒素(FeNO)は、好酸球性炎症(咳喘息など)の診断とICS(吸入ステロイド)の反応性予測に不可欠です。

FeNO値 主な病態の示唆 推奨治療
35 ppb以上 強い好酸球性炎症 ICS / ICS+LABA
20-35 ppb 軽度の炎症あり 臨床症状によりICS検討
20 ppb未満 非好酸球性(CHS, GERD等) 原因に応じた治療・新薬検討

4. 難治性慢性咳嗽への新薬:P2X3受容体拮抗薬

既存治療(ICSやLAMA、抗ヒスタミン薬等)で改善しない症例への選択肢です。

ゲファピキサント(リフヌア)

注意:味覚障害のインフォームドコンセント
高頻度(30~60%程度)で味覚異常が報告されています。投与開始前に「味が変わる可能性があるが、休薬で戻る」ことを説明することが継続の鍵です。

5. 明日からの外来チェックリスト

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