,

永遠に
 

 

  限りなく淡いアクアマリンの瞳を持った俺の恋人。

  あいつの指が俺に触れるだけで、俺は身体の芯が痺れて身動き

  一つ出来なくなる。あいつの唇が、そっと俺の唇に触れる。

  俺は、自然と唇を開きあいつの愛撫を受け入れる。

  立っているのが苦痛になるような、甘いくちづけ。

  絡み合う舌の動きに、身体の奥深くが刺激されて、思わず声が

  洩れる。あいつは、冷たい笑いを浮かべてゆっくり唇をはずす。

  頬から耳へ、馴れているはずの愛し方にまた俺は溺れていく。

  首の後ろに唇をよせて、胸のボタンを一つずつ外す長い指。

  その手を引き寄せて、俺はそっと指を噛む。俺を唯一狂わせる

  事の出来るその指に恋してる。あいつの長い髪が俺の首に絡んでくる。

  ・・このまま、殺されてもいい・・その狂ったような激しい愛し方に  

  慣らされていく俺の身体 。・・愛してる・・声にならずに全身が叫ぶ。

  あいつの存在しない 世界に、一人残される自分を想像してゾッとした。

  それなら、いっそこのまま二人繋がったまま、死んでいきたい。

  月のような冷たいあいつの微笑を、初めて見たあの日から壊れちまった心。

  何故、俺を抱くのかと、問い詰めたい衝動に駆られる夜毎の秘め事。

  優しいくちづけの後の、残酷なまでの愛し方に慣らされていった身体。

  あいつがそばを通るだけで、その香りに気持が乱される。

  残された香り一つで、あいつを求めてる身体の疼き。

  あいつのそばにいる時間だけが、俺が存在している意味を知る。

  そう、たとえ今、世界が終わってしまったとしても・・。

  俺の心はあいつだけを守るためだけに、存在し続ける。

END
 

 

BACK