“コンビ”投票結果発表会

 こんにちは、特売幽霊と言うよりも司会幽霊と化している幽霊です。そろそろ本格的に司会業への転職を考えています。ご自分のお葬式を私に任せてみたいという勇気のある方、募集中です。
 さて、二週間に及ぶ投票も六月十日に終わりを迎えました。投票総数百五十五票、私への愛としてはボチボチと言ったところでしょうか? 残念です、二百を超えたら、未成年には行き過ぎなサービスを色々としてしまおうと思っていたのですが……と後出しじゃんけんをしてみます。悔しいですか? 私の勝ちですね。
 では、以下、順位と得票数です。

1良夜&美月 49
2良夜&アルト 43
3アルト&和明 20
4良夜&直樹 19
5直樹&貴美 12
6陽&彩音 8
7美月&貴美 2
8貴美&和明 1
8良夜&貴美 1

 こんな感じです。全体的に妥当です。妥当すぎます。妥当すぎてコメントのしようがありません。例えば、良夜さんと貴美さんの不倫カップルがトップになるとか、良夜さんとアルトさんの主役カップルがどん尻だとか……こういうハプニングがあれば私も楽しめたのですが……非常に残念です。
 しかも、中間発表時から順位がほとんど変わっていません。これでなにをかたれというのでしょう? 難しいです。難題です。
 燃えます。
 困難であるほど燃えてしまいます。人間、困難に打ち勝ってナンボだと思います……前と言ってる事が違いますね。気にしないでください。
 とりあえず悪口でも……
 はい、安易な方法ですね。悪口とエロトークだけで世間の荒波を越えていく幽霊です。ほっといてください。
 今回はご本人さん達もいらっしゃるので、ご本人の前で悪口を言えるのかと思うとわくわくします。言いたい放題です。胸が凹さんコンビ――アルトさんと美月さんの事です、言わなくても判ってると思いますが――に直接貧乳と言ってしまうとか、喫茶アルトの胸が凸さんを気絶するまで脅かすとか、今回はお楽しみが山ほどあります。
 では、当人達を呼びま――

貴美「お化けは外!!!!!!」
幽霊「いやぁぁぁぁ!!! お塩!!!!!!!!!!!!」
 幽霊、貴美に岩塩を叩きつけられて、逃亡。リタイア。
良夜「……すげー、猛ダッシュで逃げていったぞ……」
貴美「あー、怖かった……」
直樹「相手が幽霊といえども、握り拳大の岩塩を全力投球してしまう吉田さんが怖いですよ……死にますよ? 普通の人間だったら」
アルト「……入り口でボディチェックがあったはずだけど……私もお塩、奪われたし」
貴美「女には男にはない隠し場所があるんよ……ない人にはないけど」
美月「どうして私の胸元を見られるのでしょう?」
貴美「みなまで言って良いわけ?」
美月「そこまで言ったら何もかも言ってるのと同じです! 来月の時給、百円減らしますよぉ?」
貴美「共○党に告げ口しちゃる」
『彩音ちゃんは他の人より多め』
彩音「よっ余計な事、言わないでください!!!」
『脇とか お腹とか』
彩音「そこまで太ってませんっ!!」
『胸の下側にも挟める』
彩音「挟めません!!」
アルト「さすがに八人全員で出てると壮観よね……和明も居るわよ、さっきからずーっとコーヒー煎れててしゃべってないけど」
和明「一人で平均年齢を上げてますね」
良夜「いや、アルトも計算上、結構な――いてぇぇぇ!!」
アルト「淑女の年齢は口外するものじゃないわよ? 紳士ならば」
良夜「ああ、もう、なんかグダグダの予感……」
貴美「んじゃ、さっさと始めようか? コメントと人数多いし」
アルト「お約束。ここでの会話は全て冗談と洒落と思いつきで成り立ってるわ。仮に私が他のメンツと会話してても、それは貴方の幻覚なの。良いわね?」
良夜「思いつきで話が進んでるのはいつもの事だけどな」

