消費ゼイゼイ 1998.3.24 徳島新聞夕刊 

 

 

「春眠暁を覚えず」とかで、この時期の朝のまどろみは、本来とても心地よいものだ。それならノドカでいいのだが、中小業者の中にはノドから手が出る運転資金に窮して自らの手で永眠する悲惨な報道が後を絶たない。

 

若者たちも、希望に満ち溢れるはずの卒業・入学・就職シーズンなのに、その就職難は相変わらずひどく「氷河期」はまだまだ続いている。入試に受かったのに進学を断念したという話も耳にする。

 

それもそのはず、保護者自身が思いがけず失職したというケースもよく耳にするのだから…。男性の完全失業率が3.7%と過去最悪を記録した。総務庁統計局発表。この数値はかなりのものだ。しかも月末一週間で収入のある仕事を一時間でもすれば、ここでいう「失業者」に入らないのだから「実質失業者」はかなり膨れ上がるだろう。

 

国内総生産(GDP)も、23年前の未曾有の「オイル・ショック」以来の、マイナス成長だ。GDPの六割を占める民間消費支出が凍りついての、当然の帰結と思う。調査結果を手にした当の経済企画庁の幹部も「予想どおりの厳しい数字。消費の落ち込みが大きかった」と認めた。

 

素人目にさえ、生活防衛のためにほとんどの国民が財布のひもを締めているのがクッキリと映っているのだから「専門家」は先刻、重々ご承知だろう。名前は忘れたがアメリカの政治家からも、袋小路から抜け出すために大幅減税が必要だという「アドバイス」がしばしば届く。なのに、政治責任を持つ議員らが、かたくなにそれを一蹴する。「箸の上げ下げまで教えてもらうのは卒業しないといけない」なんて…。

 

それはないだろう、ふだんはけっこう言いなりなのに、というのが私の率直な気持ちだ。本国では「低空飛行訓練」のコースさえ慎重に決め、事前に明らかにするのに、日本では四国でもどこでも飛び放題。それに抗議の一つも出来ない政府が「減税については聞こえません」なんて…。

 

政権基盤を守るという思惑だろうが、消費税減税を口にする与党の黒幕?も出てきた。日商会頭も「五兆円規模」の減税を提案した。消費税でいえば2%に相当する。国民の懐を暖めねば、不要不急の工事に10兆円つぎ込んでもこの「消費不況」は克服できないだろう、という世論も大勢をしめてきた。

 

消費税はきっぱり廃止してほしいというのが庶民の本音と思うけど「せめて3%に戻して」という切実な要求が広がっている。ここで、クイズ。消費税が導入されたのはいつだったか? 答え。私は白紙に戻してほしいので、「はく・し」=89年4月=と覚えている。

 

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