企業エゴ規制のエコ運動を2010。01 「新婦人」ニュース
三宅 修
「虎は千里を行って千里を戻る」と言われる。
すごい行動力に感心するが、虎穴で待つ虎の子大事で引き返す、という意味もあるのが嬉しい。
人間の場合は、いくら「高速千円」でも、一日に四千キロも走る人はいるまい。
そんな人がいたら「温室効果ガス」が増えてたまらない。だから、無駄な長距離ドライブはやめてほしい。
なんて言いたくなるけど、ほんとは乗用車1台の1年分のCO₂排出量は、戦車の軍事演習1時間分と同程度だとか。
びっくりするけど、それが日々頻繁に流される「エコ宣伝」の落とし穴だろう。
マメに電源を切りなさい、エアコンの温度は○○度に設定しよう、外食にはマイ箸持参して、買い物にはエコバッグを…。
もちろん、「もったいない」精神は僕も大好きだし、節電節水は大事なことで、
みんながそういうのを意識し広めていくのは、とってもいいことだと思う。
ただ、忘れてはならないのが、国全体の排ガスの7割は、製鉄所や発電所などの大企業関係で、
家庭用は車を入れても1割程度だということ。だから、真に規制すべき所は明らかなのだ。
マイ箸愛好者からは目の敵にされがちな割り箸だって、間伐材利用だと、森の健康にとってむしろプラスになるそう。
それを聞いた時には、「目からうろこ」。 文字通り、木を見て森を見ず、になるところだった。
エコバッグもそう。必要以上に次々と「買い換え」や「買い増し」をする人がいる。
昔の買い物籠みたいに家庭に必ず一つはあって、日常的に使われたらいいのだけど、「買い置き」ではエコに逆行だ。
繰り返しになるが、個々のささやかな努力はいいことだけど、そこだけに留まらないこと。
やはり、イギリスやドイツなどEU諸国の経験に学び、日本でもまず政府と企業との間に公的な「削減協定」を結ばせることが必要なのだ。
大企業にもれなく温室効果ガスの削減目標を明確にさせ、責任を持たせなければ効果がない。
私たちも努力するから、あなたたちもやりなさい、って。 それが肝心。
そういうピントのしっかり合った条理あるエコ運動が展開され、エコー(こだま)のように響き合っていけばいいのと願う。
我が亡き後にも洪水が来ないように。