松 翁 論 語 (松下幸之助翁 述* 江口克彦氏 記)より 巻八 一日一日が勉強 (次へ) 巻九 素直な心になれば |
今年は去年のままであってはならない。きょうはきのうのままであってはならない。 コメント 松下さんは、常に前進!止まることのない限りなき前進!人生の最後の日まで成長するよう努めなさい。と教えてくれました。 2004.5.16 巻八 一日一日が勉強 765 人はさまざま。人の定めも、その歩みもまたさまざま。 コメント 松下さんは、自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。自分だけしか歩めない、他の人には歩めない、かけがえのない道を懸命に歩みなさい。休まずに歩めば新たな道が開けてくる。と私達を励ましてくれています。 今日の営みのうえにあすの工夫を、あすの工夫のうえに、あさっての新たな思いを。そんな新鮮な心を持ち続けたい。 コメント “ きのうより今日、今日より明日、大自然は常に日に新たである。常に新たな工夫をこらし、よりよい明日をめざしたい。”
松下さんには、限りなき発展と永遠の青年像が感じられます。 ダイヤモンドの原石でも、磨かなければその美しい本質は表れてこない。 コメント 企業は人作りに力を入れなければ、いい会社にならない。各人は、自己研鑽して成長しなければならない。松下さんは、此で良いという自己満足はせず、一生涯自己改革を怠る事なく、前進し続けた人でした。 幹や葉ばかりを見てはいけない。太い幹、茂った葉を支える根の広がりを忘れてはならぬ。 コメント 樹木には同じだけの根がある、と聞いたことがあります。松下さんは、目に見えるところだけでなく、陰で支えて呉れているものにも感謝の気持ちを忘れるな、と教えて呉れているのですね。 2004.5.12 巻八 一日一日が勉強 761 組合ができたとき、私は祝辞を言おうと思って出かけていった。自分の会社の人たちが組合をつくって大いに新しい時代をつくろう、というのに、社長たるものが知らん顔をしているのは相すまんと思ったからだ。 コメント 松下さんは、経営は社員が働きやすいように心掛け、経営者と社員が対立するなんて事は頭にありませんでした。社員が幸せになるように考えていました。 会社の指導理念に反しない限り、各人それぞれが創意をこらし、いい意味での独走をし、持てる力を100パーセント発揮してくれたらいい。 コメント 人使いの神様といわれた松下さんは、社員各人が創意をこらして、意欲的に力を発揮出来るように相当な心遣いをしていました。 その気になれば、世の中は、なすべき仕事はいくらでもある。仕事がないのを嘆じる人は、真に仕事を見付けることに努力しない人である。 コメント 松下さんは、ムダな仕事は一つもない、全部世の中に必要な仕事である。自分が今の仕事に打ち込めないなら、仕事を変えなさい。一度しかない人生だから、好きで好きで毎日が楽しい、やり甲斐のある仕事を見付けなさい。と教えてくれました。 人間である以上、人によって好き嫌いがあり、性格的に気の合う人、 コメント 人事、配属には好き嫌いとか、私情をはさむ事でなく適材適所を心掛けなければならない、大所高所から判断すべきである。という事ですね。 人間として成長いない人を持つ事業は、成長するものではない。 コメント 事業は人なり!経営者は経営者として、社員は社員として日々成長を心掛けなければなりません。 私は、事業を経営しつつ人物を養成し、人物を養成しつつ事業を行うような、物の生産と教育とを同時に行う工場経営、学校経営を、一つの事業として実現してみたいと思ったことがある。 コメント 松下さんは、人を育てる事に大変情熱を傾けた経営者でした。松下電産は人を作る会社です。電気製品も作っています。よく聞かされた言葉です。 私が事業に踏み切ったころ、きょう一日の仕事を一所懸命にやるという気持ちだけは、人一倍強かったのではないかと思う。 コメント 仕事に一所懸命にやるという気持ちが、誰よりも強かったのは勿論ですが、松下さんは、この仕事は必ずうまくいくという信念で、成功するまでやり続けたのです。決して途中で投げ出しませんでした。これが普通の人との大きな違いです。 歴史とは、決して他人のことではない。いわば自分の姿である。 コメント 松下さんは、何を聞いても、何を読んでも全て自分ならどうすべきか、自分を改善する為の参考にしました。歴史に学ぶ場合も自分の事として捉えたのですね。 2004.5.4 巻八 一日一日が勉強 753 ひたすらな母の愛というものは、今この歳になっても、私の心に脈々と生き続けている。 コメント 9才で丁稚に出る時、紀ノ川駅まで見送ってくれた母親の姿に子を思う母の愛を感じ、この母親に心配を掛けないようにしなければ・・・と頑張り抜きました。松下さんは親孝行な人だったから成功したと言う人が多いです。 コメント 普通の人の何倍もの苦労をしたからこそ大成功したのですが、松下さんは、過去の苦労話は好みませんでした。特に陰でご主人を支えたむめの夫人は、難儀はしたけど苦労はなかった。“
