パンドラの箱 ・・エピローグ・・

 

  ・・この箱はパンドラの箱・・それは決して開けてはいけない禁断の箱。

  遠い神の時代に開けられたパンドラの箱、出てきたものは希望。

  再び、閉じられたパンドラは時代を流れて現代に辿りついた。

 

 

  ごめんよ、君を困らせるために渡した訳じゃなかったんだ。

  僕も自由になりたかったんだ。君が今そう思っているようにね。

  開かないパンドラは時折、麻薬以上の力を発する物になる。

  手に入らないのなら消えてしまえばいいと、願うのが人間の性なのか?

  僕がこの箱を手に入れたのは偶然だったんだ。信じるかな?君は。

  この箱を手に入れたのが夢の中だって云う事。

  僕はその時どうかしてたんだ。僕が迷い込んだのは多分遠い地球の過去の世界。

  何もない真っ暗な空間から、誰かが泣いてる声が聞こえた。

  その手の中に何かを抱えているのが見えた。それは、小さなガラスの箱だった。

  泣いている女の子から抱えていた箱を受け取ったんだ。  

  「私は過ちを犯してしまったの、地球がこれから行く道は破滅。けれど

  残された希望はあなたの心にある。もう一度全てを封印した箱がこのパンドラ。

  もう一度神様は私にチャンスをくれたの。時を戻してくれたの」

  そう、この箱はパンドラが開ける前の箱なんだ。あの後、神様がもう二度と

  開かないように封印したのがこの箱なんだ。

  なのに、今の地球はパンドラが箱を開けたままの世界のままなのは何故なのか?

  神が望んだ世界を取り戻さなければ、地球が窒息してしまう前に。

  あの時、封印された物は何なのか?神はこの世の悪そのものを封印したはず

  なのに、まさか?封印されたのは希望のみなのか?問う事すら出来ずに彼女は

  僕に箱を手渡して消えた。あの時、受けとっちゃいけなかったんだ。

  そして、目を醒ました僕の手の中に箱が残っていた。

  ・・伝説とは違う彼女の言った真実・・

  開くはずのないパンドラは、今僕の目の前にある。何故僕に託されたのか?

  あの少女は伝説のパンドラなのか?そしてこの箱は本当に?

  僕の手の内で封印しておけば良かったんだ。なのに・・

  僕は試してみたんだ。この箱を開ける全ての方法を。

  あの少女は、神の見せた夢なのか、それとも悪魔の見せた夢なのか?

  バンドラに魅せられた魂は、永遠に時をさ迷うしかないのか

  あの日の少女のように。僕は、君を巻き込むつもりじゃなかった。

  でも、僕の抱えている悩みを誰かに解って欲しかった。

  それが人間の弱さゆえ起こる葛藤。僕はこれから何が起こるのかを考えてた。

  君があの箱を抱えて、悩み苦しむ可能性を。僕だけで終わらせておけぱ良かった。

  今、微笑んでいるのはどっちなんだろう。神か悪魔なのか?その答えは・・

 

 

  

 

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