症状がないからこそ、知っておきたいこと。
あなたの血液検査の結果、気になりませんか？
脂質異常症は,症状がないまま、静かに進行する血管の病気です。
このガイドで、ご自身の体で何が起きているのか、
これから何をすべきか、一緒に見ていきましょう。
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基本の知識：コレステロールの「善玉」と「悪玉」
コレステロールは体の細胞を作る大切な材料ですが、その運び方によって「善玉」と「悪玉」に分かれます。大切なのは、この2つのバランスです。
LDL (悪玉) コレステロール
肝臓から全身へコレステロールを運ぶトラック。増えすぎると、血管の壁にコレステロールを置いてきてしまい、動脈硬化の原因になります。
HDL (善玉) コレステロール
血管の壁にたまった余分なコレステロールを回収して肝臓に戻すお掃除役。動脈硬化を防ぐ働きをします。
なぜ危険なの？：動脈硬化が静かに進むプロセス
脂質異常症が「サイレントキラー」と呼ばれるのは、自覚症状がないまま血管の中で問題が進行するためです。最終的には心筋梗塞や脳梗塞につながる可能性があります。
ステップ1：LDL(悪玉)の増加
血液中に悪玉コレステロールが過剰な状態が続きます。
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ステップ2：プラークの形成
血管の壁にコレステロールが溜まり、「プラーク」というコブができます。血管が狭く、硬くなります（動脈硬化）。
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ステップ3：プラークの破綻と血栓
プラークが破れると、それを治そうと血の塊（血栓）ができます。
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ステップ4：血管が詰まる
血栓が血管を完全に塞いでしまうと、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。
あなたの数値は？：診断基準をグラフで見る
ご自身の検査結果と見比べてみましょう。グラフは、どの数値から注意が必要かを示しています。緑が安全域、黄色が境界域、赤が異常域の目安です。
治療の2本柱：生活習慣の改善と薬物療法
治療の基本は、まず生活習慣を見直すことです。それだけで数値が改善することも少なくありません。お薬は、それでも目標に届かない場合の強力なサポーターです。
食事を見直す
- 控えるもの：肉の脂身、バター、洋菓子など飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多いもの。
- 増やすもの：青魚、大豆製品、野菜、海藻、きのこなど食物繊維が豊富なもの。
体を動かす
- 目標：1日30分以上の有酸素運動（早歩きなど）。
- コツ：「座る時間を減らす」「一駅手前で降りて歩く」など、できることから始めましょう。
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