監事挨拶
「コスモスの家」の心配事
私は以前「コスモスの家」で職員として働いていましたが、今は現場から離れ、応援団として運営委員をしております。こうしてずっと「コスモスの家」と関わっているのもパン事業を立ち上げたひとりとして行く末を見守りたいと思うからです。 「コスモスの家」でひとつ気掛かりな事があるんです。それは、今の場所に移った10年前、建物の改修にかなりの「お金」が必要で、その為に借り入れた「お金」を今も返済していることです。「コスモスの家」の現状からすればかなり負担だと思います。財政改革でよく言われる「将来につけを残すな」まさにそんな感じです。借り入れをした当時を知っている者は、仕方ないと諦められますが、それを引き継いだ者にとっては、いわれのない借金を払うのは納得がいかない事だろうと思います。あの時があったから今日があるという一面もあるのですが、「お金」のやり繰りで苦労しているのを見るにつけ、途中で投げ出したような気がして、「何かすまないなあ」という思いになります。 それともうひとつ「お金」の事で気掛かりな事があります。さっきも言い ましたが「お金」のやり繰りで苦労していることで職員の気持ちが折れてしまわないかという事です。私が「コスモスの家」で働いていた頃、職員は5人いて景気も今よりずっと良かったと思いますが、毎日毎日、大量のパンを焼いていました。毎月、経営検討会議を行い、売り上げ目標を達成するためにみんなで話し合いをしていました。最初は「がんばろう」と前向きでしたが、時が経つにつれ「いつまでがんばったらいいのだろう・・・」と後ろ向きな気持ちに変わってしまいました。「お金」に追われるという事は、人のやる気まで変えてしまうんだと思います。 さて「コスモスの家」の近況ですが、現場にいないので間接的なものですが、運営委員会の報告書からミーティングの内容で気になったところがひとつあります。「職員が頑張ってくれているのでありがたい」と利用者の言葉。職員は援助的な立場で自分が主体となっていると読み取れます。まさに「意識改革」「やらされている」から「自分がやる」に変わってきて、 自信をつけた証拠だと思います。現に「コスモスの家」で自信をつけた利用者を何人も一般就労に送り出し、その人達はそこで今も働いているそうです。利用者の「自信をつける場」としてパン事業があるわけですが、実際に自信をつけてきているのを見ると、改めてパン事業の必要性を感じます。 何をしても「お金」はつきまといますが何か手立て見つかるはずです。どうか、「お金」に縛られないで頑張ってほしいと思います。 監事 草薙博子
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