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県に聴覚障害者制度の改革の要望をしました

 7月14日午後2時から県庁の会議室で、県内の聴覚障害関係の9団体による「聴覚障害者制度改革推進徳島本部」本部長の平光江さんから、知事代理の熊谷政策監に対して、今回の東日本大震災の教訓から、聴覚障害者に対して災害時の情報保障等の下記の6項目の要望を手話で要望しました。同本部から顧問を要請され、受託した事から私も同席して要望しました。

1.災害時等の情報保障とコミュニケーション支援について
 (1)災害時や緊急時及び避難所における聴覚障害者への情報保障については、手話や文字情報、触手話、指点字等の視覚、及び触覚による情報が確実に得られるようにすること。
 (2)災害時の対策を検討する際は、当事者及び支援者団体を交えて十分な協議をすること。
 (3)「災害時支援マニュアル」の作成とマニュアルに基づく防災訓練実施への協力、関係機関との支援ネットワーク化等の対策を講じること。

2.社会資源の整備と手話通訳者・要約筆記者の設置について
 (1)聴覚障害者は障害の発病時期や生活環境等により、障害の程度や支援のあり方がさまざまである。個々の障害に応じた社会資源の整備と、手話や要約筆記、盲ろう者向け通訳・介助員による支援について、行政機関に対し、理解の推進を図ること。
 (2)「障害者の自己選択と決定」「ノーマライゼーション理念」の観点から、社会資源の利用や地域生活等について相談ができるよう、聴覚障害者のケアマネージメントに関する専門知識と、技能を有する手話通訳者、または当事者相談員(ろうあ者相談員)等を県の関係機関に正規職員として配置すること。

3.手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員の派遣事業について
 (1)手話通訳派遣事業、及び要約筆記派遣事業が単独で実施できない市町村の受け皿として、また広域に渡る対象者への派遣事業として、県の派遣事業を実施、予算化すること。
 (2)盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業の一人当たり年間派遣時間数を、全盲ろう者については、現在の240時間から500時間に拡大し、そのための予算を確保すること。

4.マンパワーの育成について
 (1)手話通訳者や要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員の養成等マンパワーの育成目標数を具体的に明示し、目標数の早期達成に向けて対策を講じること。
 (2)指導者養成について、具体的な目標数を設けて予算化すること。
 (3)養成カリキュラムや資格については、聴覚障害者や盲ろう者等当事者の要望と実感に合ったものに充実させること。

5.利用者負担と聴覚障害者の人権について
 (1)コミュニケーション保障に係る手話通訳、要約筆記、盲ろう者向け通訳介助の利用に係る本人の負担は、個人と団体に関わらず今後も無料とすること。
 (2)聴覚障害者が障害を持たない人と同等の社会生活を営むためには、「障害者が保護の客体から権利の主体となる」観点に基づいた環境整備が重要である。環境の整備と県職員、及び関係機関の理解を推進すること。

 マスコミの関心も高く、テレビや新聞社の取材もありました。私も顧問として、要望した項目の実現に努力してまいりたいと決意しております。

6.定期的な意見交換の場について
 聴覚障害者及び盲ろう者福祉の推進、人権の確立に向けて、県や行政関係機関と聴覚障害者制度改革推進徳島本部において、年一回程度の定期的な意見交換の場を設けること。

 要望には、徳島県聴覚障害者福祉協会、徳島県盲ろう者友の会、徳島県難聴者と支援者の会、人工内耳の会、聴覚・ろう重複障害者生活支援センター、文字情報支援ひこばえ、徳島県聴覚障害児・者を持つ親の会、徳島県手話通訳士連絡会、一般社団法人全国手話通訳問題研究会徳島支部の9団体の代表らが参加しました。