A君のたわごと ----------------------------------------------------------------------------- この物語はフィクションであり、実在するいかなる人物、団体名とも関係ない ----------------------------------------------------------------------------- 「虚と実、仮想と現実」 3Dプリンター 1980年代にSONY HandyCam TR55のプロトタイプ作成で有名になった Solid creatorというレーザーと光硬化樹脂を使用したシステムがある。 光造型機という分類にあたる。SolidCreatorというCADソフトも存在する これが初めて見た3Dで造形できる3Dプリンターの元祖であった、当時は 特殊技術の塊で大きさ、価格など個人で手に入るものではなく、企業の 研究や開発部門での用途を想定していたようである。 ところが最近事情が変わりXYプロッターを改造したようなプラスチック 造形装置が流行している。これが3Dプリンターと呼ばれている製品である。 比較的安価なのでがんばれば個人でも入手可能である。 機構はかつてのXYプロッタの延長上にあるが、出力が絵ではなく立体であり 手で触れることができる。 この場合デジタルデータが「虚」であり出来上がった物体が「実」である。 今までの工業製品はこの「実」に相当する物体を売っていたが、3Dプリンター では「虚」に相当するデジタルデータも売っている。 「虚」を売るのが得意な国らしい製品・システムである。 ここには日本の精密な金型や機械加工技術に対決しようとしている影が見える、 デジタル化して無形の物で金儲けをしようとして、何か企んでいるのか。 これもUSの戦略?と勘ぐってしまう。  マスコミはバラ色の3Dプリンターと宣伝していたが、ちょっと危険な プロダクトでもある。デジタルデータならではのDRMや改ざんなど 今までのデジタルデータ販売の問題などがそのまま当てはまる。 ただ問題なのは今までのようにデータが画像や音ではなく実際の物体に なってしまうところである。構造上も問題のある設計になっていたり 意図して壊れやすくなっていたり、PL法などに触れるような物体ができて しまうことも考えられる。 これらは製造業のウイルスのようなものである。 また消耗品の供給やコントロールソフトなど妙な部分で独占化が進んで しまったりして面倒なことになりそうである。 特定のツールや道具がないと出来ない仕事やシステムは警戒して注意深く かかわらなければならない。 特定の物が思わぬアキレス腱になってしまうからである -----------------------------------------------------------------------  ある製品を使い続けるには、対応する社会システムが必要である。 製品が耐久消費財の場合は消耗品の供給や修理・保守点検を行う組織 が必要である。 これらが無くなった時点で製品の寿命が終わってしまうことがある。 構造が単純で簡単に壊れない製品や、自分で修理可能な製品の場合は 若干使えるが複雑機械でで修理に高度な技術や機器が必要な場合はお 手上げである。 修理の部品が無くなれば今の製品はいつまで使える?? ガソリンスタンドが無くなれば今の自動車は?? インクの製造が終了したら今使っているプリンタは?? ネガフィルムの製造が終了したら今使っている銀塩カメラは??? 現像してくれる店が無くなったら?? レコード針が無くなったら今持っているアナログレコードは?? テープの生産が終わったら今使っているテープ装置は?? 放送電波が止まってしまったテレビ受信機は?? 修正プログラムが提供されなくなったOSは?? など、考えるとキリが無い ソフトウェアも次第にインターネット依存になってきている。 お金を出してもインターネットに接続しなければ使えるようにならない。 このような状況になると故障したわけではないのに使うことが出来ない。 という理不尽なことが起こっている。 消費の形態が所有から使用(借用)に変化してきている。 大都会では修理や消耗品の供給や保守する組織が充実しているので なかなか気がつかないが、地方都市ではけっこう深刻な問題である。 便利さの裏にはこのような問題が隠れているのである。