苦労と難儀は違います ”といつも笑顔で話して呉れました。松下ご夫妻は、お互いに尊敬し、二人で支え合いながら人生を楽しんで生き抜いた理想の夫婦だったのです。 ふつうの魚は人間が近づくと本能的にサッと逃げる。ところが同じ魚でありながら、池のコイは寄ってくる。おもしろいものだ。 コメント 何を見ても好奇心と追求心を持ち続けた松下さんの心の若さに感心します。何故?なぜ?常に追求し続けた人生でした。 「自己観照」のできる人には過ちが少ない。 コメント 観照=主観を交えず、対象のありのままを客観的にながめ、その本質を見極めること。「自己観照」出来る人になりたい! 2004.4.30 巻八 一日一日が勉強 749 誠実の徳が、ともすれば軽視されがちな今日の世相のなかにあって、いま一度、誠実の尊さについて考えてみてもよいのではないか。 コメント 松下商法の真髄は、顧客様の為になる物を、顧客様の喜ぶ物を買い求め安い価格で提供する事でした。松下さんから誠実が人間の基本である事を学びました。 ともすれば他を見て自分の精神をグラつかせる、自分の仕事はこれでいいのかどうか、自信を失う。そして不安にとりつかれる。そのようなことを何度となく繰り返してきた、というのが私の偽りのない体験である。 コメント 自分の仕事はこれでいいのかどうか、不安になったり、自信を失ったりしながらの繰り返しだった。それだけ松下さんが真剣に仕事に打ち込んでいたという事です。 内輪なのだからこの程度でいいだろうと、安易な気持ちになったり、内輪だからと、かえって礼を失するようなことはないか。 コメント 松下さん程、人を尊重し人に礼を尽くした方を他に知りません。内輪だからとか、他人だからとか区別をすると、かえって礼を失することになる事になるかも。 年功序列といっても、能力以外の配慮から昇進昇格させることで、結局は会社にもマイナス、本人も不幸ということもある。 コメント 単に年功序列でポストを貰っても、本人の為にならないこともある。やはり日頃から真剣に職務をこなし、実力を付けておかなければならないのですね。松下さんは、いつでも一つ上のポストの仕事をするように、指導していました。 課長としてはまことに立派な人だったが、部長にしたらどうも成績が上がらない、ということもある。 コメント 人事問題は適材適所の配置が大切で、上司や経営者の大切な仕事の一つですが、やはり本人の意欲、能力を如何に引き出すかが、上司や経営者の一番の仕事だと思います。 国民が、国家すなわち政府に対して何か要望を出す前に、まず、みずから何をすべきかを考える、それが真の民主主義というものであろう。 コメント 国民は国に要望する前に、まず、みずから何をなすべきかを考えなさい。この教えは、会社や上司に対して要望ばかりするのでなく、自分が為すべき事を考えて、まず行動することが自分を成長さすことになるという事ですね。 政治に指導性がないのは、国家百年の計を生み出すような方針、哲理がないからである。 コメント 松下さんは、政治家は、百年後の日本を考えて行動しなければならない。と提唱していました。 自分を粗末にするような人間は、ほんとうに他人を大切にし、他と強調していくことはできない。 コメント 人間は大宇宙の中で生かされているのです。一度しかない人生を大切にし、真剣に生きている人は、他人の立場も考え、協調性もあり、素晴らしい人間関係を保つことが出来る。毎日毎日をどう生きるか・・・・大切ですね。 自分にも自由があれば、他の人びとにも自由がある。他人の自由を侵害するような姿は、真の自由とは言えない。 コメント 常に相手の立場に立ち、周りの人々の事を考えて行動する松下さんらしい考え方です。他人の自由を侵害するような事は、本当の自由とは言えない。利己主義から利他主義に! 自由というのは、何らの制限もなく、何をしてもいいということではない。 コメント 松下さんの考えた自由というものは、人の道をはずさないものであり、天の理に適うものでなければならないのです。 足りない点に目を向けて不平不満をもつか、それとも与えられたものに感謝しつつ、足りない面はみずからの力で満たしていこうと考えるか。