貴美「さて、どん尻から。私とりょーやん、私と店長が一票ずつで仲良くどん尻……って、両方私じゃん」
良夜「吉田さんとのコンビが人気あっても困るけど……」
貴美「そりゃそうやね」
アルト「貴美、人気ないわね、相変わらず」
貴美「文章では私の乳の魅力は語り付くせんのよ。作者がヘボだから」
直樹「またそうやって喧嘩売るような言動を……」
貴美「やっぱ、絵がいると思わん? 深い乳の谷間とか、美月さんのペッタンコ具合とか……AAのカップで余るってホント?」
美月「メーカーによっては……――何を言わせるんですか!? 本当に来月の給料、払いませんよぉ?」
貴美「さてと、コメントは……店長、私コンビに『アルトに対する彼等のやり取りが面白い』だって」
美月「吉田さん、聞いてますか? 本当に来月の――」
貴美「てんちょー、コメントの返事!」
直樹「ごめんなさい、ごめんなさい、本当に後で良く言って聞かせますから……」
和明「ああ、はいはい。『アルトに対する彼等のやり取りが面白い』ですか……慣れですよね、慣れです。付き合い始めて半世紀も経つと色々と成長しますから……」
貴美「店長が遠い目をしてる……」
和明「過ぎ去った過去は美しい思い出、と申しますが、事彼女の件に関しては……思い出して未だに腹の立つ事が沢山ありますよね」
アルト「それはお互い様と言う話は後でするから、ここでしゃべっちゃ駄目よ」
和明「はいはい。では、また、後ほど……」
美月「お祖父さん、本当にムッとしてましたね」
良夜「えっ、そう? 判らなかったけど」
美月「はい、私が配達して貰ったばかりの高級カップ五客組セットを、箱も開く前に落とした時と同じ感じの顔をしてました!」
良夜「……そりゃ、ムッとするわ……」
アルト「……あの時はムッと、じゃなくて激怒してたわよ……」
美月「そうでしたか? 気がつきませんでした……後で謝っておかないと」
貴美「消火し終わった火事にガソリンぶちまけるような真似しなくても……」

アルト「続いて、美月貴美ペアね……『エグれ胸が、その精神に根強く抱くコンプレックス。それは、優しく男を受け止める柔らかな双丘。ははははは。見ていて愉快だのう』また、挑発的なコメントだわ」
美月「……ぱすっ!」
良夜「パスってありなんだ……」
美月「文句あるんですかぁ? 明日からスパゲッティの代わりにゆでた輪ゴム出しますよぉ?」
良夜「……ごめんなさい」
貴美「この双丘はなお専用なんよ、ねっ、なお」
直樹「……僕に同意を求められても……大体、吉田さんの胸って『男を受け止める』って言うより、男を『釣り上げる』為にあるんじゃないんですか?」
貴美「そんな、乳で男引っかけてる馬鹿女みたいに言われたくないって」
良夜「この間だって、見た見たってぎゃーぎゃー騒いでたじゃないか……」
貴美「そうそう、美月さん、この間、りょーやんが私の胸、物欲しそうに見てたんよ? なんか言ってやり」
美月「小さくても一生懸命生きて――えっ!? 良夜さん、ちょっとお話しが……」
良夜「誤解! 誤解です!!」
美月「五回も見たんですかっ!?」
良夜「そんなベタベタのボケはいりませんからっ!」
 良夜、美月に便所裏へと連れ去られる。
『浅間くんリタイア』
彩音「あの……浅間さん宛のコメントは……」
アルト「そのうち帰ってくるわよ……地獄の縁から」

『次はあたしと彩音ちゃん 二票』
彩音「『勝っても何も無いっていうのが寂しいなぁ……』だ、そうです」
『優勝するとアルトで食べ放題』
貴美「優勝、りょーやんと美月さんだからあまり意味のない商品だよね」
アルト「そんな話ないわよ」
『後出しじゃんけん』
彩音「以上ですか?」
『以上 出番終了 ご飯の時間』
彩音「先ほどお弁当を二つも――うひゃっ!?」
 陽、彩音の脇腹を力一杯つまむ。
『彩音ちゃんは余計な突っ込みばかり覚える』
彩音「やめっやめて! やめて!! くださいぃぃぃぃ!!!」
 陽、彩音が悶絶して果てるまで脇腹をも見続ける。この間、約十分。
『今日の所はこれで勘弁してやる』
彩音「ぜぇ……ぜぇ……」
貴美「出番、本当に少ないね」
直樹「多かったからって、本当に何があるって訳でもありませんが……」
『余った時間は彩音ちゃんの秘密暴露大会』
彩音「……暴露しないでください……」
直樹「時間、余ってませんから……」
アルト「早くも百行越えてるわね……ここまでコメントほとんどなかったのに」

