適正ワイヤーを使用していますか?


・溶接ワイヤーは、メタル系やルチール(スラグ)系のフラックス入りワイヤーとソリッドワイヤーに大別できます。(シールドガスを使用しないノンガス  ワイヤーも存在しますが・・・・)
 CO2/MAG溶接は、フラックス入り、ソリッドどちらでも使用出来ます。 (MIG溶接の場合はソリッドを使用します。)

 例えば、軟鋼や高張力鋼用の溶接をソリッドワイヤーを使ってCO2溶接する場合、溶接電流約200Aを境にして、薄板であればYGW12(JIS)の規格のものを、厚板であればYGW11の規格のものを使用します。
 また、大入熱、高パス間温度用であれば、YGW18の規格のものを使用します。

・MAGガス(アルゴンにCO2を20%ほど加えたもの)用であればYGW15 YGW16等となります。

ここでは、ステンレス鋼や、アルミなどの非鉄金属用については省略しましたが、要は“母材の種類や厚さ、その他、溶接施工条件を考慮して適切な銘柄を選択してください。”という事です

  左が神戸製鋼所製 SE-50T(YGW12)   右が同社製 MG-50(YGW11)





 溶接電流、電圧値は適正ですか?


 ・最近のデジタル溶接機は、電流 電圧調整が一元化しているので、電流値の調整だけで溶接が可能ですが、個別調整の場合、下記のことに留意 する必要があります。
 溶接電流は、ワイヤーを送るスピード、、電圧はワイヤーを溶かす力と考えてください。 よって 
  
 電圧が低すぎる場合・・・・・ワイヤーが母材をつつく感じになり、 アークが持続できません。

 電圧が高すぎる場合・・・・・ワイヤーがすぐに溶けてしまい、アーク長が長くなり、スパッタが多くなり、溶接が不安定になります。



《参考@》  標準溶接条件表

 板厚  溶接電流(A) 溶接電圧(V) 
  0.8〜2.3 60〜150  17〜20
 2.3〜6  100〜200  19〜23
 6〜10  200〜350  23〜35
 10以上  350〜500  35〜42





《参考A》 溶接電流を選定した後を電圧値の下記の計算式によって求めます。
 

300A以下の場合 電圧(V)=0.04 x 溶接電流(I) + 1.6 ± 1.5

300A以上の場合 電圧(V)=0.04 x 溶接電流(I) + 2.0 ± 2.0


※この計算式は主に、高電流用のワイヤーに適合します。。



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