その分かれ目は、自主性をもつか、依存心をもつかにかかっている。 コメント 常に感謝の心を忘れず、誰かがやってくれるという依存心でなく、自主性を持つ事が自己改善や、自分の成長になるとの教えです。心したいものですね。 いかに コメント 昨日も書きましたが、“俺がやらねば誰がやる”の心意気。責任感とリーダーシップを発揮しなければ、単なる烏合の衆になってしまいます。 政府といわず、政党といわず、企業といわず、一般国民といわず、みんなお互いに、誰かがなんとかしてくれるだろう、といった安易な依存心をもつにいたってしまった。 コメント 誰かがなんとかしてくれるだろうでなく、俺がやらずに誰がやる、今やらずに何時出来る。平櫛田中さんの言葉が浮かびました。 いま国民の間に、福祉はみずからつくり出すもの、という意識はきわめて希薄になってきている。 コメント 福祉は国がしてくれる、行政の仕事だ。と思っている人が多いが、国民一人ひとりが自らつくり出すものです。松下さんの教えは、他の責任にせずに、何事も自分でどうすれば何が出来るか、すべて自己責任で考え、行動をしなさい。そうすれば実力も付くし人生は楽しいよ、です。 2004.4.16 巻八 一日一日が勉強 735不信感は、争いを起こし、物をこわし、事を不成功に終わらせ、結局において人間の共同生活を貧困ならしめるものである。 コメント 松下さんは、部下を信頼したから社員がよく働くようになり、信頼した取引先とは商売が上手く出来たと思います。人は信頼して呉れる人の為には、命がけで動くものですね。 これからの日本は、“精神大国”というか、“徳行大国”といった姿を目指していくことが肝要である。 コメント 経済大国も大切ですが、それ以上に国民一人ひとりが正しい道徳の持ち主で、陰徳を積むことが出来る人になるように国を挙げて教育しなければ、日本の真の発展は無いでしょうと、松下さんの提唱です。 発展途上国に対して協力、援助をしていくことは大切だが、それは自国の実力の程度に応じて行うことが肝要である。 コメント 今の政治の責任者に読んでもらいたいと思います。まず国内でするべき事が多くあるように思いませんか? 政治の重要性なり政治家の重要性については、まず政治家が、そのことをみずから正しく十分に認識、理解することが大切。 コメント 日本の将来について重要な舵取り役の政治家は、政治に携わる自身が、まずその重要性を認識しなければならない。松下さんが松下政経塾を創ったのも、日本の将来を考える政治家を育てる事が目的でした。 自己の利害と、他人や社会全体の利害を、調和させつつ事にあたっていくことが大切である。 コメント 松下さんの共存共栄は、他人や社会全体の利害が自己の利害より優先でした。 法律は厳しく守らなければならない。同時に、その法律自体についても、人間というものはどういうものかということをつかんで、それに即した法律をつくらなければならない。 コメント 松下さんは、経営にも、商売にも、部下の指導にも人間の特性を研究する事が大切だと教えています。だから法律も人間というものはどういうものかを研究してそれに即したものでなければならない。“
究極は人間研究や!” よく聞かされた言葉です。 自分がよいと思って堅持している思想を大切にするあまり、他の思想を軽視したり、ときには否定したりする、というのはお互いに大きなマイナスである。 コメント 他人の意見や、考え方を聴いて自分の参考にする。軽視したり否定したりする、いわゆる聴く耳を持たぬ人は、単なる頑固な人。信念と頑固とは、天地の差ですね。 2004.4.9 巻八 一日一日が勉強 728 今の政治には、慈悲心がない。すべてが理屈である。 コメント 理論や理屈だけでは、決して物事は解決するものでない。松下さんは、すべての人に対して思い遣りがあり、心があり、本当に心の温かい素晴らしい人でした。 国民意識とか、国家意識というと、そういうものはいらざる戦争に結びつくからいけないものだ、といった見方をする向きもあるかも知れないが、そのような国民意識、国家意識は、真の国民意識、国家意識でなく、自己中心な誤ったものである。 コメント 松下さんは、世界の平和と繁栄を願っていました。日本の国としては、世界平和と繁栄のために何を為すべきか、いつも自己中心の考えでなく、公の事を考えて生き抜いた人生は見事でした。 日本を名実ともに立派な発展に導くには、国民ひとりが自主独立の精神を持ち、またそれぞれの責任のもとに国民が相協力していかなくてはならない。またそういうことをお互いに言い合い、お互いに注意し合わなくてはならない。 