医療従事者向け 臨床変更点・重要要点をA4 3ページに要約まとめ
国際的定義(Universal Definition)に準拠し、心不全の進行を「病の軌跡(軌道)」として捉え、特にステージA・Bへの介入が強化されました。
状態: 心不全の症状はなく、心臓の構造的・機能的異常もないが、危険因子を有する状態。
2025年版の変更点: 従来の高血圧、糖尿病、肥満などに加え、慢性腎臓病(CKD)やメタボリックシンドローム、心筋症の家族歴などが明確に位置づけられました。
状態: 症状はないが、「心臓の構造的・機能的異常」(左室肥大、拡大、弁膜症など)、あるいは「利尿薬を要しない心内圧上昇」、または「バイオマーカー(BNP、NT-proBNP、トロポニン)の高値」のいずれかを認める状態。
臨床的意義: 症状が出る前に「心不全の一歩手前」として捉え、治療介入を強力に促します。
現在または過去に心不全の症状・徴候(息切れ、浮腫、うっ血の客観的証拠など)を有した状態。
適切な薬物・非薬物治療を行ってもNYHA心機能分類Ⅲ度より改善せず、日常生活に著しい支障がある状態。
治療方針を決定する左室駆出率(LVEF:心臓が血液を送り出す効率)の分類において、新たに改善例が定義されました。
| 分類呼称 | 定義(LVEF基準) | 臨床的特徴・変更点 |
|---|---|---|
| HFrEF | 40% 以下 | 収縮能が低下した心不全。基本4薬(GDMT)の早期導入が必須。 |
| HFmrEF | 41% ~ 49% | 軽度低下した心不全。HFrEFに準じた治療アプローチが推奨される。 |
| HFpEF | 50% 以上 | 収縮能が保たれた心不全。高齢者に急増中。SGLT2阻害薬のエビデンスが確立。 |
| HFimpEF 新定義 | 改善した心不全 | 初回時に40%以下だったものが、適切な治療により 10%以上増加かつ40%を超えて改善した状態。改善後も治療の継続が強く推奨される。 |
以下の4つのクラス(GDMT: ガイドラインに準拠した内科的治療)を並列で、早期から、かつ最大忍容線量まで速やかに導入することがクラスⅠ(強く推奨)とされました。
心不全は心臓だけの病気ではなく、全身の併存症を管理することが予後を大きく左右します。