直樹「続いて僕と吉田さん、十二票」
貴美「ッたって、投票してくれた人は一人きりなんやけどね。でも、愛を感じた。家に来てなおとファックして良いぞ!」
直樹「ハートマン軍曹ですか? 相手が女性だったらどうするんですか……」
貴美「亡き者にする」
アルト「無茶苦茶だわ……」
貴美「まあ、冗談だけどね。ほとんど毎日、十二って事は二日だけ休んだって事かな? この熱意には感動した」
直樹「コメントも毎回入ってますしね」
貴美「なお、モテモテじゃん?」
アルト「どうしてそこで素直に自分のファンだって思わないのかしら……相手、男よ?」
貴美「でも、二十代って言うのがちょっと残念やね。十代のね、それも小学生ぐらいの男の子だったら……」
直樹「ああ、病気がまた始まった……」
『変質者』
アルト「お前が言うなって奴よね……オカマの癖に」
『Notオカマ Yes女形』
彩音「……あの、コメントは……」
貴美「だからね、男の子が、こうね……ッて、コメントやね、コメント……『タカミーズに1票。物語序盤からコンビ名がある2人がコンビ対決で負けるわけには!』、地味に広がってるよね、学内で」
直樹「広めてるの、吉田さんじゃないですか……」
アルト「『タカミーズに2票目。……重複投票はありですよね?』、今更だけど、ありよ。一日一回、期間中は何度でも、がルール。次回も多分一緒だから覚えておきなさい」
彩音「『タカミーズに3票目。まだまだこれから。』、あの……終わってからこのコメントにどういうお返事をしたらいいものなのでしょうか?」
貴美「三回目ありがとう! で十分じゃない?」
アルト「返事に困ったら『四回目ありがとう!』とか『五回目ありがとう!』でごまかすつもりでしょ?」
貴美「『タカミーズに4票目。学生結婚しそうな2人に乾杯。』、出来たら結婚する予定だけど、避妊はばっちりだから大丈夫」
『むしろ 慣れてないのがやると大変 あたしは慣れてる』
彩音「お姉様!」
貴美「そそ、この場にいない二人なんか、初体験で当ったりして」
アルト「この私の目が金色である限り、あの二人にそう言う事はさせないわ」
直樹「そっ、そうですよ。そう言うのは結婚してからで……」
貴美「なお……先週の木曜、楽しかったねぇ?」
直樹「次! 次のコメントです!! 『タカミーズに5票目。孤軍奮闘。』『タカミーズに6票目。塵も積もれば』……この辺りは返事に困りますよね」
貴美「五回目と六回目ありがとう!」
彩音「そんな投げやりな……」
アルト「次は……『タカミーズに7票目。吉田さんは将来タカミタカミになるのだろうか・・・?』、直樹が吉田直樹になる可能性もあるわね」
貴美「貴美と書いて『キミ』と読ませるって手段もあんよ。お役所に提出してる用紙には読み仮名、振ってないそうだから」
『タカミ・キミ 響きが変』
貴美「そっかな? それはそれでありじゃん」
直樹「吉田さん、小学校の頃に『将来はタカミ・タカミだ』ってからかわれて、からかった男の子をぼこぼこにしたんですよね……」
貴美「そんな事、あったっけ……」
直樹「ありました。同窓会で、彼、震えてましたよ。吉田さんの顔見て」
彩音「暴力はちょっと……」
貴美「覚えてないけど、女の暴力でトラウマになるなんて、貧弱ちゃう?」
直樹「マウントポジションでぼこぼこにされた挙げ句、椅子でぶん殴られそうになれば誰だってトラウマになりますから……」
アルト「……怖い小学生ね」
彩音「怪我などしなかったのですか?」
直樹「いえ、椅子は止めましたから」
貴美「懐かしい思い出やね、覚えてないけど。『タカミーズに8票目。がんばれ直樹!下克上だ!!』、下克上は私が貸してるお金、耳揃えて返してから」
『いくら?』
貴美「十万はまだ越えてないって所かな……」
直樹「念のために言っておきますけど、僕、バイトのお金の半分は吉田さんに取られてるんですからね」
貴美「生活費っしょ? 恩着せがましく言わんとき」
直樹「家賃も一人分だし、ご飯もアルトの残り物とかだし、仕送りも僕の分含めて吉田さん管理だし……どうしてそんなに生活費がいるんですか?」
貴美「貯金してんよ。目指せ、卒業までに一戸建ての頭金」
アルト「……しっかりしてるって言って良いのかしら?」
彩音「お姉様が借金を作らないのが不思議なのですが……賭け事ばかりなさってるのに」
『博才があるから』
貴美「『タカミーズに9票目。良夜&直樹のコンビに負けたら、吉田さんの立場が……』、むしろ喜ばしい。やっぱさ、男同士なんよ、今の時代は」
『あたしは女同士の方が好き』
彩音「猥談は止めてください……」
アルト「変質者が二人も……『タカミーズに10票目。差が開いてきた・・』『タカミーズに11票目。まだだ!まだ終わらんよ!!』、十回目、十一回目、お疲れ様。貴美の代わりに言って置くわ」
貴美「『タカミーズに12票目。燃え尽きた・・・』、お疲れさん」
アルト「と、言うところで一回目は終わり。長すぎるから、一度切るわ」
直樹「あの……良夜君と三島さん、何してるんでしょうか?」
貴美「大人の階段駆け足で登ってたりして」
良夜「登ってねーよ……」
美月「ただいま帰りました! 良夜さんが納得してくれて一安心です!」
アルト「何に納得したの?」
良夜「……来週の土曜日、旧市街のケーキ屋でケーキを奢るのとイタリアンレストランで晩飯奢る事……」
アルト「訳がわからないわね……」
『続く』

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