コメント 国が悪い、政治が悪い、今景気が悪いからなど愚痴を言ってばかりいるのでなく、国民一人ひとりが自分は何を為すべきかを真剣に考えて協力しあっていかなければ、日本の本当の発展は無いのだ。と松下さんは教えて呉れています。 実力をもつことをお互いに助け合う、これが共存共栄である。 コメント 松下さんの共存共栄とは・・・・何回も何回も読み返しました。 2004.4.5 巻八 一日一日が勉強 724 世間に立てられる価格の相場は、「私」の相場でなく、「公」の相場である。この「公」の相場を「私」の心で左右してはならない。 コメント 松下さんは、暴利を貪るのでなく、価格破壊をするのでもなく、適正価格をいつも考えていました。 景気のよいということは、いいかえると、 コメント いつもいいということはない。いつも悪いということもない。自分の心の持ち方、考え方によって、いいときはいいとして活かすことができるし、悪いときは悪いとしてそれをまた活かすことができる。 コメント 自分の心の持ち方、考え方によって、それを活かす事ができる!解決するのは、すべて自分の考え方である。松下さんの考えて考えて考え抜いた結論です。 好景気だからといって、決していいことばかりではない。つい油断するということにもなり、いらぬ金使いを覚えるということにもなってくる。そこから失敗の芽生えが起こる。 コメント 松下さんは、これでいいのか?このままでいいのか?もっとよい方法はないだろうか、常に現状に満足することはありませんでした。特に好況の時や、順調な時ほど気を付けるべきだ。成功の中に失敗の芽が潜んでいる。と考えていました。 お互い経営をするものが、下手な経営、非能率な経営、利益を上げない経営をすれば、そこが損をするだけでなく、その損失は全部の国民に影響するのである。 コメント 企業は適正利潤で販売して黒字経営で税金を納めるし、全国民が税金を納めるから、国が成り立つのだ。納税は国民の当然の義務、企業の赤字は経営者として失格だと松下さんは考えて社員教育していました。 2004.3.31 巻八 一日一日が勉強 719 台風の時期には、平生の確固たる信念に数倍した強いものをもって、じっと辛抱し、それを見守り、やがて過ぎ去っていけばその後片づけをする。その際には、飛んだ看板はよりよき看板にする。さらに店が荒れればよりよきものに作り替える。そうすると、台風を転機として、お互いの商売はそこに再建され、さらに改善されていく。 コメント ピンチは絶好のチャンスと捉える松下さんらしい考え方です。順調な時には、なかなか改善がやりにくいものです。だから改善するチャンス到来と考える。何が起こっても前向きの発想で行動したからこそ、大成功したのですね。 わが社には、メーカーのトップとして立つ以上は、つねに同業メーカーに対しても、業界に対しても、安定的なものの考え方をしていくという使命が課せられている。そういう コメント 松下さんは、自社の利益のみ追求するというのでなく、業界全体の事を考えて大局的な立場から判断して行動をしていました。共存共栄は大好きな言葉でした。 風が吹けば波が立ち、波が激しければしぶきを受ける。波を受け、しぶきをかぶっても、 コメント 松下さんは、経営者はいつも不況と思って経営すればよい。そうすれば好況の時は、思わぬ利益が出る。好況時が普通と思って計画を立てるから、ちょっと不況になると慌てる経営者が多いのだ。よく聞かされました。 暴利を取ることは決して許されない。しかし、自分の正しいサービスに対して、正しい報酬を受けることを確保できなくて、どうしてお互いの繁栄、日本の繁栄があろうか。 コメント 赤字は罪悪だ。企業経営は適正利潤を確保して黒字決算で税金を納める。これが経営者の務めであると松下さんは考えていましたので、価格破壊をしてまで安売りをする某スーパーとは、最後まで取引をしませんでした。共存共栄、そして日本の繁栄をいつも考えて経営していました。 真実の日本はまことに美しい、よい国である。しかしながら、懐中に一万円札もっていても、それを忘れていて何一つ買い物もできない、これが今の日本の姿である。 コメント 我が国は、平和で自然美に恵まれた環境にある。国民は豊かな経済力の中で生活しているのに、この恵まれた境遇に感謝せず、不平不満や愚痴を言う生活をしているのではないだろうか? 2004.3.26 巻八 一日一日が勉強 714 人を使うことは決して楽なことではない。ほんとうに人を使うとなると、 それは苦を使うごときものである。