溶接機の設置について
工場の一角で、非常に狭いスペースを上手に利用して、溶接機などの機器類をすきま無く置いている姿をよく見かけます。
「さすが!収納が上手ですね。」 と言いたいところですが、それでは溶接機が悲鳴を上げています。
下記のイラストの様に、2台以上並べる時は30p以上、壁からは20cm以上の間隔が必要です。
もちろん直射日光は避けるべきですし、耐風、耐水対策も必要です。
また、溶接機は床に直接置くのではなく、30p以上高い場所に設置することをお勧めします。(トランスが、鉄粉などの金属製のゴミを巻き込みます。)
愛機に、長い間、良い仕事をしてもらうためには、余裕をもたせた環境が必要です。
ヒューズ容量について
溶接機の定格入力やヒューズ容量はカタログを参照してください。
例えば、pana社 デジタルTIG電源300BP4であれば、定格入力10.5KVA ヒューズ容量30A(ノーヒューズブレーカー場合40A)となっています。
ここで気をつけたいのは、大は小を兼ねるのでは、と言う誤解です。
この場合、100Aぐらいのスイッチボックスにつないでも良さそうなものですが、もし必要以上の電流が流れた場合、ヒューズが飛ばなかった
ために、 溶接機や、トランス等の設備に異常をきたす場合があります。
ヒューズ容量は溶接電源にあったものをお選びください。 また、各溶接機ごとに、スイッチボックスを取り付けてください。
ちなみにカタログではノーヒューズブレーカーが内部式(ヒューズ式)に比べて、少し容量が大きくなっています。これはトーチSWを押した時
溶接機に瞬間的に非常に高い電気が流れ、それを拾ってブレーカーが落ちる事を考慮したためです。
ヒューズの場合はヒューズの温度上昇に時間を要するため、切れにくくなっています。しかし この反応速度の遅さが機械の故障につながる
とも言われています。
《参考》
ヒューズ容量の求め方
三相の場合 定格(一次)入力(KVA) x 1000 /入力電圧(V) x√3 = 一線あたりの一次電流(A)
単相の場合 定格(一次)入力(KVA) x 1000 / 入力電圧(V) = 一次電流(A)
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