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左下肢深部静脈血栓症 2025年7月17日 |
深部静脈血栓症は、
急性肺血栓塞栓症の原因として注目されています。
しかし本院では、2003年の開業以来、
急性肺血栓塞栓症(PTE)の患者さんの受診はありません。
これは、排尿、排便時などに、
突然胸痛、呼吸困難などがおこるため、
救急車で、直接病院受診するためと思われます。
下肢深部静脈血栓症は、左下肢に多く、
診断は、超音波検査が有用ですが、
検査手技の習得にはかなりの経験が必要です。
急性肺血栓塞栓症(致死率32%)の予防のためにも、
早期発見と血栓予防治療が大切と思われます。
一方、血栓性静脈炎 (Thrombophlebitis)は、
外来でも、日常、下肢によくみられる疾患です。
主に皮膚の浅い部分にある静脈に
炎症を伴って血栓ができる病気です。
炎症が先行して、その後に血栓が形成されることが多く
細菌感染にともなって起こることもあります。
患部に発赤、腫れ、痛み、熱感、しこりなどが現れます。
押すと痛みが増します。
全身症状として発熱や寒気が出ることもあります。
ほとんどが数日から数週間で自然に治癒し、
後遺症を残すことも少なく、軽症な場合が多いです。
しかし、血栓が深部静脈に広がる
「上行性血栓性静脈炎」に進行すると、
深部静脈血栓症や肺塞栓症のリスクが高まります。
治療は、鎮痛薬や弾性ストッキングによる圧迫療法が
基本です。
感染ではないため抗菌薬は通常不要です。
しかし、再発しやすい特徴があります。
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⇒深部静脈血栓症(DVT)の原因・症状・予防法
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⇒深部静脈血栓症の検査と治療法
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⇒下肢DVT超音波診断法の詳細解説
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⇒超音波診断
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