鮎釣り日記


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平成21年、9月2日  河内の瀬 
 柳瀬

 9月2日。東京から苦楽研人さんが四万十川へ遠征釣行されていたので、久保さんと共に同行させてもらった。しばらくまとまった雨が降っていないので、本流は渇水と高水温によるアカ腐れ状態。数日前に地元の岡本さんが江川崎宮地の瀬でやっていたが、水温が高いので天然の良質なオトリでさえ、15分もすると弱って泳がなくなる始末。一雨欲しいところだ。
 
 午前5時半」に起床して、自分と久保さんの分の弁当を造り出発。15分で苦楽研人さんの定宿の「旅館はまだ」に到着すると、皆さんもう揃っていて、いざ出発!久保さんの同僚の情報で、十川の手前の河内の瀬から始めることにした。

       

河内の瀬
           

 ここは全体に岩盤と大石が多く点在しているポイント。入川道からポイント全体を見回すが、あまりいい色ではない。しかし連日20〜30匹ぐらいかかっている・・・という大袈裟な情報を信じて川原へ降りた。苦楽研人師匠にポイントを教えてもらって、2時間ほど、丹念に流れ中央の大岩の上手の石囲いを泳がすが、まったく追ってこない。久保さんが水中メガネで淵の深場に潜ってみたら、鮎は沢山居るが、群れで固まっているのだという。高水温の土用隠れか?全員が2時間ほど苦戦するも結局場所代わり。師匠の判断によると、そろそろ産卵に向けての準備にも入っているらしく、いわゆる「つわり」の時期なんだそうで、この頃の鮎は追わないくて、その時期を過ぎるとまた元気に追ってくるのだそうだ。

このポイントでの仕掛け

●竿:DAIWAセオリー中硬硬8.7-9m、 ●天井糸:PEライン1号、 ●水中糸:フロロカーボン0.25号、
●ハナカン:7mm、ホンテロンブラック1号、編みつけ遊動、●ハリス1〜1.5号6〜7cm、●針:グランアステアタイプ2 7.5号



 いろいろと地元の釣師の情報を聞いてから、川平トンネル上手の柳瀬に入ることになった。ここは、かつでボクもよく通ったポイントで、瀬肩、チャラ瀬、早瀬、急瀬、トロ場と、様々なポイントが点在している。


   
 柳瀬右岸。久保さんが水中眼鏡を手に潜りに行く・・。            川見をしてポイントを見定める。

 かつて水況のいい時によくかかった下流部岸よりの大石周りを攻めるがまったくダメ!(T_T) 野鮎がはみついていない。その他の場所も殆ど全滅状態。水温計で測ると岸よりの浅場で29℃、流心で28℃もあった。やはりここでも高水温で鮎が追わないのだ。またまた久保さんが水中観察をすると、対岸の岩盤際の深い淵にはいっぱい大きな鮎が居るのだそうだ。しかし、瀬に出ようとはしないで、深いところで群れているだけだそうだ。ボクもメガネを借りて潜ってみた。大岩の下の深いところに沢山の鮎が固まっていた。雨が降って、やや水位が上がり、水温が下がれば、この鮎たちもナワバリを持つらしい。だが、今日はこの状況で釣るしかない。

 ここで苦楽研人師匠が推奨する釣りが、チビ玉のオモリ引き釣り。昔ながらの大オモリの引き釣りとは若干違って、0.8号の蛍光色カラーの小さなオモリをハナカンから約22cmのところに付け、下竿45度くらいにオトリを入れる。このとき送り込みや差し替え時にオトリを水面から上には出さずにオモリのカラーを目印にして狙いの筋に入れる。オトリが底に落ち着いたら、オトリじゃなく、オモリを引く感じでゆっくりと上竿60度くらいまで引き上げる。水面からの竿の角度はベタ竿。頭くらいから拳くらいまでのグリ石の平瀬で、水深の浅いところ向きの釣り方なので、目印はオモリから80cmのところ。上竿60度までいったら、立ち位置を半歩、上、下、沖、岸 へ移動しながら、また差し替えを繰り返す。 特に差し替えて、オトリがフッと底に入る時の瞬間に追ってくる事が多いのだそうだ。

