2025年改訂版 心不全診療ガイドライン

医療従事者向け 臨床変更点・重要要点をA4 3ページに要約まとめ

(1)改訂の基本方針と「心不全ステージ」の再定義

1. ガイドライン改訂の背景と名称変更

2. 「心不全ステージ」の定義更新と予防の強調

国際的定義(Universal Definition)に準拠し、心不全の進行を「病の軌跡(軌道)」として捉え、特にステージA・Bへの介入が強化されました。

ステージA(心不全リスク)

状態: 心不全の症状はなく、心臓の構造的・機能的異常もないが、危険因子を有する状態。
2025年版の変更点: 従来の高血圧、糖尿病、肥満などに加え、慢性腎臓病(CKD)やメタボリックシンドローム、心筋症の家族歴などが明確に位置づけられました。

ステージB(前心不全 / Pre-Heart Failure)

状態: 症状はないが、「心臓の構造的・機能的異常」(左室肥大、拡大、弁膜症など)、あるいは「利尿薬を要しない心内圧上昇」、または「バイオマーカー(BNP、NT-proBNP、トロポニン)の高値」のいずれかを認める状態。
臨床的意義: 症状が出る前に「心不全の一歩手前」として捉え、治療介入を強力に促します。

ステージC(症候性心不全)

現在または過去に心不全の症状・徴候(息切れ、浮腫、うっ血の客観的証拠など)を有した状態。

ステージD(治療抵抗性心不全)

適切な薬物・非薬物治療を行ってもNYHA心機能分類Ⅲ度より改善せず、日常生活に著しい支障がある状態。

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(2)左室駆出率(LVEF)別分類と薬物療法のアップデート

1. LVEFによる心不全の4分類

治療方針を決定する左室駆出率(LVEF:心臓が血液を送り出す効率)の分類において、新たに改善例が定義されました。

分類呼称 定義(LVEF基準) 臨床的特徴・変更点
HFrEF 40% 以下 収縮能が低下した心不全。基本4薬(GDMT)の早期導入が必須。
HFmrEF 41% ~ 49% 軽度低下した心不全。HFrEFに準じた治療アプローチが推奨される。
HFpEF 50% 以上 収縮能が保たれた心不全。高齢者に急増中。SGLT2阻害薬のエビデンスが確立。
HFimpEF 新定義 改善した心不全 初回時に40%以下だったものが、適切な治療により
10%以上増加かつ40%を超えて改善した状態。改善後も治療の継続が強く推奨される。

2. 薬物療法(GDMT)の推奨アップデート

■ HFrEF(LVEF 40%以下)の治療:『ファンタスティック・フォー』の確立

以下の4つのクラス(GDMT: ガイドラインに準拠した内科的治療)を並列で、早期から、かつ最大忍容線量まで速やかに導入することがクラスⅠ(強く推奨)とされました。

  1. RAS阻害薬: ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)を優先、またはACE阻害薬/ARB
  2. β遮断薬
  3. MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)
  4. SGLT2阻害薬

■ HFmrEFおよびHFpEFの治療:待望のエビデンス追加

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(3)包括的疾病管理・地域連携とその他のトピックス

1. 併存症管理と多職種チーム医療の強化

心不全は心臓だけの病気ではなく、全身の併存症を管理することが予後を大きく左右します。

2. 心不全リハビリテーション

3. 地域連携・地域最高ケアとデジタルヘルス

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