脳卒中治療ガイドライン2021(改定2025)要約

内科クリニックにおける日常診療・再発予防のためのエッセンス

地域医療の最前線において、脳卒中の早期発見や再発予防は極めて重要な役割を持ちます。本改定では、テネクテプラーゼ(TNK)の導入機械的血栓回収療法の適応拡大、さらに病態に応じた抗血小板療法の細分化などが大きな柱となっています。 ただし現時点では、テネクテプラーゼは国立循環器病研究センターと杏林大学の研究チームが中心となり、医師主導の多施設共同無作為化比較試験「T-FLAVOR」を実施中で、市販されてはいません。

1. 脳梗塞急性期治療:最新の動向

血栓溶解療法の選択肢増加と、デバイスを用いた血栓回収療法のエビデンスがさらに強化されました。

1-1. 静注血栓溶解療法(iv t-PA)の進化

1-2. 機械的血栓回収療法(EVT)の適応拡大

2. 脳梗塞の再発予防(内科的管理)

クリニックでの診療頻度が高い、慢性期の抗血栓療法とリスク管理のポイントです。

2-1. 非心原性脳梗塞:抗血小板療法

2-2. 心原性脳塞栓症:抗凝固療法

3. リスク因子の厳格管理(数値目標)

病態・時期 目標血圧 (mmHg) 管理のポイント
急性期(血栓溶解なし) 220/120未満 過度の降圧によるペナンブラ悪化を避ける
急性期(血栓溶解あり) 180/105未満 出血性変性を防ぐため厳格に管理
慢性期(脳梗塞・TIA) 130/80未満 糖尿病合併例などは特に厳格に
慢性期(脳出血既往) 130/80未満 再発予防効果が極めて高い

脂質・糖尿病管理

4. 特殊な病態と地域連携

4-1. 卵円孔開存(PFO)とESUS

4-2. クリニックの役割

「Stroke Ready」な体制として、FAST(顔・腕・言葉)の啓発と迅速な救急搬送、そして基幹病院からの逆紹介後の緻密な再発予防管理が求められています。

医師へのメッセージ:
2025年改定の核心は「精密な個別化医療」です。血圧 130/80 mmHg未満、LDL-C 70 mg/dL未満という数字を軸に、患者背景に基づいた適切な薬剤選択が、地域全体の健康寿命を支えます。

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