 渇水、高水温、産卵準備期間、、など、追いがはなはだ悪い時に通常の引き釣りや泳がせ釣りでは演出できないアクションを演出してやることが追いを促進するのだそうです。師匠の手ほどきを受け、その釣り方をしはじめて、ボクにもやっと3匹ポツポツとかかりました。ヽ(^◇^*)/ 多分、通常の泳がせ釣りや引き釣りではボーズで終わってたと思います。

            
立ち込んで、引き釣りをする苦楽研人師匠                     追いが非常に渋いだけに、工夫して掛けた鮎は値千金!

 苦楽研人&久保氏の名人コンビでさえも、大苦戦の今回の四万十川。ただ釣果にこだわらず、考えて、工夫する釣りを大いに学んだ1日でした。黄金に輝く四万十川の天然鮎はいつ見ても綺麗です。


このポイントでの仕掛け

●竿:DAIWA GINEI マキシム急瀬抜き9m、 ●天井糸:PEライン1号、 ●水中糸:タフメタル0.125号、
●ハナカン:7mm、ホンテロンブラック1号、編みつけ遊動、●ハリス1.5号6〜7cm、●針:グランアステアタイプ2 7.5号、がまかつ あこーだ7.5号 ダイワキープ7.5号




     
急流に立ちこむ苦楽研人師匠。御歳〇〇歳?だけど元気!              どうです。綺麗な鮎でしょ。d(^_^o)


 釣行後、旅館に帰って、ご夫婦に夕食をご馳走になりました。釣り方、仕掛け、各地の川情報など延々と鮎談義が続きました。ボクみたいなヘボな釣り人でも細やかに親切丁寧に教えていただいた苦楽研人師匠と優しい心配りで接していただいた奥様、そしてオトリの確保をしてくれた地元の久保名人。こういった素晴しい先輩方に囲まれて、釣果など関係ない素晴しい鮎釣りを堪能した1日でした。 みなさんに本当に感謝です。ヘ(_ _ヘ)



釣行データ


釣り場
:四万十町川内、柳瀬上流部

天気:晴れ 水況:水温28℃〜29℃ 渇水 アカ腐れ 青ノロ多い 高水温と産卵準備期で瀬にハミついていない 深い淵には無数の群れ鮎を確認(大型多い)

同行者:苦楽研人さん、同奥様、久保さん

釣果:四人で十数匹 サイズ20cm〜25cm 天然と放流が混ざっている。

かかったポイン:瀬肩、チャラ瀬、平瀬
かからなかったポイン:深い岩盤の淵、大石周り、深瀬、急瀬



コメント

●泳がせても、通常の引き釣りでもダメなとき、0.8号のチビ玉オモリの引き釣りは追わない鮎に効果絶大!
●上記の釣り方をする場合、あまり動きすぎないこと。じっくりと時間をかけて追いを待つ。

●水中糸はメタルが適している。ポイントは浅場の頭大〜グリ石の川底が適している。
●オトリは水面にできるだけ出さない。オモリを目印として水面に滑らせて送り出し、刺し返しをする。(空気を吸わさない)オモリは蛍光カラーがベスト!

●ハリはしょっちゅゆう交換すること。かからくても石をかいて消耗しているので追ってもケラれやすい。
●掛からなくても、水中では何回も追われている。20回追って初めて掛かると考えたほうがいい。よって、同じところ  をじっくりと時間をかけて通したほうが良い。

●あくまでもオトリを引くんじゃなく、オモリを引いてオトリを遊動する感じ。ついてこない時は無理に引っ張らずに止め  て待つ。
●ハナカン周りは水流抵抗を一番受けるので、極力細い糸でスリムに編みこむ。

●竿の感度と軽さも大事。
●一発で追われたオトリはモテモテオトリなので、マーキング付きのハナカンを付けてオトリ缶に入れておく。
●竿の操作や移動はゆっくりと微妙にする。(バタバタ動かない)