さやまの会 №89   21/5/20
 三者協議も大詰めに~鑑定人尋問請求を視野~
4月27日の第46回三者協議において、弁護団が求めているスコップに関しての証拠開示について協議が行われた。
狭山弁護団はスコップに関して、東京高裁に証拠開示勧告申立書を提出しており、事件当時の埼玉県警鑑識課の鑑定ではスコップに付着している土と比較する対照資料として、死体発見現場の土ではなく死体発見現場付近に穴を掘って採取した土を使っており、この鑑定の経過などを明らかにするために土採取時の捜査報告書類、採取記録や採取現場を指示した書類などの証拠開示を求めています。
一方、検察官は3月29日付で筆跡について弁護団がこれまで提出した新証拠(筆跡・識字能力鑑定)に対する反論意見書を提出しました。第3次再審で証拠開示された逮捕当日の上申書や取り調べ録音テープなどに基づいて石川一雄さんが脅迫状を書いていないことを明らかにした多数の筆跡・識字能力鑑定を弁護団が提出していることに対しこれらの証拠全て再審理由にはならないと主張しています。
弁護団は、これまで検察官が提出した意見書の誤りを明らかにする新証拠や自白についての新証拠の準備を進めており、新証拠の提出をふまえて鑑定人尋問を請求することとしています。次回の三者協議は7月中旬に予定されています。
 石川一雄さんのメッセージ ~最大限の支援を訴え~
5・23石川不当逮捕5ヵ年糾弾集会(中央集会・県内集会)が中止となりましたが石川一雄さんがメッセージを発出していますので、一部抜粋したものを次のとおり紹介します。
 ~メッセージ~
常に疑心暗鬼を払拭出来ないのは、私の無実を示す証拠がたくさん存在する中で、再審の門を開こうとしなかったこれまでの裁判官の姿勢であります。
言及するまでもなく、近年、無期刑の受刑生活を強いられた6人の人たちが再審無罪になりました。この人たちは、最高裁で有罪と認定され、10年、20年、30年と無念の受刑生活を余儀なくされましたが、無実の人を有罪に追い遣った裁判官はなんら、反省もせず、謝罪もしないことに満腔の憤りを覚えます。
冤罪者は、一人の人間の一生だけでなく、家族も巻き込み、差別、偏見、悲しみ、怒りなど、塗炭の苦しみの中で生きざるを得ない状況に追い込まれます。狭山事件のように、被差別部落の者が冤罪に巻き込まれたときは個人の問題でなく、被差別部落全体が犯罪者集団の様な扱われかたもされてきました。
公平で公正であるべき裁判官が検察側に軸足を置き、忖度し、結果として、誤った裁判で有罪にしたのですから、司法の府としての黒い法衣を纏う資格などないと、断罪せねばならないと思うのです。
今の裁判官には、過去の過ちの反省の上に立って、鑑定人尋問をおこなうなどして、弁護団より提出された新証拠を徹頭徹尾調べつくし、再審の門を開いて頂きたく願わずにはおれません。
この狭山第3次再審こそ、私は乾坤一擲で臨む所存でありますので、何卒皆様も感染防止に十分に気を付けられた上で、本審で冤罪が晴れますよう最大限のお力添えを賜りたく、衷心よりお願い申し上げます。
 今の司法 金城鉄壁侮らず
 証拠を携え 緊褌一番で臨む
 ハガキ行動のご協力をお願いします
東京高等検察庁と東京高等裁判所第4刑事部宛にハガキ行動のご協力をお願いします。同封のハガキに一言添えていただき、住所・氏名をご記入のうえ投函くださいますようお願いいたします。
5・23の狭山県内集会はコロナ下の状況を踏まえ中止となり、5月23日に街宣車による街宣行動を行うこととなりました。