寸劇『団子の海』2007.01.08 日本共産党後援会「新年のつどい」(僕は京都南座へ)

 

★出演  おじさん=      おばさん=     イノジロー=    サクラ=

 

 

客席の後ろの方に、タライを持ったおじさんと、草刈ガマを持ったおばさん登場。

 

おじさん (びっくりさせるような思い切り大きな声で)昔々!あるところに!

おばさん おじさんと!おばさんが!住んでいました!

 

(「桃太郎」を歌いながら客席を通り、ゆっくり舞台に上がって客席の方を向き、普通の声で)

おじさん おじさんは川へ洗濯へ(と言って上手へ去る)

おばさん おばさんは山へ芝刈りに(と言って下手へ去る) 20秒ほどの間。

 

(おじさんが、赤ちゃん※丸めた座布団でいい を寝かせたタライを見せながら登場)

おじさん お〜い、いつもの洗濯場に大きなダンゴが落っとってな〜、あれは直系30mはあったな〜、うまそうなんでかぶりついたら、中からこの赤ん坊が飛び出したんよ。

 

(おばさん、鎌でひっかけた赤ちゃん※座布団でいい を見せながら登場)

おばさん ありゃ〜、ウチの方も、あそこの桜の森の満開の下で女の子を拾たでよ。

 

おじさん(ナレーター風に) おじさんとおばさんは、二人の赤ん坊を育てるために、拾った巨大な団子を元手に団子屋を始めました。でも、なかなかワーキングプアから抜け出せません。

 

おばさん(ナレーター風に) 男の子は、干支にちなんで「イノジロー」と名づけました。そして、女の子は、桜の木にちなんで「サクラ」と名づけました。サクラと言うてもタウン・ミーティグとは関係ないんよ。

 

二人 それから20年。(と言って腰を少しまげながら客席に降りていき、観客になる。イノジローとサクラ登場。)

 

イノジロー お兄ちゃんはな、サクラ、日本一の団子屋になりたいんや。事業をもっと拡大せんかったら、働けど働けど、楽にならざり…(といってじっと手をみる。顔を上げて)聞くとこによると、全国にはいっぱい団子で有名な村があるそうやで。(福島さんを指でさしながら)福島やろ、和歌山やろ、そして宮崎やろ。

 

サクラ それはな、お兄ちゃん、それらの村で有名なんは、団子じゃのうて談合なんよ。

 

イノジロー (聞き流して)この前、越中大塚の薬売から聞いたんやけど、何でも阿波の徳島では、周りの海にまで団子がいっぱい浮かんどって、団子の海とかで有名なそうや。

 

サクラ 薬屋のそんな話、信じとん? あれもな、団子じゃのうて、談合の話なんよ。ダ・ン・ゴ・ウ。

 

イノジロー (ちょっと分りかけて)何で〜? そのダンゴウやゆうんは?

 

サクラ ほら、ずっ〜と向こうに大きなお城が見えるやろ? それに、あっちにも、この前できたとこの、狸や猪しか通らん大きな橋や広い道路が見えるやろ? あれ、全部、談合。工事の前にな、どの組がやるか、なんぼでやるかを、こっそり相談して「天の声」とかで決めるんやって。そういうんを、談合って言うんやで。ゼネコン組がもうけては、御家老様に賄賂を贈んじょるはずや。

 

イノジロー 何で〜、その「ゼニ来ん」ってのは? 団子ようけ売ったら銭になるで。

 

サクラ お兄ちゃんたら、まだそんなこと言うて。ゼネコンというんはな、大きな土木工事を独り占めする「組」のことなんよ。そのせいでお隣のケンちゃん組なんか、ち〜っとも仕事が回ってこんわって昨日も嘆いとったやろ。

 

イノジロー (手を打って)そうか、わかった。先代の御領主様から痛みに耐えろ、痛みに耐えろって言われ続けて何年も我慢しとったけど、生活が苦しゅうなるばっかりでおかしいなあと思とったんや。(手を打って)そうか、そんな無茶苦茶な年貢の使い方をしよったんか。ほんでも、サクラ、お前は何で世の中の仕組みをそんなによう知っとんで?

 

サクラ それはな、うちは若い頃から、あ、今もハタチやけどオ〜、ずっ〜と「赤旗新聞」読んみょったけんや。赤旗によると、阿波の徳島でも、談合の海をきれいにする運動が始まったそうやで。みんなでクリーンな政治にせんといかんけんな。

 

イノジロー そうか、それは聞いたことあるわ。ほんでも、まだ団子の海の「ニヤケ島」には鬼が住んどるそうやで。いい人が住んどったらイイズミ、愛があればアイズミっていうんやけど、まだまだ腹の黒いニヤニヤ鬼がウジャウジャおるんやって。ほんでもな、お互いに寝返ったり裏切ったり、わけのわからん推薦状持って行ったりしよるらしいで。これは、疑心暗鬼っていうんやな。

 

サクラ  う〜ん、それは百鬼夜行って言うけど、ま、ええわ。そやから、今度の選挙では、そんな鬼を退治できる勇敢で清潔で心優しいお目付け役を選ばんとな。うちも、ようよう選挙権ができたけん、今年の選挙が楽しみなんよ。(客席のお爺さんとお婆さんを呼んで舞台に上げて)なあ、うちらも村あげて、みんなの願いを「世直し党」に託さへんで。

 

お爺さん そうじゃの、世直し党っていうのは、日本では共産党のことじゃな。

 

お婆さん そうそう、いま思いだしたけんどな、なんでもチュウナンベーという国では、民百姓のための政治がどんどん広がっとるそうやで。

 

イノジロー ほうか〜。ほんなら外国に負けんと、わしらも、共産党といっしょに、世直しを進めんといかんなあ。

 

お爺さん (客席に向かって)さあ、みんなでガンバロー三唱をせえへんで。さあ、みなの衆、立って立って。準備はええで? (観客と共に)共産党と共に、世直し、ガンバロー! ガンバロー! ガンバロー!