それを堪え忍んで、喜びを感じられるようになってこそ、“人を使う喜び”がわいてくる。 コメント 人使いの神様、松下さんに質問しました。“人を動かすコツは?”蟻馬君コツなど無いよ!それは祈りだ!今でも強烈に頭に残っています。 われわれは、収入の増加、地位の高まりを唯一の目的にしていいか。人間には、そういう意味の喜びもあるが、それだけではない、それだけではいけない。考えられるべきものは、まだたくさんある。 コメント 人間は、収入や地位だけが目的ではいけない。人生の目標は自分自身の知識の向上や、人格の形成など毎日の生き方を考えていこう。 ある一つの出来事を見聞きして、それを自己の判断で記事にする新聞記者の仕事は、書き方によれば相当大きな影響を国家社会に及ぼす。その新聞記者に国家試験がないというのはおかしい。 コメント 松下さんは、すべての職業人は自分の仕事に忠実に(自己中心でなく国家社会の為を考えて)しなくてはいけないと考えていました。 お互いが与えられた天与の幸せは、顔が違っているごとくみな違う。しかし、それは決して不平等ではない。 コメント 決して不平等ではない!これが松下さんの素晴らしい考え方です。後は幸せと思える自分であるかどうかです。 神様にお願いするということを考えずとも、仕事即信仰という気持ちで仕事をしている姿であれば、それは神の御心にかなうことであり、必ず報いがあると信じている。 コメント 松下さんは、何をするにも“これは必ずうまくいく必ず成功する”と自分に言い聞かして、信念を持って、祈るような気持ちで実行に移しました。まさに神は自分の心の中にあるのですね。 総大将になると、みんなが奉るようになり、友人も家来になってしまう。だれもほんとうのことを言ってくれない。聞こえざる声を聞くという謙虚さが必要になってくる。 コメント 松下さんは、部下にも取引先の人にも出入り商人にも、老若男女すべての人から意見を聞きました。蟻馬君、君はどう思うかね?とよく意見を聞かれました。まだ聞こえざる声を聞くという謙虚さが必要だよと教えています。 優れたデザインの根底には、実用性が加味されていなければならない。見た目は非常に美しい、心 コメント 松下さんは、使い便利な実用性が加味されたものが、優れたデザインであると社員に指導していました。 自分一人で儲けるということは許されない。それでは他の協力を得ることができない。したがって事業が伸びない。 コメント 松下さんの商売は、共存共栄が基本でした。 一人の青年に富くじが当たる。当たる前は非常に勤勉であったものが、もう働かなくてもよいとどんどん金を使う。それが癖になって、結局失敗してしまう。まさに「 コメント ハングリー精神が欠乏し、勤勉さが日本国民から無くなる傾向を松下さんは、心配されているのですね。勤勉と真面目な国民性で日本は復興、発展した国ですから。 自分自身より社会全体を見る。同時に国内外の状態をつねに見る。そうして比較検討しながら、われ、何をなすべきかということを考えなければならない。 コメント 自分だけの事なく、社会全体そして世界の状態を把握して、今何を為すべきかを考えて行動しなさい。世の為になっているか?すべての人がこう考えて自分の仕事に取り組めば、詐欺や犯罪など起こらないですね。 国にとってどうしてもやらなければならないことであれば、資金はいくらでもできる。金は無尽蔵、困ることはない。ただ決意断行するだけである。 コメント 資金が無いから出来ないのでなく、決意断行することである。やる気さえあれば、お金はどうにかなる。国の問題だけでなく、私達個人の問題として参考にしたいものです。 法治国家は先進国ではない、中進国である。これからの先進国は、法三章で社会がきちっと治まっていく国、発展していく国である。 コメント 法律でガチガチに縛るのでなく、簡単な取り決めだけで社会がきっちと治まっていく国でなければ、これからの先進国といえない。と松下さんは考えていました。今の日本国民のモラルの低下、世界各地の紛争は何とかならないのでしょうか。 うまくいっている会社には、綱領、信条というものがあって、社長はたえずそれを根底にもって、事業を興すたびに、新しい計画をするたびに、こうあってほしい、かくあるべきだということを訴えている。だから全社一致して事をすすめることになり、能率が上がるのである。 コメント 社員を一つの方向に纏める為の綱領、信条が正しいものであって、トップが信念を持って訴える続ける事が、大をなした松下電産が全社員一丸となって働き、事業発展の基となったのだと思います。 日本の国家経営は、論議多くして決断がない。したがって実行力もない。それが物事を渋滞させて、何ごともコストが高くつくことになっている。 コメント 国家経営は無駄が多くてコストが高いので、民間の経営に学ぶべきだと考えていた松下さんは、松下政経塾を創りました。政治改革の為に、塾生はなるべく親族に政治家のいない人達を選びました。 台風は一つの力である。貴重な水を大量にもってくる。それを全部受けて コメント 松下さんが59才の時、「私の行き方 考え方」を出版しました。9才から50年間働いた自叙伝ですが、明るい物の見方、前向きの発想が読みとれて
私が一番好きな本です と松下さんに報告しました。知恵の出し方、考え方ですべての物が生かされる、という松下流の素晴らしい発想です。 人類は長久なものである。ある物がなくなれば代替物が必ず発見される。大きく見れば、人類が存在するかぎり、それに必要な物資という物は、無限に存在していると考えていい。 コメント 人類が存在するかぎり、必要な物資は無限に存在する。この考え方は、松下さんの信念であり、明るい物の見方の原点です。 ひもじい思いをしないことには、腹が十分に満ち足りた喜びというものは味わえない。私が今日あるのは、そういう体験を数多く積んできたことによるのではないか。 コメント 苦しい体験を多くした人ほど、成功の喜びが大きいという事です。であれば、今の苦労や試練は意味のある事と喜ばねばなりません。 天国はいたるところにある。 コメント 天国か地獄かは、自分の思いようである。自分の心の中にあるという事です。気持ちはいつも前向きで、プラス発想の人生を歩みたいですね 電灯会社の職工としての六年間で、仕事に行った先の各家庭の状況、商店、会社の人の使い方を見聞きして覚えてことが、一種の学問になった。世相、人心の機微のいくぶんかを、知らず識らずのうちに覚えこんでいた。 コメント 松下さんは、体験したすべてを自分のものにしました。見聞きした事を自分ならどうすればいいか、人の使い方などは特に真剣に学びました。真剣だったからこそ、身に付いたのです。 2004.3.7 巻八 一日一日が勉強 695 かりにある国がいちばんいい政治をやっているのであれば、代わってその国に政治をやってもらう。そして税金の一部をロイヤリティーとして支払う。それでも国費が三分の一になったら、国民は得である。われわれ経営者はそれをやっている。 コメント 松下さんは、スポーツでも演劇でもまた自然界からでも、見るもの聞くものあらゆるものの中から、自分の経営や人生に参考になることはないか、常にヒントを探して改善に改善をし続けました。国を経営する政治家も、民間の経営の中にヒントを探す努力が必要と訴え続けました。 危機に直面して、われわれが発想の一大転換をする。日本はきわめて経済的にできている国家である、また良質の国民である、だから模範的な政治ができるということを、はっきりと意識し直して再出発する転機にきている。 コメント 日本は、国民は良質であり、経済的にも恵まれている国であるので、政治家は100年〜200年先の日本を考えてリードすればよい。今何を為すべきか!やる事は多いはずだ!と教えています。 賢い人もそうでない人も、力の強い人も弱い人も、さまざまな人を自然はつくっている。われわれは自然に従わねばならない。人為でみな同じような人間にしようとか、知識だけは同じにしようなどとしてはいけない。 コメント 松下さんの自然流、“ 雨が降れば傘をさせばよい ”自然に逆らうな!向かう方向は同じでも、各々の個性を生かして適材適所に配置、さまざまな人の個性を尊重するところに経営の妙がある。と考えていました。 腹を立てなくてもよいこと、むしろ喜ぶべきことに腹を立てている。感謝の心を忘れている自分に気づいたら、熱が下がって病気が治った。 コメント 今日の言葉を何回も噛みしめて読んでいます。松下さんほど感謝の心を持ち続けた人を他に知りません。有難うの心は、病気も治すのですね。 2004.3.3 巻八 一日一日が勉強 691 成功する小売屋さんは、たいてい奥さんがしっかりしている。いい奥さんだなと思うところは、必ず成功している。 コメント 今日3月3日は、松下むめのさんの108回生誕記念日です。むめの夫人が素晴らしい奥さんだったから、松下さんは大成功されたと私は思っています。日本の主婦の鑑でした。 どんな人でも、使い方 コメント 松下さんは、「世の中にムダな人は一人もいない」と考えていました。部下が駄目だと思うのは、その人の良い所に気が付かない上司が悪いのだ。使い方、生かし方を考えるのが上司の仕事ですと、社員を教育していました。 先輩は先輩らしいものをもたねばならない。下位者に適当に物を与えなければいけない。物を与えることができなかったら、笑顔ややさしい言葉、ねぎらいの言葉を与えるということがなければいけない。それなくして人をうまく使うということは絶対にできない。 コメント 先輩は、どうすれば下位の人がやり甲斐や生甲斐を持って仕事に打ち込めるだろうか、いつも気遣いをしていなければならない。という事ですね。松下さんは、誰に対しても大変な気遣いの人でした。 人間の欲望は生きる力である。これを抑えるのではなく、適当に培養しなければならない。そこに政治の要諦も、また商売、経営の要諦もある。 コメント この世にムダな職業は一つも無い。でも蟻馬君、君が何を選ぶかは自分で決めなさい。世の為になり、自分で生甲斐を感じる仕事を選び、全力で励みなさい。一度しかない人生を悔いの無いように生きるのだよ。部下に正しい道を全力で取り組むことを指導するのが、リーダーの仕事ですね。 政治は、適当に国民の欲望をかなえつつ、適当に欲望にとらわれることを戒めなければいけない。 コメント 政治の役割は、国民の平和と豊かで幸せな生活を守る事である。政治を志す者は、心して日本国のリーダーとして何を為すべきかを真剣に考えて事に当たって欲しいものです。 願望の達成というものは、その強弱の程度に応じて成り立つ。徹底的に強かったら必ず成功する。ただしその願いは、正しいものでなければならない。 コメント 正しい願望は、強いほど達成する。必ず達成できるのだ。松下流の考え方です。 言葉が上手だとか言い回しが上手だとかいう技術以上に、こんなにいい商品なのだから売りたい、買ってもらいたいという熱意があれば、相手に感動を与えることができる。そこに縁が結ばれ、商売が成り立つということがある。 コメント お客様に喜んで頂けるいい商品を創り、是非買って頂きたいという熱意が、商売の基本である。松下さんに学んだ商売の真髄は、“
顧客の為になるものを売れ ”でした。 世界的乱世である。健全な肉体を持っている者は、老人たると青年たるとを問わず、国難に コメント 健全な肉体を持ってる者は、国難に殉じる心意気で、それぞれの仕事を遂行しなければいけない。2月22日五体不満足の乙武洋匡さんの講演会がありましたが、素敵な笑顔で思いやりがあり、前向きの発想、素晴らしい青年です。健全な精神、健全な肉体の持ち主です。“人生だらダラダラしていてはいけない”と思いました。感動と反省の一日でした。 わが社はこういうような経営の基本理念を持ってやっていくのだ、というものがあれば、たとえどういう問題が起こっても、その経営の基本理念に基づいて、打つ手は瞬時に出てくる。 コメント 松下さんの考え方、経営理念を社員に徹底して理解させていました。目指す目標は全社員が常に同じ方向でした。問題が起こっても、困難なことでも、各人が全力で考えて手を打ちました。 意識の大転換が、あらゆる改革の出発点である。 コメント 意識の大転換、これがなかなか出来ないのです。このままで良いと流されやすいですね。松下さんは、うまくいってる時こそ、これでいいのか?と現状を見直しなさい。蟻馬君現状維持は、退化だよと教えて呉れました。 われわれの経済活動のため、さらに広くいえば、国民のよりよき共同生活のために、政治にものを言うことが大事である。 コメント 松下さんの経済活動は、単なる金儲けだけでなくて、人々が豊かで幸せに成る為の商品を世に送り出す事が基本にありました。しかし、経営者は常に適正利潤を確保し、黒字経営を目指して国に税金を納める事が国民の義務と考えていました。だから政治に求めるのも決して自分だけの都合ではありませんでした。 現実の困難には、お互い国民は真剣に取り組んでいかなくてはならない。ただ、とどのつまり、結論は大丈夫だという大きな安心感に立ってよい。日本は非常に国運の強い国だからである。 コメント 松下さんは、僕は運が強い男だ!絶対にうまくいく!いつも自分に言い聞かしていましたが、日本も強運の国だから大丈夫だと安心感に立って真剣に取り組みなさい。と教えています。暗い時代今生きてる私達は、希望と、安心感を持って真剣に現状克服に努力しましょう。日本は必ず立ち直ると信じて! 日本の民主主義は、経済性を中心に考えていきたい。そうすれば、自由と平等がどれだけ重要であるかを真に理解できるだけでなく、経済性が付与された好ましい社会が生まれるにちがいない。 コメント 松下さんの豊かで平和な世の中にしたい、という思いです。 平和 幸福 繁栄 (PHP)今の社会を松下さんはどうお感じになるでしょうか? 一国の将来を コメント 自分の事だけを考えて行動する政治家でなく、百年、二百年先の日本を考える政治家を育てる為に、松下さんは、多額の私財を投じて松下政経塾を創りました。塾生は祖父や父親が政治家でない、なるべく政治に関係の無かった人を中心に「高い志」を持った人達を選びました。 世の中には、変わってはならないもの、変えてはならないものがある。そして、一方で日進月歩で変化していくもの、変えなければならないものもある。両者が適切に存在しなければならない。 コメント 松下さんは、今の自分の考え方がそのままで良いのか?蟻馬君3分後にはもう正しくないかも知れないよ。自己満足する事無く、停滞する事も無く、何が正しいかを追求し前進し続けた人です。 シワがよるということも進歩である。髪が白くなることもまた進歩である。 コメント シワも白髪も年輪を重ねた証拠ですが、外見でなくて中身も進歩成長している筈だ。毎日真剣に努力し、日々研鑽していれば進歩しているだろう。鏡の前で白い頭を撫でながら、反省している私です。 あるものは進み、あるものは進まないという、調和を欠いた姿が、恐ろしい結果を生んでいる。 コメント 社員全員が、同じ志を持ち目標に向かって行動する時、大きな成果が生まれるのですね。松下さんは、会社の目指す目標そして社員は何のために働くのか、常に部下に熱く語り続けていました。世界中の人々が、豊かな生活が出来るよう、安くていい製品を研究開発して、世に送り出す為に全員が全力を尽くすのだと。 政治が国民に甘えている。しかし、始末が悪いのは、国民も政治に甘えていることだ。 コメント 国民が国に甘えることなく、するべき事が無限にある。と考えていた松下さんは、出来るだけ多くの税金を国に納めるのが国民の務めである。税金が集まらないと国が運営できなくなると、よく聞かされました。 なるほど、なるほどとそのときは思うのだろうが、ほんとうにわかってないから、それでおしまいになってしまう。 コメント 本当にわかったら、出来るまでやり通しなさい。ということですね。 “知っている事と行動する事とは天地の差” 松下さんは、良いとわかったら、出来るまでやり抜いたから成功したのです。 成功するまでやる。成功するまでその志を変えない。きわめて簡単なことだけれど、往々にしてそれが出来ない。 コメント 松下政経塾の五誓の中に「成功の要諦は、成功するまで続けるところにある」とあります。成功するまで努力を続けなければ成功はない。途中であきらめたのが、失敗したというのだよ。松下流の考え方です。 混乱混迷しておれば、むしろ小さなことにもチャンスがある。 コメント ピンチはチャンスという言葉はよく聞きますが、松下さんは、どんな困難に遭遇しても絶好のチャンスと捉えて行動しました。 ぼくの人生は、いわば死に直面して生き続けてきた人生ですな。こんなに長く生きてこれた。不思議ですな。運命ですな、これは。 コメント 松下さんは、病弱な身体でしたので、健康管理には細心の注意をしていました。運命は自分で引き寄せるのですね。 将来人を使おうと思えば、まず人に使われなさい。 コメント 人に使われてみて、初めて使われる人の気持ちが解る。相手の気持ちを理解するのは、自分が体験してみるのが一番良い、と教わりました。 こっちが誠心誠意の熱意を持って話したら、案外人は聞いてくれる。 コメント 松下さんは、人に接する時は決していい加減な気持ちでなく、真剣に聞き、誠心誠意の情熱を持って話をしました。“言葉の前に心あり、言葉の後に行動あり”
松下さんが誰からも信用された所以です。 正しいことだけでは、人を納得させることはできないときもある。 コメント 松下さんは、心から人が動いてくれ本気で働いてくれるには、上司としてどのように接したらいいか、どのように話し説得すればよいのかを、いつも考えていました。人使いの神様は人一倍心を遣っていました。 人多くして人少なし。 コメント この言葉に接すると、自分に厳しく努力を怠らずに日々成長する自分でなければ、この世に生まれて来た意味がないと身の引き締まる思いです。 今からでも決して遅くない、と確信をもって 始めたい。 コメント 若さとは年齢ではない心だ!今更いまさら手遅れだよ、と言わずに常に “今からさあ始めよう”。挑戦の心。 一日一日が勉強。一日一日知らないことを覚える。一日一日これ発見である。 コメント 松下さんは、他人から話を聞いても本を読んでも、知らないことを覚えるのは自分の成長である、と考えていたのですね。94才でお亡くなりになるまで、この気持ちを持ち続けました。止まる所のない永遠の青年でした。 |